6月4日にはNFL選手が、それぞれのソーシャルメディアで同じビデオを投稿していました。この運動が始まって以来、生ぬるい声明を発表してきたNFLに代わって、はっきりと人種差別を糾弾し、Black Lives Matter を支持すると宣言しています。こちらがニューオーリンズ・セイントWRマイケル・トーマスさんのツイート。「NFLに代わってのメッセージ」とのこと。
“A message on behalf of the nfl” pic.twitter.com/iilDpnZfyV
— Michael Thomas (@Cantguardmike) June 5, 2020
「ジョージ・フロイドが殺害されてから10日経った。何回頼んだら、僕らの声を聞いてくれるようになるんだろう?どうしたらいい?僕らが警察に殺されたら?もし僕がジョージ・フロイドだったら?
僕らを黙らせることはできない。平和な抗議をする権利を主張する。長すぎる時間が経ってしまった。NFLを代表して、僕ら選手は次の宣言を耳にしたいんだ。
我々、ナショナルフットボールリーグは人種差別と、黒人に対する構造的抑圧を非難する。
我々、ナショナルフットボールリーグは、選手の平和な抗議活動を禁止したのは間違いだったと認める。
我々、ナショナルフットボールリーグはBlack Lives Matter を支持する」
NFLの有力選手が勢揃い。パワフルなビデオを作るなあ、と感心していました。そしたら、これが実は、NFLの職員が個人的にマイケル・トーマスさんに連絡を取り、製作されたビデオであることが報道されていました。
「リーグに届くコンテンツを作る手助けをしたい。僕はNFLのソーシャル担当職員で、会社が沈黙を続けていることを恥ずかしいと感じている。NFLは人種差別を非難する宣言をしていない。Black Lives Matter (黒人の生命も大切だ)と言っていない。
プレッシャーをかけるため協力したい。ビデオでキミの声を表現し、リーグに働きかけよう。もし興味があれば声をかけてくれ。一緒に仕事をしたいんだ」
とインスタグラムのDMでトーマスさんにメッセージを送ったという職員ミンターさん。面識もないので読まれないかもと思いましたが、15分後には返信が。そして、24時間後には、上のビデオが出来上がりました。
ミンターさんはNFLソーシャルメディア・クリエイティブディレクターという肩書の27歳白人。(ここで横顔が見えます)
今回のデモについてNFLはすでに声明を発表していましたが、曖昧そのもの。会社の姿勢に、社員の不満が高まっていたといいます。「昨年のベスト10プレイ」なんかを編集している場合じゃない。会社として、差別を糾弾する立場をはっきり示すべきだ。ミーティングではそういう話になるのに、会社は何もしない。
「僕らの声を聞いてもらえない。それなら自分たちでやるしかない」と語るミンターさん。それがマイケル・トーマスさんへのメッセージになりました。
ミンターさんともうひとりの職員がスクリプトを考え、トーマスさんが選手に声をかけてビデオを集めました。
木曜の朝、ミンターさんは製作中のビデオについて、一応上司に報告。上司はその上司へと報告し、30分もすると上層部とのズーム会議へと発展しました。解雇を覚悟していたというミンターさんでしたが、理解を得ることに成功。
ビデオが公開された翌日の金曜日、NFLは全体でズーム会議を行いました。論議が飛び交い、感情が高まり、涙が流れました。最終的には、コミッショナー・グッデルさんが、自身のビデオ撮影を決定。夕方には、NFLの声明として発表されました。
選手たちがNFLに語ってほしかったことを、コミッショナーは宣言しています。
4年前にキャパニック選手の抗議活動が問題になったのは、「国旗に敬意を示さないson of a bitchは叩き出せ」とほざく大統領がしゃしゃり出てきたのが大きな理由です。この人がまた文句をつけていますが、一体どうなるのか。
チームのオーナーがどういう態度を示すのか、これから注目していきたいです。
「人種差別を非難する」って、当ったり前のことなのに。国歌斉唱時に膝をつくどころか、クーラーに座ってバナナ食べてたマーション・リンチの姿が目に浮かぶわ・・・。
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