2020/06/08

「NFLはBlack Lives Matterを支持する」選手が迫ったビデオ発表のイキサツ

先月末の黒人暴行殺害事件を機に全米に広がったBlack Lives Matter デモンストレーションは、2週間目に入りましたが収まる気配はありません。

6月4日にはNFL選手が、それぞれのソーシャルメディアで同じビデオを投稿していました。この運動が始まって以来、生ぬるい声明を発表してきたNFLに代わって、はっきりと人種差別を糾弾し、Black Lives Matter を支持すると宣言しています。こちらがニューオーリンズ・セイントWRマイケル・トーマスさんのツイート。「NFLに代わってのメッセージ」とのこと。


「ジョージ・フロイドが殺害されてから10日経った。何回頼んだら、僕らの声を聞いてくれるようになるんだろう?どうしたらいい?僕らが警察に殺されたら?もし僕がジョージ・フロイドだったら?

僕らを黙らせることはできない。平和な抗議をする権利を主張する。長すぎる時間が経ってしまった。NFLを代表して、僕ら選手は次の宣言を耳にしたいんだ。

我々、ナショナルフットボールリーグは人種差別と、黒人に対する構造的抑圧を非難する。

我々、ナショナルフットボールリーグは、選手の平和な抗議活動を禁止したのは間違いだったと認める。

我々、ナショナルフットボールリーグはBlack Lives Matter を支持する」

NFLの有力選手が勢揃い。パワフルなビデオを作るなあ、と感心していました。そしたら、これが実は、NFLの職員が個人的にマイケル・トーマスさんに連絡を取り、製作されたビデオであることが報道されていました。

「リーグに届くコンテンツを作る手助けをしたい。僕はNFLのソーシャル担当職員で、会社が沈黙を続けていることを恥ずかしいと感じている。NFLは人種差別を非難する宣言をしていない。Black Lives Matter (黒人の生命も大切だ)と言っていない。

プレッシャーをかけるため協力したい。ビデオでキミの声を表現し、リーグに働きかけよう。もし興味があれば声をかけてくれ。一緒に仕事をしたいんだ」

とインスタグラムのDMでトーマスさんにメッセージを送ったという職員ミンターさん。面識もないので読まれないかもと思いましたが、15分後には返信が。そして、24時間後には、上のビデオが出来上がりました。

ミンターさんはNFLソーシャルメディア・クリエイティブディレクターという肩書の27歳白人。(ここで横顔が見えます)

今回のデモについてNFLはすでに声明を発表していましたが、曖昧そのもの。会社の姿勢に、社員の不満が高まっていたといいます。「昨年のベスト10プレイ」なんかを編集している場合じゃない。会社として、差別を糾弾する立場をはっきり示すべきだ。ミーティングではそういう話になるのに、会社は何もしない。

「僕らの声を聞いてもらえない。それなら自分たちでやるしかない」と語るミンターさん。それがマイケル・トーマスさんへのメッセージになりました。

ミンターさんともうひとりの職員がスクリプトを考え、トーマスさんが選手に声をかけてビデオを集めました。

木曜の朝、ミンターさんは製作中のビデオについて、一応上司に報告。上司はその上司へと報告し、30分もすると上層部とのズーム会議へと発展しました。解雇を覚悟していたというミンターさんでしたが、理解を得ることに成功。

ビデオが公開された翌日の金曜日、NFLは全体でズーム会議を行いました。論議が飛び交い、感情が高まり、涙が流れました。最終的には、コミッショナー・グッデルさんが、自身のビデオ撮影を決定。夕方には、NFLの声明として発表されました。

選手たちがNFLに語ってほしかったことを、コミッショナーは宣言しています。

4年前にキャパニック選手の抗議活動が問題になったのは、「国旗に敬意を示さないson of a bitchは叩き出せ」とほざく大統領がしゃしゃり出てきたのが大きな理由です。この人がまた文句をつけていますが、一体どうなるのか。

チームのオーナーがどういう態度を示すのか、これから注目していきたいです。

「人種差別を非難する」って、当ったり前のことなのに。国歌斉唱時に膝をつくどころか、クーラーに座ってバナナ食べてたマーション・リンチの姿が目に浮かぶわ・・・。

2020/06/04

「国旗に敬意を示さない人には賛同できない」ドリュー・ブリーズが炎上した件

ミネソタ州ミネアポリスでの警官による黒人男性暴行死事件をきっかけに始まった抗議デモンストレーションは全米に広がり、1週間が経っても収まる様子はありません。夜間外出禁止令が出ているにもかかわらず続くデモ。警察による暴力、黒人が簡単に意味もなく殺される社会の変革を求めて、たくさんの人が声をあげています。

私はアメリカ国境の北に住んでいるので、直接の関係はありません。しかし毎日ニュースで流れる映像を見ていると、国民が我慢できない瀬戸際に来ている切迫感がじわじわと伝わってきます。

黒人男性が白人警官に殺される。こんな事件もう何回も聞いたし、見た。先月はジョギングしてた黒人青年が白人に射殺された事件の報道もあった。ニュースにはならなくても、黒人というだけで嫌疑をかけられる、連行される、暴行を受けることが日常茶飯事であることは容易に想像できます。現在でけでなく、アメリカ史上ずっと。

ポケットから手を出しておくこと、急な身動きをしないこと、怖くても走って逃げないこと、口論しないこと、理不尽でも従順に従うこと。警官に遭遇した時のルールを、黒人の子どもたちは何度も親に教えられて育ちます。

「自分の夫と息子が、無事に帰ってきますように、と祈りながら毎日送り出すんです」とテレビで話していた黒人のお母さん。こんなプレッシャーを毎日感じながら生活するってどんな?

Black Lives Matter (黒人の命だって大切なんだ)という運動について、NFLのファンならコリン・キャパニック選手のことが思い浮かぶでしょう。2016年に、国歌斉唱時に片膝をついて抗議の姿勢を貫きました。

あの時から何も変わってないじゃん。

ニューヨークやロサンゼルスで、店のガラスを破って盗みをしたり、建物に放火したりする暴徒を眺めながら、「キャパニックって、平和に抗議活動をしてたんだ」と改めて思いました。でも非難された。世の中も全く変わらない。警官による黒人殺人事件はこれからも続く。

社会が自分を守ってくれないのなら、自分が社会の規律を守る必要があるのだろうか?と思った人がいても不思議じゃない。騒ぎを大きくしたい過激派が先導し、それに乗った人もたくさんいるでしょう。それと同時に、普通の人々の行き場のない閉塞感や政治への不満が爆発したのではないでしょうか。

そんな時に飛び出したニューオーリンズ・セインツQBドリュー・ブリーズさんの「国旗に敬意を示さない人には賛同できない」宣言。

私は白目をむきました。ドリュー・・・。世の中見てないの・・・?わざわざ出てきてそんな事言わなくてもいいやんか・・・。

この発言の何が衝撃的かというと、Black Lives Matterの活動の意義をブリーズが全く理解していないこと。今のアメリカを動かす社会現象であり、NFLでもくすぶっている問題です。あの時から何も学んでないの?チームメイトと会話をしてないの?自分の幸せな白い世界しか見えてないのか・・・。

僕のおじいちゃんは戦争に行ったんだよ。星条旗のために戦ったんだよ。と聞いても、あーそうそうよかったね、としか言えない気分。黒人兵士だって第二次世界大戦から帰ってきたけど、自分の国で虐げられたよ・・・。

ブリーズのこの発言は、チームメイトをはじめ、NFLの各選手から反論を招きました。マルコム・ジェンキンスさんは「なんで分かってくれないの」と涙声。

すると間もなく、グリーンベイ・パッカーズのQBアーロン・ロジャースさんが「いやいや、あれは国歌とか国旗について抗議してたワケじゃないスから」と発言する展開に。はや!



黒人選手だけじゃなくて、白人選手もどんどん意見を発表するのはとても良いことだと思います。この件に関しては、まず、今年のドラフト1位ジョー・バロウくんが真っ先に発言していました。


ブラックコミュニティはみんなの助けが必要だ。ずっと長い間、彼らの声は届かないままだった。耳を済ませて聞き、語ろう。これは政治がどうとかじゃない。人権の問題だ。

かっこよ。

シーホークスのLBボビー・ワグナーさん自身もデモに参加したと語っていたし、テキサンズQBデショーン・ワトソンくんのデモ参加写真も見ました。探してまたアップしますね。

普通に生活する黒人の人たちの大変さがわかる映画「ヘイト・ユー・ギブ」もおすすめです。

いったいアメリカどこへ行く・・・。

2020/05/06

大怪我からの復帰を目指すアレックス・スミスの信念

みなさんこんにちは。

先日QBアレックス・スミスさんのドキュメンタリーが放送されまして、私はYouTubeで誰かが上げたやつを見たんですが、翌日にはもう視聴不可になっていました・・・。

2018年11月18日、対ヒューストン・テキサンズ戦で、ワシントン・レッドスキンズQBアレックス・スミスさんは右脚を骨折する大怪我を負いました。感染症を引き起こし、かなり重症だったことは報道されていましたが、今回初めて怪我の詳細と回復への過程が明らかに。

予告編がこちら。



1:14 JJ・ワット「コーチは脳震盪かもしれないと。でも隣の人が『足が違う方向に曲がってた』と教えてくれた」

1:45 奥さん「観客席からアレックスが倒れたのは見えたんです。8歳の息子を見下ろしたら、目に涙を浮かべて『ママ、カートが来るよ』って」

足首の上で折れた骨が皮膚から飛び出る複雑骨折。病院へ運ばれ、すぐ手術を受けました。プレート3つ、ネジ十数個で骨を固定し、入院は2日ほどになる予定。翌日には帰宅を希望したスミスさんでしたが、熱が下がらないので、もう一晩だけ泊まることを医師が勧めました。

念の為、包帯を取って患部を確認しましたが、見た目は順調(5:06)。しかし、その後体調が急変します。高熱が続き、血圧は低下。意識が朦朧とし、「アレックスはアレックス本人ではありませんでした」と奥さん。いくつもの検査をしましたが、原因は特定できません。

夜中、心配して様子を見に来たお医者さんが、包帯を外して驚きました。皮膚は黒ずみ、大きな水疱があちこちに(6:18)。

急遽、手術室へ。明らかな皮膚感染症で、命を落とす危険もありました。

かなりの組織を切除し、原因が人食いバクテリアであることが判明。壊死の範囲は毎日進行し、それに伴って切除手術も連日行われました。

骨が飛び出た傷口。フィールドの土、草。汗。ユニホーム。どんな細菌と接触があってもおかしくありません。

「命を救うために切断を」と奥さんが願った瞬間もありましたが、幸い大腿部への進行はなく、計8回の手術が終わりました。手術後の画像がこちら。(閲覧注意)足首から膝まで前面の組織がそっくり失われ、骨が露出。

再建手術にあたっては、医師がまず背筋の移植を提案しましたが、「投球に使うので、そこはやれない」と本人が却下。次の候補となったのが太ももの筋肉。移植は、血管や動脈をつなぐ顕微鏡手術となり、拒否反応が起こる可能性もあります。やむなく切断となった場合、弱くなった左足を一生使わなければなりません。

スミスさんの決断は早く、太ももの筋肉移植手術が決定。

退院後も何度か手術を重ね(9ヶ月間に17回)、リハビリに取り組む様子が紹介されました。

一番いいシーンはここかな。怪我の日以来、フットボールを手にしたことがなかったスミスさんが初めてボールを手に取り、投球練習をした日。なんとも嬉しそう。「顔が輝いたの。アレックスに、前進する意欲が戻ってきた」と奥さんも感激していました。


アレックス・スミスさんて、一見ソフトな感じじゃないですか。しかし内に秘めたこのタフさに私は唸りました。脚が半分なくなっても、QBを続けることしか考えてない。プロ生活14年やったし、もう35歳だし、お金もあるし、引退してゆっくりするかぁ〜とかは無し。ここからもう一度やり直そうという、強い信念が一体どこから出てくるのか。

若手QBの台頭はもちろん頭にあるでしょう。だけどそんなことはどうでもいい。「この道がどこに行き着くのか見てみたい」なんつって、復帰を目指してトレーニングに励む毎日です。

かっこいいだろ・・・。

私なんか結構すぐあきらめることが多いので、ほんっと、すごいなあと感心しました。ということで、wikiを見てたら、実は5月7日はアレックス・スミス36歳の誕生日だということが判明しました。この場を借りて、お誕生日おめでとうと、大きな声で言いたいです。

HAPPY BIRTHDAY ALEX SMITH!!!

2020/04/30

特製スムージーでNFLへ ジャガーズ4巡OTベン・バーチくん

みなさんこんにちは。今年のドラフトは、チーム関係者も選手も自宅からの出演となりましたが、結構楽しかったですね。ひとんちのお部屋をのぞいてみるのって。ベリチック家のワンちゃんが大スターとなり、他にも見どころがたくさんありました。

子どもたちがパパの周りをウロウロしてるの、良かったです。私のお気に入りはマイアミ・ドルフィンズのHCフローレス家のやんちゃ坊主2人かな。じっとしていられない、おちゃらけ小学校低学年男子にグッときました。

そんな中、ちょっと気になった選手を紹介したいです。ジャクソンビル・ジャガーズが4巡で指名したOTベン・バーチくん。実はNFLコンバインでスムージーキングとして話題になっていたとか。

もともとはタイトエンドで、大学1年では1試合に出場、2年では3番手TEとして4キャッチのみ。ブロックがうまいからとオフェンシブラインへの転向をコーチに勧められました。体重をを増やすために、バーチくんが毎日飲んだというスムージーがこちら。

スクランブルエッグ(卵7個)、カッテージチーズ、グリッツ(トウモロコシ粉のお粥)、ピーナッツバター、バナナ、ゲータレードを混ぜ混ぜする特製ドリンク。

「食中毒が心配だから、卵は調理してるんだよね」と気遣いを見せるバーチくん、このスムージーの材料は自分なりに吟味しています。

「太ればいいってもんじゃないんだ。1日の栄養源だから良質のタンパク質を取らないと。ちゃんと考えて」

なるほど。材料ひとつひとつを取ってみれば、確かにヘルシーな食材です。これを混ぜちゃうってのが大胆ですが。でも、ピザやポテトチップスや欲望のままにを爆食いってワケじゃないんですね。あたりまえか、アスリートだし。

このスームージー作戦で、体重は230ポンド(104 kg)から305ポンド(138 kg)に。


4年でこんなに顔が変わっちゃうんですよ。少年がごっつい青年に変身。

モデルさんが食事制限してスリムになるのも大変でしょうが、増量するために無理やり食べるというのも、かなり厳しいのではないでしょうか。オエッてなっても食べるって(スムージーは結構イケるそうですが)並大抵の意志ではできませんぞ。

良いオフェンシブラインマンになるために体型をも変え、練習を積み、マイナーな大学ながらもコンバインに招待されて、4巡でプロ入りってすごくないすか?

ジャガーズで頑張ってほしい。QBミンシューくんを守り、奮闘する姿をぜひ見たい。期待して待とうと思います。

2020/04/22

2020年NFLドラフトのウォールームを比較してみるの巻

みなさんこんにちは。お久しぶりです。ドラフトも始まるので、そろそろブログを再開していこうかな。リハビリする気持ちで書いていこうと思います。

新型コロナウイルスで世界が変わってしまいました。9月にNFLのレギュラーシーズン開始できるのか?と考えると、無理っぽい可能性が高いような気がします。しかしまあ、それはさておき、せっかく待ちに待ったドラフトがやってくるので、盛り上がろうではないですか!

とはいえ、コンバインもよく見ていなかったので、ドラフト候補選手はよく知りません。QBジョー・バローくんはシンシナティ、2位のワシントンはDEチェイス・ヤングかな?マイアミは本当にQBトゥアくんを指名するのか?という程度。

通常のドラフトだと、GM、コーチ、スカウトが集まり、指名順のトレードを交わし臨機応変に戦略を詰めるわけですが、今年はチーム施設が閉鎖され、集団で集まることもできません。関係者は全て自分の家から連絡を取り合うことになるわけです。

いったいどんなふうになるんでしょうか?けっこう興味津々です。

シアトル・シーホークスのGMジョン・シュナイダーさんは、自宅の壁を取り払ってモニター設置工事を施行。もちろん作業員はソーシャルディスタンスを守りながら工事にあたり、25個のモニター設置を完了。25ですよ、25!

HCピート・キャロルさんは、お部屋の壁にぐるーっとボードを設置して、モニター7つ、地上電話回線、携帯電話を数個使用して対応します。

こちらがサンフランシスコ・49ersのGMジョン・リンチさんのお宅。


ロサンゼルス・ラムズのGMショーン・マクベイさんは、モニター画面が並んだホームオフィスを眺めて「なんか宇宙船を発射できそう」と話しています。


こちらはロサンゼルス・チャージャーズのGMトム・テレスコさんのダイニングルーム。アットホームな感じですね。3月17日にチーム施設が閉鎖されてから、ここが仕事場となっています。3人の子どもさんは8時から2時半まで上の階で学校の勉強、パパはここ。

ドラフト用に、地上回線電話も用意します。万が一、携帯電話が使えなくなったら困るので。コンピュータの他、大きなボード、紙、赤と黒のペンも準備してドラフトに臨みます。禅の心・・・。


そんな中、マイペースぶりを発揮しているのがニューヨーク・ジャイアンツのGMデイブ・ゲトルマンさん。でかいバインダーに、紙の山。むう・・・これはこれで詩的と言えないこともない・・・。禅の心・・・。


「ワ、ワイファイ切れたー!」とか「画面フリーズしたー!」とか「友達とズームしながらゲームなんかやってんじゃねー!パパは大事な仕事なんだぁー!」とか、そんなハプニングが起こっても不思議じゃないかもです。

前例を見ない、今年のドラフトに乞うご期待。

2020/01/26

チーム7つ目プレイオフで爆発🌟🌟🌟49ers RBラヒーム・モスタート

2019年シーズンのNFCチャンピオンシップ、サンフランシスコ・45ers対グリーンベイ・パッカーズ戦は、ナイナーズが圧倒的なランゲームでパッカーズを制しました。

ナイナーズの攻撃はパス8回ラン42回と、ランプレイが8割以上。縦横無尽にフィールドを切り裂いて、な、なんかよく分からんけどぉ、ブロックで道を空けるHCシャナハンのコールがすごいんじゃないのぉ?!という試合でした。

タッチダウンを4回決めたRBラヒーム・モスタートは、220ヤードを走り、これはプレイオフでの歴代2位記録とのこと。今シーズン後半から出番が増えましたが、キャンプ時に4番手のランニングバックで、これまでに数チームから解雇された経験があると報道されていました。

カレッジでは主にスペシャルチームの選手として活躍した後、2015年ドラフト外でイーグルスに入団。ドルフィンズ、レイブンズ、ブラウンズ、ジェッツ、ベアーズで練習生契約、ロースターカットを繰り返した後、2016年に練習生としてナイナーズと契約。(当時のナイナーズHCチップ・ケリーはイーグルス入団時のコーチでもありました)

「カットされた日は今でも覚えている。試合の前にはそれを必ず見るんだ。大変な道のりだった。このストレスと苦痛、苦悩は、誰もが耐えられるものじゃない。自分と、自分にチャンスをくれた人を信じるしかなかった」

と語るモスタートさんは短距離選手でもあり、大学時代は2番目に足の速いフットボール選手と評されていました。ウィキペディアによれば、現在チーフスWRタイリーク・ヒルの100メートル9.98秒に続く、100メートル10.15秒の記録あり。

俊足を活かして、スペシャルチームではリターナーも務めましたが、好きなポジションはガンナー(gunner)。キックオフやパントの場面で、サイドラインを疾走し、リターナーを最初にタックルする役目で、別名シューターとかカミカゼとか言うらしいです。(ウィキによれば)

スピードもさることながら、敵のブロックをかわしたり、敏速な方向転換が必要で、ちょっと恐ろしそうなポジションですが、思い入れは強く、自分の息子をガンナーと名付けました。


ランニングバックとしての役目が大きくなると、スペシャルチームでの起用は減るかと思いますが、本人は続けたい意向です。

「スペシャルチームでプレイするのが好きなんだ。僕の出発点だから感謝している。僕の名前が知られるようになった場所、印を置いた場所なんだ」

ナイナーズ入団前、6チームでのランヤードはゼロ。2017年、2018年はIR(故障者リスト)入りもしています。5年目のプレイオフで、やっと大きな成果が出ました。

こないだポッドキャストで、ナイナーズのGMリンチさんが「彼は以前ボールセキュリティーに問題があってね(ファンブルする傾向があった)、だけどカイル(HCシャナハン)が『信頼してるから』ってボールを持たせ続けたんだ。コーチの信頼があって、彼も自分を信頼するようになったんじゃないかな」と言ってました。

さてスーパーボウルですが、ナイナーズはまたランが7〜8割のオフェンスで行くのか。RBモスタートのビッグプレイがまた出るのか。QBマホームズとナイナーズディフェンスの戦いはいかに。ということで見どころたくさんありそうです。

残すところ今シーズンもあと1試合。しっかり楽しみたいと思います!




2020/01/19

【ディビジョナルラウンド】今シーズンの健闘を讃えよう🌟 シーホークス@パッカーズ戦

シアトル・シーホークスの2019年シーズンが終わりました。ディビジョナル戦でグリーンベイ・パッカーズに23対28で惜敗。ううううう・・・残念。

オープニングドライブでタッチダウンを決められ、オフェンスがもたもたしているうちにさらに追加点を許しました。あっという間に3ポゼッション差。後を追う展開は今シーズン何度も経験済みですが、パッカーズ相手に、前半終わって3対21というのはさすがにマズい。


  • Total Yards

    • SEA375
    • 344GB
  • Turnovers

    • SEA0
    • 0GB
  • Possession

    SEAGB
    29:2930:31
  • 1st Downs

    • SEA23
    • 22GB


シーホークスは、あくまでもランでオフェンスを組み立てたかったんだと思います。3回連続RBリンチを走らせて、結局パントという場面では、正直驚きました。気持ちはわかる。しかしQBウィルソンに投げさせないでどうするねん。

しかし後半に入ると、シーホークスは早速タッチダウンで反撃開始。QBウィルソンが投げ、走り、ゴール前1ヤードまで攻め、最後はRBリンチがゴールラインへ飛び込みました。

すかさずパッカーズもタッチダウンを返しますが、後がないシーホークスはQBウィルソンが本領を発揮。パスで攻め、スクランブルで走る。逆境でますます張り切る我がQBがオフェンスを引っ張って、後半で3回連続タッチダウンに成功。第4クォーター中盤で、5点差に詰めました。

このウィルソンは圧巻。勝つことを信じて疑わない集中力。最後の最後までプレイを諦めず、ファーストダウンを取りに行く姿。胸がつまります。

てか、もう、すごいんよ〜。見てる方はドキドキなんですが、ヘルメットの中の彼の目はまっすぐで冷静沈着。それを見ると、はぁ〜この人がQBでよかった・・・としみじみ思うんです。この人がシーホークスにいてくれて、本当にうれしいぞ。

次のパッカーズの攻撃を抑えれば、またボールが回ってくる。シアトル陣40ヤード地点で迎えた3rd and 9。断固として守りたい、このサードダウンで、LBシャキール・グリフィンのプロ入り初サックが炸裂!


待ち望んでいたこの瞬間。昨年はスペシャルチームでの起用ばかりだったLBグリフィンですが、2年目の今シーズンは後半からパスラッシュの出番がぼちぼちと増えました。この試合ではディフェンスのスナップ64回中5回に出場。そのうちの1回がこのサックに。

CBシャキール・グリフィンとの双子ブリッツって、このコール、最高すぎやませんか?この試合の、というか今シーズンのハイライト場面のひとつです。

というわけで、QBウィルソンにボールが回って来たシーホークス。お膳立ては整いました。しかしWRターナーが落球してファーストダウンに失敗すると、サードダウンでサックされ4th and 11に。自陣36ヤード地点からパントを選択し、もう一度ディフェンスに勝負を託します。残り時間は2分41秒。2ミニッツウォーニングも、タイムアウトもあり。

しかし、ボールがシーホークスに戻ってくることはありませんでした。サード&ロングを2回更新され試合終了。

大いに盛り上がった今シーズン、これが最後の試合となりました。

今となっては感謝しかありません。毎週ハラハラする試合で、どんなに心が踊ったか。故障者もたくさん出たし、怪我をおして出場していた選手もたくさんいました。抜群に能力のある選手が集まったチームじゃないけど、みんなで力を合わせて、ベストの戦いをしたと思います。

若い選手も、今シーズンでずっと力がついたはず。来年は、今年以上の活躍を期待しよう!


RBリンチのカムバックをもう少し見たかったですけどね。メディア嫌いで有名な彼ですが、サイドラインではチームメイトを盛り上げてくれるシーンがいくつもありました。

ルーキーのRBホーマーくんに「キミの走りがオレをやる気にさせてくれんだよ・・・」なんて言ってるかと思えば、今度はこんなシーンも。


「オレとターボ(RBタービン)を一緒に座らせちゃダメなんだよ。年取り過ぎてんだから」
「キミが真ん中に座って、年を割ってくれなくちゃ」
「どう?いい気分だろ?」
「なんか老人ホームにいる気分なんだよね」
「そんでキミが、オレたち期待の若者ってワケだな、うん」
「老人ホームを訪問して、オレたちが元気にしてるか見てくれるんだ」

一度引退したリンチは、後輩を思う気持ちも人一倍だったような気がします。試合後会見では、若い選手に「自分のお金をきちんとマネジメントすること、身体と精神を大切にすること」を強調していました。

また、ウィルソンとは試合中にこんなやり取りを。


「こんなこと、前にもあっただろ?」
「この前オレ達が一緒の時は、なんとかやったよな?」

マーション・リンチはシーホークスの宝物💙💚💙💚💙

試合後、リンチは自分のジャージを持ってパッカーズのロッカーを訪問し、QBロジャースとユニホームを交換したと報道されました。二人はカリフォルニア大学時代のチームメイトです。

「お前のクソジャージをよこせ」と笑いながらリンチが語りかけると、ロジャーズも「おい、お前のクソジャージこそこっちによこせ」と返答。この試合を振り返って、「ふう、オレは年取ったよ。お前はなんでまだ出来るんだ?どうやって?なんかズルしてるんだろ、え?」とロジャースに軽口を叩いたとのこと。

シーホークスに復帰し出場した試合は3試合だけですが、ファンにとって、このカムバックも忘れられない思い出です。本当にいろんなことがあって、いいプレイもたくさん見れて幸せでした。すでに来年がむっちゃ楽しみです。シーホークスファンのみなさん、来年も一生懸命応援しましょうーーー!!!