2019/08/12

アントニオ・ブラウンのややこしいヘルメット事情の巻

「僕ちゃんのヘルメットが使えないなら、もうフットボールなんかやめてやるぅー」と、関係筋に語っているというアントニオ・ブラウン。

またまたひとりドラマでNFLを盛り上げています!


レイダーズのトレーニングキャンプは欠席中。フランスで凍結療法をした際、定められた防寒靴を履かずに冷凍マシーンに入り、足に凍傷を起こしたためと報道されていました。

しかし、実は自分のヘルメットが今年から禁止になったことが不在の大きな理由であると見られます。8月9日には、NFLとNFL選手会に対して不服の申し入れをしたとのこと。

NFLでは2015年から各種ヘルメットの安全性テストが実施されてきました。規格外となったモデルは着用しないよう働きかけてきましたが、長年使ってきたヘルメットに愛着を持つ選手も多く、昨年はアントニオ・ブラウン、トム・ブレイディ、アーロン・ロジャースをはじめ、32人の選手が規格外ヘルメットを使用していました。

1年間の猶予期間ということで着用を認められていたのですが、今年から全面禁止に。

認可されたモデルは34種類。アントニオ・ブラウンのヘルメットはその中に入っていません。プロ入り以来ずっと使い続けているもので、メーカーではすでに製造中止となり、運動用具協会でも10年前のヘルメットは使用禁止とされています。

アントニオ・ブラウンが、ヘルメット規制を大いに不満としていることを、レイダーズは5月の時点から懸念していたと言われています。

NFLの記者さんによると、

● ヘルメット着用のOTAが始まる数日前、禁止されたヘルメットは用意できないことをチームはアントニオ・ブラウンに伝える。

● しかしOTAでは自分のこれまでのヘルメットを要求し、それが却下されると大声で怒鳴る。ブレイディやロジャース、QBなら認められるだろうと不満をぶちまけ練習場を引き上げる。

● レイダースのスタッフは、ロジャースがパッカーズの練習で認定済のヘルメットを使用しているビデオを確認。それをブラウンにメッセージで伝える。

● 翌日ブラウンは何事もなかったように現れ、用具マネージャーから手渡された新しいヘルメットをつけて練習に参加。不平不満は全くなし。

● その1−2週間後、ブラウンは自身の古いヘルメットをシルバー&ブラックに塗り替え、練習に着用。(ロゴは真似をしたものだと一目瞭然)

● 使用禁止を告げられると、おとなしく新しいヘルメットに変えて練習を続ける。ヘルメット問題は解決したとチームは認識し、トレーニングキャンプへ臨む。

● キャンプ直前、痛めた足の様子をみながら練習するブラウンは、再び古いヘルメットを持ち込もうとしてスタッフに注意される。

という経過も報道されています。

「まだ怒ってんじゃないの。しばらく練習に来てないもの。どこにいるか誰も知らないよ」

「こんなバカげた話は聞いたことない。なんでそんな事にこだわるんだろう。訳が分からない」と語るレイダースの選手もいるとのこと。

かなりややこしい話のようです。本人は「他のヘルメットは視界が遮られて支障をきたす」と主張しているらしいですが、32個のうち一つくらいはイイのがありそうじゃありませんか?それに10年も経ったらヘルメットのテクノロジーだって進歩しているのではないですか。

本日の報道では、「リーグが強要するヘルメットつけて頭に怪我したら、損害賠償で訴えるかんね」と、ブラウン側の弁護士チームがNFLを脅しているとも伝えられました。

ほんまかいな。だって怪我を防ぐためNFLも選手会もゲームの改善に努力しているのではないですか。

ということで、練習にもプレシーズン試合にも出場していないアントニオ・ブラウンですが、オークランド・レイダースのヘッドコーチ、ジョン・グルーデンさんはブラウンを擁護する姿勢を示しています。

「ヘルメットには個人的な思い入れがあるんだろう。彼を応援しようじゃないか。リーグにもリーグの方針があるし、難しいところだが」

「彼はヘルメットなしでもプレイするかもしれないな。そのくらいフットボールが好きなんだよ」

とかなんとか言ってます。いったいこれからどうなるのか。ひょっとしてブラウン無しでの開幕となるのかもしれません。いよいよ本番に向け、レイダース界隈も注目していきたいと思っています。


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UPDATE

8月12日、NFLへの申し立ては仲裁人が却下したと報道されました。アントニオ・ブラウンは、さっそくインスタグラムで「決定には納得はいかないが、早く健康な体に戻ってチームに貢献するつもりだ。足のことみんな心配してくれてありがとね」と声明を発表。

なーんだ、これで終わりぃ?物足りない気持ちがするのは私だけでしょうか。もうちょっと盛り上がって欲しかった・・・。

2019/08/04

キャンプ2日目にボビー・ワグナーが3年の契約更新

みなさん、こんにちは。お元気ですか。更新が遅れ気味の昨今ですが、もっと書きたいとは思っています。ぜひ改善していきたいです。(汗)それはともかく、トレーニングキャンプが始まりましたね!(ってこれも今さら感😣)待ちに待ったシーズンがもうすぐそこに。盛り上がって行こうではありませんか!

さて、シアトル・シーホークスのキャンプが始まって2日目、やっとLBボビー・ワグナーさんの契約更新が発表されました。


3年で54億円、そのうち40.2億円が保証済み。インサイドラインバッカーではリーグ最高の契約額とのこと。エージェントを使わず、ワグナーさん本人が球団側と交渉を重ね、大きな結果を出しました。契約交渉中の選手にありがちなホールドアウトはせず、OTAとキャンプにも参加。ただ、契約前の怪我を回避するため、サイドラインで声を上げたり、後輩を指導したりが主だったようです。

シーズン前に決着がついて、本人もチームもチームメイトも、そしてファン一同ホッと一息。さあ開幕に向けてレッツゴーーーー!

契約交渉のプロセスは、実社会での経験を積む学びの場だったとボビー・ワグナーさんは語っています。

「自分への挑戦でもあったし、選手にも(契約に)他の選択肢があることを示したかった。エージェントがいてもいなくても、自分たちで学ぶことが大切なんだ。自分が携わっているビジネスなんだから。

周知の事実として、引退後に破産したり、財産の管理ができない選手が多くいる。現役時代にもっと学ぶ必要がある。引退してからやっと考え始めるのではなくて。

僕にとってはこれが学びの場になった。現実の社会で実際の経験を積むという。もちろん厳しいことも言われる。聞きたくないことも聞かねばならない。だけどやらなきゃ」

夏のはじめには、ナイキのジョーダンブランドに所属するアスリートの集まりがフランスで開かれ、元シーホークスのFSアール・トーマスと共に参加。NBAチャンピオンでもあり、シャーロッテ・ホーネッツのオーナーでもあるマイケル・ジョーダンと会いアドバイスをもらいました。

「彼の現役時代のことや、メンタルのコンデション、トレーニングについて、様々な話を聞いた。選手が契約交渉に来た時、(オーナーとして)どんな気持ちがするものなのか?選手の立場とはどう違うんだろう?僕達のために時間を取って、知識を共有してくれた。何でも聞くことができた」

と語っています。

先日、ビデオゲーム・マッデンの最高レーティング99を獲得したお祝いに、ナイキは特別プレゼントを進呈。エアジョーダンのゴールドクリーツです。


今シーズンのシーホークス・ラインバッカー陣は、ワグナーさんをはじめ、KJ・ライト、マイケル・ケンドリックスと、頼りになる選手が揃っていますが、キャンプではドラフト3巡のルーキー、コーディ・バートンくんに注目が集まっている様子です。

バートンくんによると、ワグナーさんがプレイのひとつひとつにアドバイスをくれるとか。「フットボールについて、これまでの人生よりも、この数週間でずっと多くのものを学んだ」と語っています。

ということで、シーホークス・ディフェンスの大黒柱、ボビー・ワグナーさんに今シーズンも大活躍を期待したいと思います!スーパーボウルへ連れてってーーー❗❗❗



おまけ👇ローカルな配管屋さんのコマーシャルにも出演中



2019/07/17

マッデン20のレーティング発表に一喜一憂してみるの巻

ビデオゲーム、マッデンNFL20現地発売日の8月4日に先駆けて、各選手のレーティングが発表されました。速さ、敏捷性、瞬発力、体力、知覚力に分けた点数に加え、総合力が発表されています。ビデオ制作会社が独断で決めた数字とはいえ、「え、リバースがロジャースより上?!」とか、「ウィルソンがラックより下なのぉお?!」とか、意見がいろいろ炸裂しているようです。ちょっと主要なランキングをのぞいてみましょう。

まず最高の99点がついたのは、DEアーロン・ドナルド、WRディアンドレ・ホプキンス、DEカリル・マック、そしてシーホークスディフェンスの大黒柱MLBボビー・ワグナーです。ボビーおめでとう!!!パチパチパチ!🎉🎉🎉


「子どもの時からの夢だったぜ・・・」とボビーさん本人も喜んでいますよ。なんつったってこの広いリーグの中でたったの4人。目を閉じて、思いっきり胸を張ってほしいです!

トップ12を見ると、「いろいろあったけどアントニオ・ブラウンってやっぱり評価されてるんだなぁ」とか「ガーリーってプレイオフ活躍してないけど、こんな上?」とか思います。あとパッカーズのバクティアリって選手は知らなかったけど、オフェンシブラインマンなんですね!今シーズンは注目して見ることにします。

気になるクォーターバックのレーティングはこちら。

昨シーズンの話題をかっさらい、MVPにも輝いたマホームズくん強し!今年のマッデンのカバーにもなったし、スーパースター街道まっしぐらっすね。私はウィルソンのファンなので、もちろん「えー、ウィルソンもっと上だろー。マッデン見る目ねーし」とか思っているわけですが、アーロン・ロジャースの7位もけっこう驚きですね!(てかどうでもいい)

本人含め、「ふっざけんじゃねーぞ、おい」とムカついてる人がけっこういそう・・・。


via GIPHY

今年105億円5年契約を結んだばかりのダラス・カウボーイズDEデマーカス・ローレンスさんは「おい待て。89なんてつけてディスってんじゃねーよ。オレの名前に敬意を払ってもらいたい。それまではカウボーイズ・ネーションはマッデンのストライキだ」とボイコットを宣言しています。

ロサンゼルス・チャージャースのWRキーナン・アレンさんは「マッデン20なんかやるもんか。総合で89?短距離ルート走が91、中距離88、深いランが75?!いったい何処のどいつが決めやがった?!」とかなり立腹のご様子。

ワイドレシーバーのランキングはこちら。


え、ちょっと待って。うちのナンバーワンレシーバー、タイラー・ロケットくんはどこ?

昨年はウィルソンからの長いパスを何度もキャッチして、最高のシーズンになったハズではないですか?っとにもう、ちゃんと評価してほしいもんだわ、ぶつぶつぶつ。と思って調べてみたらタイラー・ロケットの総合点は87でした。速さなど4技能では90以上なのに、力の強さが50で平均値を下げる結果に。

小柄でどこが悪いのか。体は小さくてもタイラーくんはビッグプレイを見せてくれるとってもいいレシーバーでっせ!

(お気に入り選手のレーティングはここから見れます👉👉👉クリック

一応シアトル・シーホークスチーム内のランキングは

99 MLBボビー・ワグナー
97 QBラッセル・ウィルソン
87 RBクリス・カーソン
87 WRタイラー・ロケット
83 Pマイケル・ディクソン
82 LTデュアン・ブラウン

というようになっています。シーホークスからは移籍してしまいましたが、FSアール・トーマス、CBリチャード・シャーマンはそれぞれのチームで最高レーティングとなっています。


シャーマンはともかく、紫色のユニホーム姿のアールを見ると心が痛い。慣れるまで時間がかりそう。しかし両選手とも各々のチームでまだまだ頑張ってほしい!

チームごとのレーティングもあり、それによるとナンバーワンがフィラデルフィア・イーグルスとなっています。2番がなんとダラス・カウボーイズ!これはちょっと!!一言も二言も文句を言いたいような気持ち!下から数えたほうが早いようなシーホークスって!


👇こういう現実的なシーンには思わず感心しちゃうんですけどね。何にせよ、もう7月も後半。そろそろ開幕に向けて盛り上がって行きたいなと思っている今日この頃です。




2019/07/10

一生を体重と戦い続けたQBジャレッド・ロレンゼン

7月3日、かつてニューヨーク・ジャイアンツでイーライ・マニングのバックアップを務め、スーパーボウル優勝の経験もあるクォーターバック、ジャレッド・ロレンゼンさんの死去が報道されました。享年38歳。

クォーターバックとしては規格外の大柄で、ヘフティ・レフティ(でぶちんのサウスポー)、ピルスベリー社のドウボーイをもじってピルスベリー・スローボーイなどと呼ばれていました。

NFLを去ってからはインドアリーグでフットボールを続け、どの選手よりも大きな体でスクランブルする姿が話題になったこともあります。体重とは小さい頃からずっと格闘してきました。体重計に乗ることを何年も拒み続けてきたそうです。怪我が原因でフットボールをやめた33歳から、また体重は増え続けました。心臓や腎臓に障害が出て、病院で測ってみると254キロ。

最近は、自分の減量への挑戦をオンラインビデオで公開していました。自分の姿を見て健康や肥満について考えてほしい。肥満に悩む人達の力になれば。15歳の娘さん、8歳の息子さんのためにも変わらなければと、語っていたその矢先の出来事でした。

ロレンゼンさんの体重との戦いを綴った2014年の記事を紹介します。





1981年2月14日にジャレッド・ロレンゼンは生まれました。出生時の体重は5.98キロ。3人の兄弟はみんな4.5キロ以上で生まれていますが、長男の彼は特大でした。

7ヶ月で歩きはじめると、すぐにボールを投げるのが大好きになりました。ひとりで床に寝転がり、何時間もボールを宙に放って遊ぶことがあったそうです。

マカロニチーズ、魚フライ、チキンパイ、ステーキなど冷凍食品が食卓に上ることが多く、体重はいつも平均以上。少年フットボールリーグでは2歳ごとに階級が分かれますが、2年目の体重測定が近づくと、Tシャツを着込み、スエットパンツをはき、ランニングして減量に務めるのが常でした。

走ることはもともと大嫌い。4歳のときのサッカーの試合では、もう走りたくないとグラウンドに座り込んで泣いたことを母親はよく覚えています。

15歳の時に両親が離婚。父親と一緒の時にはピザや中華料理の出前を取り、毎日2リットル入りの炭酸飲料を飲み干しました。デザートは2人でそれぞれお菓子の箱を抱えるという生活。「食べることが親子の絆だった」と語っていました。

高校時代の体重は240パウンド(109キロ)。オフェンシブラインマンが190パウンド(86キロ)のチームで奇妙に見えたことは間違いありません。ケンタッキー州大会で優勝、45タッチダウンを記録したQBでしたが、大学のスカウトは、ディフェンシブラインマンまたはオフェンシブラインマン候補としての彼に興味を示していたそうです。

高校3年生の時に、ケンタッキー州の最優秀クォーターバックに贈られるジョニー・ユニタス賞を受賞。授賞式でユニタス氏から「キミはクォーターバックとして大きすぎるな。そんなに大きくては、どうにもならないと思うよ」との言葉をもらいました。

「その言葉はずっと忘れられない」とロレンゼンさん。「みんなそう言ってたけどね。デカすぎるって」

大学1年生の時には、学生トレーナーが一緒に住み込んでダイエットに挑戦しましたが、結局トレーナーのほうが10パウンド(5キロ)太ってしまうはめに。

シーズン前の体重は308パウンド(140キロ)。268パウンド(120キロ)に落とすまでは出場させないとコーチに通告されました。フットボールの練習に加えて毎朝2時間のラケットボール、夜は水泳に励みました。現在は禁止されているダイエット薬も使用し、やっと268.8パウンドまで落としたものの、合格するやいなやチョコレートに手を出し、すぐにリバウンドするという状態でした。

アスリートとしてかなり体重オーバーだったにも関わらず、肩はめっぽう強く、フィールドの中央で片膝をつき、ゴールポストを超えるボールを投げることもできました。レーダーガンで投球速度を測ると、カレッジのトップQBが時速52〜54マイルのところ、彼の場合はあっさり時速64マイルを記録したことも。

NFLを目指してエージェントと契約し、ベン・ロスリスバーガーを含むドラフト候補生との合同練習にも参加しました。「意欲はあった。けれど、減量ができなかったんだ。できなかったのか、しなかったのか」と当時のエージェント。

ドラフト全体1位でイーライ・マニングが指名された2014年、ロレンゼンさんはドラフト外でニューヨーク・ジャイアンツと契約します。しかし、ロースターに残ることは無理だと決め込み、トレーニングキャンプには不参加。家族は憤慨しました。

翌年に再びジャイアンツの招待を受けると、高校からの付き合いである奥さんに「行かなければ別れる」と告げられ、車を12時間運転しニューヨーク州のキャンプ地へ向かいました。すでに子どもがいた彼は、ホームシックでその間ずっと泣き続けたといいます。

ジャイアンツには3年在籍し、イーライ・マニングのバックアップを務めました。2007年シーズンは16戦全勝のニューイングランド・ペイトリオッツをスーパーボウルで破り優勝。その時の紙吹雪を、ロレンゼンさんは袋に入れて持っています。DEマイケル・ストラハンがお祝いにとチームメイト全員に配ったジョニー・ウォーカーの青ラベルは箱のまま、今でも飲まずに保存しています。

当時ヘッドコーチだったトム・コフリンさんは各選手に体重制限を規定し、1パウンド(0.5キロ)超過するごとに400ドル(4万円)の罰金が課されていました。ロレンゼンさんのリミットは292パウンド(132キロ)。体重測定は金曜日だったので、木曜日は絶食。金曜朝にはサウナ。トレーニングウェアを何枚も着込んでエクササイズマシンで汗を流し、やっとパスしていました。

「こんなことを2週間もやってたら、普通の人は食事にだって気をつけるようになるはずだ。だけど僕は、体重計を降りるとすぐハムとチーズのオムレツなんか食べてたんだ」

NFLでの最後の試合となったスーパーボウルの後、ジャイアンツを解雇され、インディアナポリス・コルツに移籍しましたが、シーズン前にリリース。最後の体重測定では303パウンド(137キロ)でした。

ケンタッキーに戻り、一時アリーナフットボールに参加したあと、ショッピングモールのマネージャーとして働きました。友人とレストランも開店しました。しかし自分の人生が見えませんでした。

「フットボールは終わった。だけど、今までそれしか知らないんだ。これから一体何を?」

地元のインドアフットボールリーグのGMに就任し、クォーターバックがいなかったので自分が試合に出場しました。リーグMVPとなり、1試合200ドルの報酬でプレイしていました。

高校時代から18年一緒だった奥さんとは離婚しました。体重について言い争いをすることに両方が疲れ果てました。「彼は本当に優しくて良い人なの」とタマラさんは語ります。

「いろんな工夫をしてみたわ。ズッキーニやかぼちゃをラザーニャに入れてみたり。だけど、彼は緑色のものなんか本当は好きじゃないのよ。グリーンピース以外はね」

「怒鳴ったりもした。静かになだめたりもした。『子どもたちのために』っていうのも試してみたわ。大人になることを学んでよ。そう話した時もあります」

プレイブックを理解していても、実戦で成功させることは難しい。どうすればいいのか頭の中では分かっていても、なぜか行動が伴わない。誰でもそんなことがひとつやふたつはあるのではないでしょうか。

タバコや酒やドラッグなら思い切って一切禁止ができても、食事は毎日取らなければ生きられない。欠点なんて誰だって人に見せたくないのに、大きな体はどこに行っても一目瞭然。

改札口を通れるだろうか。プラスチックの椅子が壊れないだろうか。レストランでテーブルの間をすり抜けられるだろうか。お尻が誰かにぶつからないだろうか。空港のラウンジでは「この人の隣になりたくないな」とみんなが思っているに違いない。

そんな毎日。

人目を忍んでいる暮らすこともできたのに、ロレンゼンさんは自分の不甲斐なさ、負け続けた戦いを私たちに見せてくれました。
奇妙な言い方かもしれないけれど
ささやかな方法で
ジャレッド・ロレンゼンは私の命を救ってくれた 
彼が他界したことで深い悲しみを感じている
私がやっと自分を変えた年よりも彼は若かった
あと数年で彼もそうできたかもしれない
時間がなかっただけ
同じことを起こらせてはいけないよ
亡くなった日のツイッターに、こんな書き込みもありました。NFLの花形クォーターバックではありませんでしたが、ジャレッド・ロレンゼンさんも彼にしかできないやり方でヒーローだったのではないでしょうか。

そう思いませんか?

スーパーボウルでの正念場、タックルをかわしてミラクルパスを放ったイーライ・マニングですが、タックルから逃げるドリルを毎日練習していました。練習でタックルする役目だったのがロレンゼンさん。「いやもう、彼は一枚上をいってたから」とイーライ・マニング。

2019/05/29

引退したクリス・ロングがマリファナについて語っていた件

フィラデルフィア・イーグルスのDEクリス・ロングさんが先日引退を発表しました。現在34歳。2008年ドラフト全体2位でセントルイス・ラムズに指名され8年、ニューイングランド・ペイトリオッツ1年、フィラデルフィア・イーグルス2年と計11年の選手生活でした。

ペイトリオッツとイーグルスでは2年連続でスーパーボウル優勝。慈善活動にも熱心で、自ら基金を設立して東アフリカに井戸を建設し、また2017年には1年の年俸をすべてチャリティに寄付していました。昨年は、著しく社会貢献に務めた選手に贈られるウォルター・ペイトンNFLマン・オブ・ザ・イヤー賞を受賞しました。

そのロングさんがインタビューに答えて、これまでマリファナを常用していたこと、NFLの薬物検査は簡単に騙せることを語っていました。


「(マリファナは)ドラッグとも呼べないようなものだ。選手の使用を認めるべきだと思う。試合の後に酒をちょっと引っ掛けて外出するよりも安全だ。

酒よりも、タバコよりも害は少ない。リーグはこれまでに、様々なレベルでこれらの産業とパートナーシップを結んで来た訳なんだが。

何割の選手がマリファナを使用しているか、数字を出すことは控えるが、自分は普通にマリファナを使用してきた。日常的にね。これがなかったら、選手生活のストレスに対応できなかったと思う。たくさんの選手が、これで身体的苦痛を緩和させているんだ。

ドラッグテストは建前に過ぎない。リーグもそれは認識している。年一回の薬物検査、それにマリファナが含まれることもバカバカしいんだが、実際にいつ検査が行われるか、選手は知っているんだ。それに合わせて中断したらいい。1、2ヶ月止めて、睡眠薬か鎮静剤を代わりに服用する。酒の量を少し増やすとかね。週末の一杯が、大量になる場合も出てくるだろうが。

もし本当に禁止したいんだったら、もっと頻繁に検査しているはずだ。これからは受け入れる方向に進むべきだと思うよ」

もう選手生活は引退ということで、わりとざっくばらんに話していました。薬物検査って、もっとランダムなものかと思っていましたが、そうでもなさそう。

オピオイド系の強い鎮静剤には強い依存性があり、最近では中毒患者の増大、過剰摂取による死亡事故が社会問題にもなっているので、それに比べれば、マリファナはかなり安全と言えるかもしれません。ただ、医療用大麻の使用を認めていない州もあるので、NFL全体として許可するには、まだまだハードルが高いのではないでしょうか。

引退については、体の状態や家族など様々な要因がありますが、試合でのスナップ数が減ったことが大きな理由だったようです。

「ベテランということで、次第に選手兼コーチのような役割を担うようになった。体を張る機会が少なくなっていいじゃないか、という人もいるけれど、そうなると自分のリズムがつかめない。体が冷えて怪我をしやすくなる。私はフットボールがしたいんだ。

イーグルスはチームの方針について正直に語ってくれたし、それは感謝している。移籍して、また知らない場所で始めるつもりはない」

フィラデルフィアは大好きで、全米一のスポーツ都市だ、ということも語っていました。引退後はデジタルメディア会社を設立し、ポッドキャストなどもする予定。解説者の道も考えているようです。これからもクリス・ロングさんに会える機会は結構あるんじゃないでしょうか。お父さんも解説やってるしね。

長い間お疲れ様でした。体を本当に大事にしてほしいです。

2019/05/20

数々の思い出をありがとう❤ダグ・ボールドウィン

NFLファンのみなさん、お久しぶりです。オフシーズンをいかがお過ごしででしょうか。今月は、シアトル・シーホークスのWRダグ・ボールドウィン引退というニュースがありまして、私はしばし悲しみに打ちひしがれておりました。

シーズン後に複数の手術をしたという話は聞いていました。開幕には間に合わないかも、と心配していた矢先でした。彼が引退の準備をしていると、ドラフト後の会見でGMシュナイダーさんが圧倒話していたので、心の準備はしていたのですが、それが現実になってみると、失くしたものの大きさに圧倒されます。

身体検査に合格しなかったという理由で、SSカム・チャンセラーと共に解雇。チャンセラーさんは昨年もプレイしていなかったので、引退も納得済みでしたが、ダグさんにはあと1年くらいやってほしかった。フットボール選手の身体への負担というのは、想像以上に厳しいものなのだと改めて思います。

自らの引退ではなく解雇という形のため、二人とも契約時ボーナスを返金せずに済み、またNFLから健康保険を1億円強もらえるという、選手側に有利な手続きだったようです。

ダグ・ボールドウィンさんの思い出は、数えられないほどあります。胸を熱くするプレイを何度見せたもらったことか。極寒のバイキングス戦での、腕を天に伸ばしてのスーパーキャッチ。チーフス戦での、パイロンへ倒れながらのタッチダウン。窮地に立たされた場面で、いつもチームを救ってくれました。頼りになるナンバーワンレシーバー。

NFLには花形レシーバーが何人かいますが、私にとっては、彼がいつでも最高のレシーバーでした。ギリギリのところでボールを取ってパスをコンプリートする、こんな足さばきはもはや芸術。


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キレッキレのステップにもダグさんの真骨頂でした。


高校卒業時に奨学金のオファーが届いたのは1校だけ。スタンフォード大学ではHCジム・ハーボ―の下、なかなかプレイタイムがもらえず、ドラフト外でシーホークスに入団。小柄な体格ですが、フットボールに賭ける情熱と根性、そして「オメーら舐めんじゃねーぞ」という態度で、自分が授かった能力以上の力をb発揮してくれた選手です。

Legion of Boomと呼ばれたシーホークス・ディフェンス陣の、相手に食って掛かるような成り上がり者の心意気を、RBマーション・リンチと共にオフェンス側でも見せてくれました。ダグさんももチャンセラーもいなくなり、一つの時代が終わった感は否めません。

「ラス(QBラッセル・ウィルソン)に先に喋らせろよッ」と、かつてのオフェンシブラインコ―チ、ケーブルさんを突き飛ばしたことも、「何してんだよ、しっかりしろッ」とウィルソンに突っかかったこともありました。

「お、おぅ・・(汗)」的なウィルソンもなかなか良い味(笑)ですが、こうやって躊躇せず真正面からぶつかって来るチームメイトを失くすのは大きな痛手。ウィルソンを怒鳴ってくれる人、他に誰かいるんかい。(その点はOTデュエン・ブラウンさんに期待)


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「いいか、まず一つだ。一つずつプレイを決めていくんだ。急がなくていい。オレ達はお前について行く。リードしてくれ。暗闇の中をリードするんだよ」

というミネソタでの名言も忘れられません。(ウィルソンたじたじ笑)そしてまた、ダグさんは後輩のWRタイラー・ロケットくんを大変可愛がってもいました。足を大怪我した時、真っ先に駆け寄っていったのもダグさんだったし、彼のレシーバーとしての成長をいつも親みたいに喜んでいました。


ロケットくん落球の際には

「ちょっと言っていいか?人間の心ってのはさ、小さな失敗を必要以上に膨らませてしまうものなんだ。お前は野獣だ。野生の動物なんだ。誰にも止められやしないんだ」

「僕を信頼してくれてありがとう」

「あったり前だよ。人生賭けて信頼しちゃうよ」

なんつって、これも珠玉の場面でした。


もう感謝しかないですね。もうユニホーム姿が見れないのは残念ではありますが。人生の輝いたひと時を私たちに見せてくれてありがとう。

ツイッターに「若かった自分への手紙」なんてカッコいいこと書いて、一人で去って行くなんてずるい。バカヤロー!という気もします。しかし、社会活動にも熱心に取り組んでいる人なので、活動家または政治家としての舞台に登場するのではと期待もしています。ダグさん、これからもずっと大好きだよ。ずーっと応援し続けるよぉ!




2019/05/08

マイアミで輝け🌟ドルフィンズQBジョシュ・ローゼン

今年のドラフト1位指名はQBカイラー・マレーくんでした。アリゾナ・カーディナルスの新ヘッドコーチとなったクリフ・キングスベリーさんは、マレーくんが5フィート2インチ(157 cm)の高校生だった時からベタ惚れだったそうですから、一緒になれてよかったのかな。

それを受けて、昨年ドラフト1巡10位でカーディナルスに入団したQBジョシュ・ローゼンくんは、マイアミ・ドルフィンズへトレード移籍となりました。

マレー指名に伴うジョシュ・ローゼンのトレードはずっと噂されていましたが、ローゼンくん本人は最後の最後までその話を信じていなかったと語っています。スケジュール通りにチーム練習に参加し、HCキングスベリーさんからゲームブックのレクチャーを受けていました。

カーディナルスGMから、ローゼンくんのエージェントに各チームとのトレード交渉を許可するという知らせが入ったのがドラフト1位指名発表の数分前。エージェントはすぐローゼンくんに連絡を取り、またHCキングスベリーさんもローゼンくんに電話を入れました。私たちはキミを高く評価している。プレイが問題な訳じゃない。これは私のせいなんだ。

「こんなことが起こるはずはないと信じていた。そうか、やはりという気持ちもあったけれど、僕の心は信じたくなかった」

とローゼンくん。カーディナルスはトレードに1巡指名権を要求しましたが、応じるチームはなし。期待する見返りを得ることが出来ない場合は、2人の1巡クォーターバックをロースターに残すこともチームは考慮していたそうです。

「そういうつもりなら、僕が先発争いに勝ってカイラーがバックアップになったらいい」

というローゼンくんに「チームはそんなことを望んでいない。トレードを成立させる」とエージェントは答えました。

「僕が留まるなら、もちろん先発争いをする。だけど、公平な争いじゃないことは分かっている。クォーターバックを指名した翌年に、さらに上位で再びクォーターバックを指名して、最初に取ったヤツを使うわけはないだろう。間違いを2つ犯したことを認めることになる」

トレード候補だったニューヨーク・ジャイアンツ、ワシントン・レッドスキンズは1巡でクォーターバックを指名し、ドラフト1日目が終了。

「いいさ。ダルフールの少年兵ってわけじゃないんだ。ここまで僕は恵まれて来た。本物の逆境に立ち向かう時が来たんだ」

「もしカーディナルズにトレード放出されて落ち込んだら、周りを見渡してみたらいい。僕はスコッツデールのすごく良いコンドミニアムに住んでる。チームに所属している。食卓には食べ物があり、良い家族がいる。もっとひどい人生だったかも知れないんだ。今の幸せに感謝しなきゃ。世の中に良いエネルギーを出さないと」

というローゼンくんは、ドラフト2日めにマイアミ・ドルフィンズに移籍が決まりました。ローゼンくんと交換にドルフィンズは2巡(64位)と2020年5巡指名権をカーディナルスへ。

翌日土曜日には、かねてから出場を約束していたWRラリー・フィッツジェラルドさん主催のチャリティソフトボール大会に出場しました。



「彼がどんな人間かという証明だ。マイアミに飛ぶことだってできたし、断ることもできた。彼の性格、責任感、友情を表している。彼を友達と呼ぶことができて幸運だ。マイアミでの活躍を期待しているよ」

フィッツジェラルドさんは語っています。オフシーズンの間、ローゼンくんと毎日のように連絡を取り、ドラフト前にも話し合いを持ったそうです。

この大会でローゼンくんはMVPに選ばれ、ホームランダービーでも優勝。ファンからも大声援を浴びていましたよ。「ジョーーーッシュ!」って。

確かに、裕福な家庭に生まれて頭脳明晰、運動神経抜群な彼にとっては、尻を蹴られてお払い箱となった今回のトレードは初めての逆境なのかもしれません。でも逆境っていいですよね。その分タフになれるもの。

マイアミでは、まずベテランQBの、あの髭おじさんと先発争いをすることになります。(そういえば、あのおじさんも頭脳派や)ヘッドコーチ、オフェンシブコーディネーターともに新任なので、どうなるのか全く想像できません。レシーバーはさておき、オフェンシブラインがしっかりしていればいいなあ。去年のアリゾナはグダグダだったもの。

AFC東地区は、昨年のドラフト1巡QB3人と高齢QB1人の戦いということになり、それも結構楽しいかもと期待しています。