2020/05/06

大怪我からの復帰を目指すアレックス・スミスの信念

みなさんこんにちは。

先日QBアレックス・スミスさんのドキュメンタリーが放送されまして、私はYouTubeで誰かが上げたやつを見たんですが、翌日にはもう視聴不可になっていました・・・。

2018年11月18日、対ヒューストン・テキサンズ戦で、ワシントン・レッドスキンズQBアレックス・スミスさんは右脚を骨折する大怪我を負いました。感染症を引き起こし、かなり重症だったことは報道されていましたが、今回初めて怪我の詳細と回復への過程が明らかに。

予告編がこちら。



1:14 JJ・ワット「コーチは脳震盪かもしれないと。でも隣の人が『足が違う方向に曲がってた』と教えてくれた」

1:45 奥さん「観客席からアレックスが倒れたのは見えたんです。8歳の息子を見下ろしたら、目に涙を浮かべて『ママ、カートが来るよ』って」

足首の上で折れた骨が皮膚から飛び出る複雑骨折。病院へ運ばれ、すぐ手術を受けました。プレート3つ、ネジ十数個で骨を固定し、入院は2日ほどになる予定。翌日には帰宅を希望したスミスさんでしたが、熱が下がらないので、もう一晩だけ泊まることを医師が勧めました。

念の為、包帯を取って患部を確認しましたが、見た目は順調(5:06)。しかし、その後体調が急変します。高熱が続き、血圧は低下。意識が朦朧とし、「アレックスはアレックス本人ではありませんでした」と奥さん。いくつもの検査をしましたが、原因は特定できません。

夜中、心配して様子を見に来たお医者さんが、包帯を外して驚きました。皮膚は黒ずみ、大きな水疱があちこちに(6:18)。

急遽、手術室へ。明らかな皮膚感染症で、命を落とす危険もありました。

かなりの組織を切除し、原因が人食いバクテリアであることが判明。壊死の範囲は毎日進行し、それに伴って切除手術も連日行われました。

骨が飛び出た傷口。フィールドの土、草。汗。ユニホーム。どんな細菌と接触があってもおかしくありません。

「命を救うために切断を」と奥さんが願った瞬間もありましたが、幸い大腿部への進行はなく、計8回の手術が終わりました。手術後の画像がこちら。(閲覧注意)足首から膝まで前面の組織がそっくり失われ、骨が露出。

再建手術にあたっては、医師がまず背筋の移植を提案しましたが、「投球に使うので、そこはやれない」と本人が却下。次の候補となったのが太ももの筋肉。移植は、血管や動脈をつなぐ顕微鏡手術となり、拒否反応が起こる可能性もあります。やむなく切断となった場合、弱くなった左足を一生使わなければなりません。

スミスさんの決断は早く、太ももの筋肉移植手術が決定。

退院後も何度か手術を重ね(9ヶ月間に17回)、リハビリに取り組む様子が紹介されました。

一番いいシーンはここかな。怪我の日以来、フットボールを手にしたことがなかったスミスさんが初めてボールを手に取り、投球練習をした日。なんとも嬉しそう。「顔が輝いたの。アレックスに、前進する意欲が戻ってきた」と奥さんも感激していました。


アレックス・スミスさんて、一見ソフトな感じじゃないですか。しかし内に秘めたこのタフさに私は唸りました。脚が半分なくなっても、QBを続けることしか考えてない。プロ生活14年やったし、もう35歳だし、お金もあるし、引退してゆっくりするかぁ〜とかは無し。ここからもう一度やり直そうという、強い信念が一体どこから出てくるのか。

若手QBの台頭はもちろん頭にあるでしょう。だけどそんなことはどうでもいい。「この道がどこに行き着くのか見てみたい」なんつって、復帰を目指してトレーニングに励む毎日です。

かっこいいだろ・・・。

私なんか結構すぐあきらめることが多いので、ほんっと、すごいなあと感心しました。ということで、wikiを見てたら、実は5月7日はアレックス・スミス36歳の誕生日だということが判明しました。この場を借りて、お誕生日おめでとうと、大きな声で言いたいです。

HAPPY BIRTHDAY ALEX SMITH!!!