2018/11/29

【第12週】怖いもの知らずのQBウィルソンが2発で決めた シーホークス@パンサーズ戦

ワイルドカードを狙う両者の対戦となったこの一戦、シアトル・シーホークス対カロライナ・パンサーズは、シーホークスが試合時間3分半を残して同点に追いつき、終了間際のフィールドゴールで勝利を得ました。30対27。

パンサーズはRBクリスチャン・マキャフリーくんが大活躍。走って125ヤード、レシーブで112ヤードと大暴れすれば、QBニュートンも鋭いパスを決めるわ自分でも走るわで、あっという間にレッドゾーンまで攻め込まれました。獲得ヤード数はシーホークス397ヤードに対してパンサーズ476ヤード。

しかし、やられっぱなしのシーホークスディフェンス陣が要所でふんばりました。

まず、パンサーズの最初のドライブ、ゴール前5ヤードの4th down コンバートを阻止して無得点に。後半にはSマクドゥーガルドくんがQBニュートンのパスをエンドゾーンでインターセプト。得点の機会を2度も奪ってみせました。

この試合の正念場、パンサーズ最後の3rd downではルーキーCBフラワーくんが執念のタックルで更新を防ぎ、52ヤードフィールドゴールに追い込みました。結局それが大きく外れ、逆転のチャンスが舞い込んだシーホークス。こういうプレイのひとつひとつが、勝利につながったと言えましょう。

しかし、何と言っても圧巻だったのはQBラッセル・ウィルソンです。

残り時間3分半、7点を追うシーホークスの攻撃。4th and 3まで追い詰められ、試合を賭けた一発はエンドゾーンへのレインボウ。



「何も怖れるな。ここで決めるぞ」とハドルで告げたというQBウィルソンさん。

疑いはない。怖れたりしない。この瞬間を待ち焦がれるか、怖気づくか。勝負を賭けたこの瞬間を自分のものにしたいと思う――なんつって、相変わらずカッチョイイことを語っていました。

どんな場面でも怯まないこの人、いつもながら感心します。こういう場面、きっと心が躍るんだろうな。追い詰められてギヤが一段階上がるみたいな。

残り1分半で回ってきた最後の攻撃では、3rd and 5から大きなパスをWRロケットへ。これが決勝点のフィールドゴールにつながったわけですが、スローモーションでブレイクダウンを見ると、QBウィルソンが準備する前にボールがスナップされたことが分かります。

スナップが早すぎて、オフェンス、ディフェンスともラインの誰もが位置についていない。しかしGスイージーがQBをしっかり守り、そのおかげでパスが成功。全員が自分の役割を果たしてこそのビックプレイでした。



同点を決めたWRムーアさんのキャッチだって、ディフェンスに手を捕まれてたので、ボールが落ちてきたときは片手でなんとか胸に押し付けてましたよ。すごいなぁ。

最後のフィールドゴールは正直ヒヤヒヤしましたが、無事に決まってよかったです。Kジャニコウスキーさんによれば

「30ヤードを蹴らしてくれるなんて、彼(ウィルソン)にキスしなくちゃ。これならいつだって歓迎だ。チームに来たばかりの頃は、『うちは接戦の試合が多いからね』ってみんなに言われてたのさ。ラスは最高のクォーターバックだよ、まったく。50じゃなくて30を蹴らしてくれるんだもの」

とのこと。パンサーズのKガノさんのキックは見ていなかったそうです。

「ウォームアップしてた。ネットにボールを蹴ってたんだ。もし彼がミスしたらオレの出番だからさ」

「毎週なかなか手ごわい試合をしてるよね。最後まで戦っているじゃないか。正しい方向に向かっている。いい感じだ。ロッカールームでもみんなといい雰囲気でやれている。最高だよ。よく説明できないけど」

いつもふてぶてしい表情のジャニコウスキーさんですが、なんだ、チームメイトと上手くやってんじゃん。チームを好きになってくれたんじゃん!と安心しました。これからも接戦の試合が続くと思うので、ジャニさんもこの調子でお願いしますね!

ということで、プレイオフが見えてきたような気がします。

「シーホークス、今年はダメだろ」なんて言われていたシーズン前。「ピート・キャロルなんかUSCにいた時も若いヘッドコーチが台頭してきて勝てなくなった。今回もそのパターン」なんて批判されていましたが、みなさん、シーホークス2018年バージョンがとうとう到着しました。

さあこれからプレイオフまでひとっ走りお願いしまっす!!!



2018/11/20

【第11週】やっと4Qで逆転できた パッカーズ@シーホークス戦

プレイオフ出場に向け、両チームにとって重要な一戦となったサーズデイナイトフットボールは、シアトル・シーホークスがグリーンベイ・パッカーズを27対24で下しました。ばんざーーーーい!

最初のプレイでRBカーソンがファンブルし、パッカーズがリカバー。ゴール前から3プレイ後にはタッチダウンで先制点を許すという最悪の立ち上がり。QBウィルソンはエンドゾーンでオープンになっていたWRボールドウィンをはじめ、要所でパスミスが目立ちました。度重なるフォルススタートでもヤードを失い、攻撃陣はリズムに乗れません。ディフェンスはというと、さすがのパッカーズQBロジャースに長いパスを決められて、これもまたイマイチ。前半を終わって21対17と劣勢でした。

ところが第4クォーター中盤で、ようやく逆転のタッチダウンに成功。過去2試合、チャンスがありながら得点できず涙を呑んでいたシーホークスですが、この日はやってくれました。逆転するって、なんて気持ちがいいんでしょうか!リードを奪って残り時間は5分ちょっととなりました。

パッカーズを3回でパントに追い込み、残り4分11秒で再びボールを支配すると、そこからはラン一辺倒。ファーストダウンをランで2回更新し時間を消費した後、ビクトリーフォーメーションで試合終了となりました。

はぁ~勝利っていいものですね!

これで5勝5敗。あと6試合を残していますが、プレイオフは狙える距離です。来週のパンサーズ戦、12月のバイキングス戦が正念場になるでしょう。調子は上向いていると思います。頑張ってほしい!

先週のラムズ戦で273ヤードをランで稼いだシーホークス、この試合では173ヤードを記録しました。現時点で、1試合平均154ヤード、ラン回数、トータルヤードともリーグで1位になっています。とりあえずゴリゴリ走るチームだから!そこんとこよろしく!というアイデンティティが確立したと言えるでしょう。

リーグで23位だった去年のランゲームと比べたら、大幅な躍進です。なんかもう忘れかけているんですが、去年のランはひどかった。一番走ってたのがQBウィルソンだったじゃないすか?オフェンシブラインなんかグダグダだったものね。Oラインのコーチ、ケーブルさんを代えただけで、こんなに良くなるものだとは。新しい選手の加入も大きかったんだと思いますが、ずいぶん成長したんだなぁとしみじみ・・・。

パスをどんどん投げまくる現在のリーグ主流とは、正面を切って対抗するシーホークスオフェンスですが、それならそれでいいじゃないの。もうちょっとパスもしてほしいな~と思う時もありますが、試合に勝ってくれるなら何も文句はございません。信頼できるバックが3人もいて、充実のデプス。なんてラッキーなんでしょう。怪我をせずにポストシーズンまで突き進んでほしいと思います。

さて、この試合ではシーホークスのナンバー1レシーバー、WRボールドウィンさんが今年初のタッチダウンを記録しました。キャンプで膝を痛め、開幕試合ではもう片方の膝、ロンドンの試合で肘の靱帯を損傷するという傷だらけのシーズンでしたが、やっと痛み無しでプレイができるようになったそうです。

どうですか、この華麗なフットワーク。

どうですか、このボールさばき。

いや、惚れ惚れする。むっちゃ頼りになるまっせ。ウィルソン➡ボールドウィンのタッチダウンを後半戦は大いに期待したいところ!

ハーフタイムではとりあえず怒鳴り合ったwとコーチが語っていましたが、後半はディフェンス陣も大奮闘。パッカーズを3点のみに抑えました。サードダウンの肝心なところでサックも出ていました。長いパスの後、大袈裟ガッツポーズをしていたQBロジャースも心なしかイラついた表情に。

バッカーズ最後の攻撃は、3rd and 2がインコンプリートでパントを選択した訳ですが、この決断が試合後話題になっていました。4th and 2 に挑むべきではなかったかと。ボールは自陣33ヤード。もしコンバートに失敗しても、フィールドゴールに抑えればチャンスは回って来る。リーグナンバーワンと呼ばれるQBロジャースにボールを渡すべきではなかったか?

シーホークスQBウィルソンさんはといえば、逆転タッチダウンの後に熱い拳が出ていました。おお!どうしたんでしょうか。こんなラッセルめずらしい。ホームでロジャースのふてぶてしいガッツポーズばかりさせてはおけん!と思ったのかも。ってワケではないでしょうが、念願のカムバックTDですからね。気合が一発入りました。よっしゃー!



ということで、あと6試合。次のパンサーズ戦に勝てれば、プレイオフがそこまで見えてくるはず。気を引き締めて応援したいと思います!


2018/11/14

【第10週】カムバックならず再び シーホークス@ラムズ戦

今シーズン2戦目のロサンゼルス・ラムズ戦は、36対31でシアトル・シーホークスが惜敗を喫しました。

2試合連続でカムバックならず。

リードされた第4クォーターの肝心なところで先週はピック6、今週はストリップサックという、まさかのターンオーバー。反撃するはずが追加点を許し、試合は決まったかに見えました。しかし2ミニッツを切ってからディフェンスがファーストダウンを堅守し、攻撃のチャンスが巡ってくるという同様の展開。

残り時間約1分半。タイムアウトはなし。果敢に敵陣まで攻め込むものの、最後のパスが決まらず敗戦。全く同じ幕切れでした。

こんなん毎週やって見てる方が疲れるわ!チャージャーズとかラムズとか、上位チーム相手に正念場でターンオーバーしてたら勝てるわけないやろ!けど、そこでガクンとあきらめないのがすごいよね!ディフェンスがよくこらえたね!よくオフェンスがあそこまで突き進んでったよ!得点できなかったけど。。。

シーホークスはいいチームです。選手層に格段の差があるラムズ相手に、互角に戦ったじゃあないですか。1戦目だって2点差での苦杯。最後の反撃が成功しなかったのは、まだそれだけの力がないという証明ですが、若い選手も多いし、これから後半戦に大いに期待したいです。

ここまで4勝5敗。同様に4勝5敗だった2015年シーズンは、そこから5連勝し10勝6敗でワイルドカードにもぐりこみました。今シーズンだって、できないことはない。選手はもちろんそのつもりでしょう。パッカーズがなんだー!パンサーズでもバイキングスでも持って来ーい!というつもりで応援していきたいと思います。

さて、この試合ではドラフト1巡指名のRBラシャード・ペニーくんがやっと爆発したのがなによりの朗報です。38ヤードのロングランの後、2プレイ後には18ヤードを走ってタッチダウン!

コーチをはじめ、チームメイトが大喜びしていました。初TDおめでとう!



故障中のガード、JD.フルーカーさんの代わりに出場したジョーダン・シモンズくんも健闘していました。はっきり見たわけじゃないですが、ラムズの最強パスラッシャー陣をまあまあ抑えていたんじゃないでしょうか?

南カリフォルニア大学(USC)出身のシモンズくんにとって、このロサンゼルス・メモリアルコロシアムはホームフィールド。しかし、故障が続いた大学時代は試合出場の機会があまりありませんでした。

ドラフト外でオークランド・レイダーズに入団し1年練習生を務めた後、今年シーホークスと契約し、この試合がプロ初出場。

「彼は信じられないほど良くやった。試合に出るのは初めてだったのに、1試合を戦いきった。力を発揮してファンタスティックだったよ」

とコーチが褒め、シモンズくんは

「カレッジでは暗い道だった。ここで、NFL選手として初出場できたことには感謝しかなし。少し胸が詰まったけれど、いい気持ちだ。試合中はプレイだけに集中していた。だって精神的に大変だったんだよ、ここに来るまでに」

と語っていました。シーホークスのオフェンスラインで、これからも頑張ってね!

そしてルーキー・オブ・ザ・イヤーを狙うオージーパンター、マイケル・ディクソンくんも完璧なパントを披露し、すでにパンター業引退済みのパット・マカフィーさんも興奮を隠せない様子でした。


ラムズはしかし、RBガーリーさんもバカバカ走ってたし、QBゴフさんも長いパスを決めてました。ボール持たせたらタッチダウンだろうな(汗)という無力感しかなかったです。

また、どういうわけかラムズの選手、勝ってるくせに怒ってましたね。ペナルティーのおかげでシーホークスがファーストダウンを更新したのが5回ほど。まあこっちに有利になったよかったけどぉー。

OLジャスティン・ブリットさんに我慢がならないらしいDEアーロン・ドナルドさんは、試合が終ったっつーのにヘルメットをかぶりなおしてケンカを売りに登場。


最初は止めようとしていたQBウィルソンさんが、「いやもうオレ知らんわ~」と場を離れる様子もなかなかいいですよ・・・。

ということで中三日をおいて、次はサーズディナイトにパッカーズ戦です。勝てる相手だと思います。とりあえず、この1戦を勝って後につなげてほしいです。が、がんばれーーーー!!

2018/11/08

【第9週】最後のカムバックならず チャージャース@シーホークス戦

あっという間に10週が始まってしまいましたが、シーホークスファンのみなさんお元気ですか。更新が遅れましたが、試合に負けちゃって泣いていたわけではありません。ちょっとダラダラしていただけ・・・。

ホームでのロサンゼルス・チャージャーズ戦は25対17でシアトル・シーホークスが敗戦を喫し、4勝4敗に。これは厳しい。しかしNFLの試合で勝つって、本当に難しいですね。負けてしまったものはしょうがない。前を見て1試合ずつ戦っていくしかありません。

オープニングドライブはタッチダウンで先制点を上げ、「やった~いい感じ~」と思ったのもつかの間、すかさず7点を返され――いや違った、エクストラポイント失敗で6点を返され、チャージャーズは次の攻撃でも4プレイで早々とタッチダウンに成功。

チャージャーズ陣12ヤード、3rd and 15からドッカーンと54ヤードも進まれたのが痛かった。3rd and 15!!!

今シーズンから右サイドコーナーバックを務めているシャキール・グリフィンくんが、「ごめん、オレの責任」と悔しがっておりました。

フィルムで研究した際、WRアレン選手は深いところへ走るレシーバーでなかった。他の選手がそういう役目を担っている。3rd downではマーカーの近くに位置し、確実にコンバートするレシーバー。というつもりでいたら、あっさりその裏をかかれた、とグリフィンくんは語っていました。

むうー、すごいですね。この駆け引き。グリフィンくん、今度は頑張ってや!

前半を19対10とリードされてハーフタイムに。バカバカ走られDBも抜かれ、オフェンスはなかなかランが出ない。肝心なところでファウルが足を引っ張る。RBクリス・カーソンが故障で途中から退き、その上Oラインの頼みの綱DJ.フルーカーさんもふくらはぎの故障で離脱。これが痛かったかもしれないっすね・・・。

しかし後半ディフェンスは奮闘しました。後半の失点ゼロ。何度もオフェンス陣に反撃のチャンスを作ってくれたのですが、9点差を縮めなければいけない第4クォーター中盤に痛恨のピック6を献上。

え~うっそ~ラッセルどうしたの・・・こんな人じゃないやろ・・・😭😭😭

15点差にしちゃったあと、相変わらずクールにベンチに戻ってきたQBラッセル・ウィルソンさんに、OCコーディネーターのショッテンハイマーさんがかけた言葉は


「おい、ライオンでも時々ガゼルをミスするんだよ」
「はい?」

ショッティーさん・・・。どういう感想を持てばいいのでしょうか。私は困惑するばかり・・・。が、これで勇気づけられたのかもしれないQBウィルソンは次のドライブ、4th and goalでこんな狭いところを通してタッチダウン。さすがライオンやね!(つーかラッキーなだけ?)1ポゼッション差に迫って残り時間は1分50秒。


するとディフェンス陣が胸熱のふんばり!LBボビー・ワグナーのタックル!DTジャレン・リードのサック!大歓声とどよめきのスタジアム!チャージャースの攻撃を3回でパントに追い込み、あれあれ、ボールがオフェンスに戻って来ました。残り1分33秒、タイムアウトはゼロ。

途中QBがファンブルなんかしてヒヤリとさせる場面もありましたが、自陣22ヤードからはるばるやって来ました、レッドゾーンまで。いやもう、最後まで見せてくれるじゃあないの、このちびっこQBは!

相手のファウルに助けられ、残り時間ゼロとなってからの1st and Goalはゴール前1ヤード。TD➡2ポイントで延長戦が微かに見えてきたその瞬間にフォルススタートで5ヤード戻り、パスインコンプリートで試合終了となりました。むうぅ~無念。。。

チャージャースの方が良いプレイを決めてたってことですね。オフェンスも、なかなかチグハグ感が否めませんでした。ランが出ずに辛かったし、QBウィルソンだってもっともっとやれるはず。

ということで、次はロサンゼルス・ラムズ戦です。木曜現在シーホークスの故障者はクエスチョナブルが5人いるのに、ラムズはゼロ。ラムズの勝率76.9%、約10点差というオッズ。そうですか。そうだろう。しかし何が起こるか分からないのがNFL。ウィルソン➡ボールドウィンの長いヤツをドーーンと見せてほしいと思っています。

シーホークス頑張れーーーーーーーー!