2018/02/08

これがフィリースペシャルだ! スーパーボウル52 イーグルス vs ペイトリオッツ戦

第52回スーパーボウルは、フィラデルフィア・イーグルスが41対33でニューイングランド・ペイトリオッツを破り優勝しました。イーグルスファンのみなさん、おめでとうございます!最後の最後まで息をつかせぬ大試合で、あー面白かったー。

41点も取られるなんて、ペイトリオッツどうした?トム・ブレイディが500ヤード投げてんのに負けるんか?という感じもしますが、イーグルスの強気な試合運びが勝負を分けたのではないでしょうか。バックアップQBのニック・フォールズさんは堂々たるプレイぶりでした。この大舞台で、ペイトリオッツにリードを奪われても、ひるむことなく投げきったのが素晴らしかった。ニック、やるやんかー。

圧巻だったのが、Target left bunch, Philly special =フィリースペシャルと名前がついたトリックプレイでした。

前半残り38秒。15対12でリードしているイーグルス。ゴール前1ヤード4th and Goal。フィールドゴールの追加点で前半を終わることもできたのに、タッチダウンを強行します。

We'll go for it(ここは行くぞ)というコーチに Philly, Philly? (フィリーで行く?)と語りかけるニック・フォールズ。



HCピーダーソンさんが、え?ってフォールズさんの顔を見てましたw

「リードを奪って、3か4クォーターでこのプレイだ。トドメの一発になる」とピーダーソンさんは前夜オフェンシブコーディネーターと打ち合わせしていたそう。

トリックプレイ担当のアシスタントコーチが過去のフィルムから見つけてきたプレイです。2012年カレッジの試合で、2016年にはシカゴ・ベアーズが17週の消化試合で使っていました。イーグルスはNFC決勝のバイキングス戦で使うつもりでしたが、大差がついたため見送っていました。

イーグルスでは初めてのプレイコール。パスを出したTEバートンは、NFLでパスを投げた経験なし。(高校時代はクォーターバック)QBフォールズだってパスをキャッチした経験はありません。ペイトリオッツが、いくら相手を研究し尽くしていたとしても、このプレイは予測できなかったのでは。

スーパーボウルの会場であるミネソタに着いてからは、このプレイを極秘にしていました。誰が見ているか分からない練習ではそぶりを見せず、ホテルの宴会場を借りておさらいとしたとのこと。

そこまでしてもトリックプレイは失敗の危険があるのに、4th downでコールしたピーダーソンさん、あっぱれです。

ところで、ペイトリオッツもトリックプレイを見せていました。第2クォーター、3rd and 5でWRアメンドーラからQBブレイディへのパス。これ、取ろうと思えば取れたんじゃないの?なんでもっと飛びつかんの?と思いませんでしたか?プロのワイドレシーバーみたいに取れないのは当たり前なのか。


イーグルスのSSマルコム・ジェンキンスさんが C'mon Tom! (取れよ、トム!これくらいできるだろ)って言ってたのが、けっこう好きw

キッカーがフィールドゴールをミスしたり、ストリップサックがあったり、きわどいタッチダウンがあったり、ヘイルメリーがあったりと、けっこういろいろ見せてもらって、良いスーパーボウルでしたねー。

ペイトリオッツのCBマルコム・バトラーさんは、スペシャルチームの1スナップのみで、あとは試合に出してもらえませんでした。ユニホームを着せといて、試合開始直前になぜHCベリチックはそんなことをしたのか。

直前にそんなことをしてディフェンス陣だって気持ちが落ち着かなかったんじゃないのかい。風邪だとか門限を破ったとか噂されたあと、バトラーさんが門限は破っていないと明言していたし、じゃあ何だろう。ペイトリオッツのことだから、誰も何も言わないんだろうけど、後日談がありそうです。ちょっと期待。

ということで、NFLはオフシーズンに突入ですが、選手の契約とかトレードとかいろいろ話題はあるんじゃないでしょうか。私の応援するシーホークスも目が離せません。しかしこのスーパーボウルは、どっちのチームもオフェンシブラインが固くて、ほーんとうらやましかったわあ・・・。

👀おまけの1
ペイトリオッツのフィリースペシャル!2015年の試合です。


👀おまけの2
ペイトリオッツのサイドラインにNBAスター、ステフ・カリー。「もともとカリーなんか好きじゃなかったさ!なぁ!」とマルコム・ジェンキンス。同感。

2018/02/01

ブレット・ファーブが語るイーグルスHCダグ・ピーダーソン

今年大躍進のフィラデルフィア・イーグルス。第52回スーパーボウルではニューイングランド・ペイトリオッツと優勝をかけて対戦します。そのイーグルスを率いる2年目ヘッドコーチ、ダグ・バイザー大好き・ピーダーソンさんが、実はスーパーボウル優勝リングを持っていると、みなさんはご存知でしたでしょうか?

1997年第31回スーパーボウル、ペイトリオッツ対グリーンベイ・パッカーズ戦。パッカーズが35対21で優勝した時、パッカーズのクォーターバック、ブレット・ファーブのバックアップを務めていたのがピーダーソンさんです。この試合、ペイトリオッツでアシスタントHCだったのが、現在のHCビル・ベリチック。

再びスーパーボウルへ、今度はヘッドコーチとして戻ってきたピーダーソンさんについて、往年の名QBブレット・ファーブさんが熱く語っていた記事を紹介します。



「僕の選手生活にとって、彼は非常に重要でかけがえのない人物だ。ダグと僕はずっと一緒だった。十年くらいね。完璧なペアだったんだ」

「こう言いたくはないが、彼はコーチのようだったよ。カンがあるんだ。僕と同じことを考えて、僕をよく知り抜いていた。僕が考えていることをコーチや、プレイコーラーへ伝えることができたんだ。バックアップQBがすべてヘッドフォンをするというわけじゃない。だけど彼にはコーチと話してほしかった。

彼は相手の出方を予測してコーチに伝えるんだが、それがほとんど正しかった。クォーターバックはプレイコールだけを聞きたいものだが、僕は違う。注意してくれるようにと頼んでいた。ダグは『ウィークサイドを好む相手だ』とか『ブリッツが来るぞ』とかアドバイスをくれた。僕の考えを読んでいたんだ。

フィールドの外でも同じさ。ゴルフや狩猟へ一緒に行った。親が亡くなった知らせは誰でも聞きたくないものだが、あの時、人生最悪の時にダグが傍にいてくれたのは神の恵みだったと思っている」

2003年、レイダースとの試合を控えた前日、二人は他のチームメイトと一緒にゴルフコースに出ていました。ピーダーソンさんの携帯電話が鳴り、出てみるとブレット・ファーブの奥さんから。「彼、そこにいるかしら?」携帯を持ち歩かないファーブさんに電話を代わり、父親の訃報が告げられました。

家には戻らず、翌日のプレイオフを控えた大事な一戦に出場する。そう決めたブレット・ファーブ。

「ダグは僕の傍についていてくれた。『さあ、投げようぜ』と彼が声をかけて二人でフィールドに出たんだ。彼の頭の上めがけてボールを投げた。しかし10ヤードパスさえできないんだ。マンデーナイトフットボールの前だ。気持ちが揺れて集中できなかった。ひどい試合で笑い者になるかもしれない。

中に戻った。僕は震えていた。ダグが僕のロッカーに来て『大丈夫さ』と言った。彼は祈りの言葉を捧げたんだ。その場で。僕の肩に両手を置いて祈ったんだ。それから拳を僕の肩に軽くぶつけて『キミは今夜、素晴らしいプレイをするんだ。すごい試合になるんだ』と」

オークランドでは、ファンが総立ち、拍手の嵐でファーブさんを迎えました。キックオフの前には公衆の前で涙を流しましたが、試合では4タッチダウンを決め41対7でレイダースを圧勝。

「あの試合は忘れることができない」とピーダーソンさんは語っています。「彼が心の痛み、苦しみをどうやって押しのけたのか。なぜ素晴らしいプレイができたのか。誰にも分からない。だけど彼はやってのけたんだ」

14年のNFL選手生活が終ったあと、ピーダーソンさんは高校のフットボールコーチを志願します。自分に務まるのか自信はありませんでしたが、次第にこれが天職だと確信するようになります。

「コーチするのが好きだ。生徒に教えるのが本当に好きだった。人生で最高の4年間だった」

さらに大きな舞台を求め、NFLへ。当時イーグルスのヘッドコーチだったアンディ・レイドさんに連絡を取りました。パッカーズでクォーターバックコーチを務めていたレイドさんは、ファーブとピーダーソンさんのことをよく知っていました。イーグルスがパッカーズと対戦した時のことも、鮮明に覚えています。

試合中、プレイが中断するとブレット・ファーブが真っ先に駆け寄るのは、コーチではなくピーダーソンさんでした。「その時思ったよ。彼はやれる。コーチになれると」

レイドさんの部下としてイーグルス、チーフスでポジションコーチを務めたあと、2016年にイーグルスのヘッドコーチに就任。

「ダグのプレイコールは素晴らしい。試合を読む特異な才能がある。それが名クォーターバック――ダン・マリノ、ドノバン・バクナブ、ブレット・ファーブの後ろにいたせいなのかは分からない。しかし彼は自分がプレイしているように試合を見る。まだクォーターバックであるかのように。僕たちと一緒に実際に試合に参加しているんだ」

と、イーグルスのTEアーツ選手。

10年前、ピーダーソンさんがルイジアナ州の高校コーチだった時、ペイトリオッツHCビル・ベリチックさんはすでにスーパーボウルでの優勝を3回経験済みでした。

「チャンピオンになるためには、ベストのプレイをしてベストのチームを破らなければ。素晴らしいチャンスだ。チームにとっても私自身にとっても。この2年間私が語ってきたことを選手が本当に信じて、ハイレベルのプレイをすることができるか。この対戦相手とチェスのような試合ができるなんて嬉しい」

とダグ・ピーダーソンさんは語っています。

スーパーボウルにもサンバイザーをかぶってくるのでしょうか?

ってか、バイザーって中途半端な気がしませんか?帽子かぶればいいじゃんと思うのは私だけでしょうか。サンバイザーをチョイスするその心がちょっと理解できないんです。でもバイザーが好きなコーチって結構いるんですよね。ベリチックもかぶるしショーン・ペイトンもジョン・グルーデンも・・・ってそんなこと、どーでもいいんすけどね!自分の偏見ですからね!

ということでスーバーボウルです。イーグルス、やったれやーーー!