2018/07/22

感動のスピーチでみんな涙目 ジム・ケリー

ジム・ケリーさんは1986年から10年間、バッファロー・ビルズのクォーターバックとして活躍しました。1991年から4年連続でスーパーボウルに出場。しかし4回とも涙を吞んでいます。きっと当時は辛辣な批判を浴びたんだろうなぁ。「大舞台でポシャるヤツ」とか言われてさ。想像ですが。

最近では、5年前に診断された上顎の癌が2度再発し、再び手術を行ったと報道されていました。

そのケリーさんが、今年のESPYSと言うスポーツ表彰式で困難を乗り越えた選手に贈られるジミーV賞を受賞。二人の娘さんに付き添われてステージに上がり、力強いスピーチで観客の胸を打ちました。シアラも泣いてたよ・・(3:20)。

ケリーさんを紹介したのがNFL界の大御所QBジョン・エルウェイさんとダン・マリーノさんだったんですが、まず二人に向けて

「ジョンとダンをこうして見ると、懐かしい思い出が湧き上がってくる。楽しかったな。ダンとは毎年2回ずつ戦った。ジョンには、83年ドラフト組クォーターバック8人を代表して御礼を述べたい。スーパーボウルを2回勝ち取ってくれてありがとう。私は特に感謝してるよ。ダンもね」

なんつって。笑いを取りながらもじーん・・・。

自分の誕生日に生まれたという息子さんが、生後4ヶ月で不治の病いの宣告を受け、車椅子生活のまま8歳で亡くなったことも語られていました。知らなかったです。現在は同じ病気を患う子どもさんを持つバッファロー近辺の60家族と共に支援団体を運営しているのだそうです。

「娘が病院に来るときは、曇った顔を見せたことが一度もなかった。『パパ、元気そうじゃない!可愛いわよ!』と溢れる笑顔でいつも抱きしめてくれた。今日もぎゅっと抱擁してくれましたが、そんな時にはいつも離したくないと思うんです。そして、妻は私の心と魂、全てです。愛してるよ」

なんつってもう、会場全部じーん・・・。


「来ないかもしれない明日に向けて戦っている人の為に、私たちは出来ることをしよう。必ずしもラッセル・ウィルソンやアーロン・ロジャースである必要はない。この会場にいる全ての人それぞれに、出来ることがある。毎朝仕事に出かけて行く普通の人にだって、誰かを笑顔にさせることができるんです。

私の娘や友人たちが面会に来てくれた時、暗い顔をしてる人は一人だっていなかった。だから皆さんにこれだけは言いたいんです。もし苦しんでいる人がいたら、何か出来ることをしよう。癌じゃなくても、例えばその日に嫌なことがあった人でもいい、母親でも父親でもおじいさんでもいい、あなたの一言、あなたの笑顔が明日へとつながる力になる。それが大きな違いになるんです。覚えておいてください。どんな時でも辛抱強く立ち向かうことを。絶対に諦めないで」

とスピーチを締めくくりました。堂々として力強いメッセージにじーん・・・。

いつも思うことだけど、アメリカ人ってスピーチ上手いなぁ。そしてとにかく前向き。世の中、社会が少しでも良くなるように、それぞれが出来ることをしていかなきゃという姿勢をみんなが共有しているところも素晴らしい。(共有してないのは大統領だけ・・・)

ジム・ケリーさんの癌が最初に発見されたのは2013年。摘出手術を受けましたが、翌年に再発し化学療法をし受けました。今年初めに2度目の再発。3月に手術を受けて療養中です。フットボールクリニックなどの活動は続けていて、8月にはまた検診があるとのこと。

大人になった娘さんとも仲良し、奥さんとも相思相愛のケリー家、いいっすね!


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2018/07/12

チャンセラーが😭😭😭😭😭😭😭

さて、もう10日前のことになりましたが、シアトル・シーホークスのストロングセーフティ、カム・チャンセラーさんが、もう選手生活を続けることはできないと発表しました。昨シーズン10週目の試合で首を負傷。引退が囁かれる中、6月の検査を待って去就を決めるらしいとは聞いていました。すると、7月1日に自らのツイッターで「最終検査で回復は全く見られなかった」とのこと。

「11月に医者から怪我の説明を受けた時には、心臓がドスンと胃まで落ちた気がした」

「数え切れないほどの打ち身、故障を抱えながら、それでもプレイを続けてきたが、今回のことは無視できない」

「価値ある経験から学んだことがたくさんある。今度はそれを次の旅路に生かす番だ。何かはまだ分からない。神の指示を待っている」

なんて言っているチャンセラー・・・😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭

もう見れないのか。ドッカーンと突進するBam Bam Kamさんが。むっちゃ寂しいよ--。え--ん。

何かとうるさいリチャード・シャーマン、超テンション高くてイキリ立ってるアール・トーマスの中にいて、まあまあまあと冷静にチームをまとめているような印象でした。まさかの時に頼れる、気は優しくて力持ちのチャンセラー。そしてなぜか、サイドラインに立ってる姿はどこか寂しげ。。。

プレイオフのミネソタで、RBピーターソンからファンブルを奪ったのは彼だった。ゴールラインでメガトロンのボールを弾いたこともあった。パンサーズ戦でインターセプトから80ヤードを独走したのも覚えているぞ。



こうして改めてプレイを見ると、失ったものは本当に大きいという気がします。私の心にはぽっかり穴が開きました。体と心を全部フットボールに捧げてくれたんやで、この人。

毎試合、体を張ったヒットの連続。ぶつかられた方も痛かったでしょうがぶつかった方だって相当にダメージがあったはず。2014年2月のスーパーボウル後は打ち身と内出血で3日間入院、翌年2度目のスーパーボウルはMCLを痛めたまま戦って、膝は通常の2倍に腫れ上がっていたといいます。

いや、チャンセラーさんだけでなく、他の選手も同様に、みんなが様々な怪我を抱えながら試合に臨んでいるのに違いないのですが。

「選手のために祈ってくれ。頭部の負傷によって、後にどれだけ後遺症が出るのか、自分には分からない」

という言葉も残しました。彼の場合はこのままフットボールを続けていたら半身麻痺の危険もあったようです。んもー、なんつうスポーツなんでしょう、このフットボールってやつは。

練習でも試合でも、その献身的な姿勢にチームが厚い信頼を寄せていたチャンセラーさんですが、チーム外の選手にも手を差し伸べていました。カレッジからNFLに進むセーフティのスカウト情報をチェックして、何か手伝えることはないかと電話したり。

「だまされてるんだと思ったよ、電話をもらったときは」と語るのはアトランタ・ファルコンズのキアヌ・ニール選手。「ちょい待って。カム・チャンセラー?マジで?オレのことなんか知らないはずだよね。オレはあなたの敵になるんですよ。それなのに僕に電話をくれて、バージニアで一緒にトレーニングしようって誘ってくれるんですか?本当に?えーと、もちろんです。行きます、絶対。

他の人はこんなことはしない。彼は誰でも友達のように扱ってくれるんだ」

そういえば前にもどっかで書いたけど、ニューイングランド・ペイトリオッツのジュリアン・エデルマンさんがチャンセラーさんのことを「すっごく丁寧で礼儀正しい」って言ってたことも思い出します。ドッカーンってヒットした後、「大丈夫かい、キミ?」って気遣ってくれるって。ちょっと笑っちゃうんですがw

まぁ、エデルマンさんもすごかったです。チャンセラーのヒット受けながらもダウンせずに走リ続けるあの闘志。あれも思い出のひとつになりました。

もう見れないなら、数々のドッカーンヒットを覚えておこう・・・。


チャンセラーさんは6人兄弟。お母さんがひとりで、トラックの運転手などの仕事を掛け持ちして育ててくれたそうです。12歳になると、チャンセラーさんも近所の床屋さんで床掃除のアルバイトをして家計の足しにしていました。NFL選手になって、お母さんに家を買ってあげたことを、インタビューで嬉しそうに話していました。

すんごいプレイを見せてくれて本当にありがとう。これからは家族のために自分の体を大切にしてほしい。今年、来年と一応シーホークスで確定契約金がもらえるはずなので「引退」という言葉は避けているのだと、報道されていました。

シーホークスを辞めないで、ディフェンスのコーチ職で残ってくれてもいいのにね、と思ったりもしています。31番のユニホーム、カッコよかったな😭😭😭😭😭