2017/09/26

トランプ vs NFLで荒れまくった日曜日

事の起こりは9月22日金曜日。アラバマ州で共和党候補者の応援演説をしていたドナルド・トランプ大統領が、いきなりNFLを引き合いに出して糾弾。

「こういうのを見たくないか?国旗に敬意を表さない選手には、NFLオーナーがこう言ってやるんだ。そんなゲス野郎はフィールド外につまみ出せ!クビだ!お前はクビ切りだ!」

「何人かのオーナーはそうするだろう。そしてこう言うんだ。ヤツは国旗に敬意を表さないから解雇にしたんだと。オーナーは知らないだろう。知る由もないだろうが――彼らは私の友人だが――人気が出るに違いない。1週間は。全国一の人気者になるだろうよ」

まるで山のてっぺんから人を見下したような、この発言。いったい何なのコイツ?選手をson of a bitchと呼んでるんですよ! 一国のリーダーのすることか!

国内でマイノリティが不当な差別を受けている。それを黙って見ているわけにはいかない。意識を改革しよう、平等を訴えようという選手をson of a bitch呼ばわり。

土曜日には、NBAチャンピオン、ゴールデンステート・ウォリアーズのステフ・カリー選手が「ホワイトハウス訪問を躊躇している」と聞くや否や(いや、けっこう前からそう言ってたような気がするけど)

「優勝したチームにとって、ホワイトハウス訪問は身に余る光栄なのだ。ステフ・カリーが迷っているなら、招待は取り消しだ!」

と怒りのツイート。ボクんちに遊びに来ないんなら、お前なんか友達じゃないやい!バカァ!(アホか・・・)

それを受けてレブロン・ジェームスさまが

「この能無しが。ステフ・カリーは行かないって、とっくに言ってただろうが。招待なんか、もともとなかった。ホワイトハウス訪問は栄誉なことだったよ、お前が現れる前まではな!」

と反撃。レブロン素晴らしい!よくぞ言った。大統領をbum(何もせずにノラクラして、使い物にならんヤツ)と呼んでるところがグッと来た・・。

そして日曜。試合の朝には、トランプ発言を遺憾とする声明が各チーム・オーナーから続々と発表されました。試合前の国歌斉唱時には多数の選手が膝をつき、また、選手たちと腕を組み、団結を意思表示する厳しい顔のオーナーも。


ピッツバーグ・スティーラーズ、テネシー・タイタンズ、シアトル・シーホークスに至っては、国歌斉唱が済むまでロッカールームで待機という姿勢。

元軍人であるスティーラーズのヴィラヌバ選手は、ただ一人胸に手を当てて国歌斉唱に参加していましたが、次の日にはこの行動を後悔していました。チームメイトを裏切る行為だったとして。


シーホークスなんか、試合前の土曜日、国歌斉唱時にチームとして何をすればいいか4時間半協議したという報道も。4時間半!練習もあっただろう。作戦会議もあっただろう。疲労を癒す休憩時間だって必要だったのに。試合前の大事な時間を費やして。

ばかやろう~トランプめ~お前が気分に任せていらんことをほざいてるせいで・・・。選手に自由にフットボールさせてやれ~。

誰もいないシーホークスベンチ。


すでに引退したレイ・ルイスさんもロンドンに登場して両膝つき。

バッファロー・ビルズのリショーン・マコイさんなんか、国歌斉唱中にストレッチ。


ブラウンズのベンチ。


オデル・ベッカムなんか、タッチダウンを決めた後のセレブレーションに犬の真似。(ほら、トランプがson of a bitchとか言ってたから)


次のタッチダウンでは、拳をかざして抗議の意思表示。(すんごいTDっすね!)


そんなこんなで荒れまくった日曜日。試合の方も、まさかの展開で勝敗入り乱れました。

「国のリーダーである者が、また国民を分裂させようとしている。それもスポーツを使って。それが我慢ならないんだ。友情とか団結とか、スポーツはそんなふうに人々をひとつにするものなのに。それをこんなふうに使われて黙っていることはできない」

と言っていたのはレブロン・ジェームスさま。まったくそのとおり。トランプの馬鹿野郎。横から口を出すな。NFLとかNBAとかエンタテイメント業界にいちゃもんつけてないで、もっと他に重要なことがいくらでもあるだろう。メキシコの地震とかプエルトリコのハリケーン災害とか、人を助けることに力注げよ、人々の長というのなら。

《続く》

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