デショーン・ワトソンの試合出場停止は何試合は妥当なのか

みなさんこんにちは。開幕が迫ってきましたがいかがお過ごしでしょうか。

さて8月1日、クリーブランド・ブラウンズQBデショーン・ワトソンの6試合出場停止処分が発表されました。罰金はなし。NFL（会社側）とNFL選手会（労働者側）を仲裁する元連邦裁判官スー・ロビンソンさんの判断です。これを不服とし、NFLは上訴を決定。最終的な処分が決定されるのは、当分先になりそうです。

今回問題となっているデショーン・ワトソンの規範違反とは、数多くの女性マッサージ師に対して行った不適切な行為です。インスタグラムを通じて予約を入れ、個室での施術中に局部付近のマッサージを示唆、オーラルセックスを要求し、勃起したペニスを露出し、ペニスで女性に触れ、精液を女性にかけたと報道されています。

ニューヨーク・タイムズ紙によれば、2019年秋から17ヶ月の間に少なくとも66人のマッサージ師と接触。チームには、もちろんプロのマッサージ師がいますが、ワトソンは外部の女性施術者を利用していました。

当時の所属チームであるヒューストン・テキサンズは彼の行動を知っており、マッサージの場所としてホテルのメンバーシップを用意。マッサージ師から秘密保持契約書にサインをもらうようにと、ワトソンに忠告しています。

30人の女性がテキサンズを訴え、示談金でこれは既に解決済み。ワトソンに関しては、刑事訴訟は不起訴、24人が民事訴訟を起こし、現在までに23人が示談金で決着。

NFLは告訴した24人のうち12人に面会し調査を実施。4人のマッサージ師と関係者37人の証言、証拠品を調停者ロビンソンさんに提出し、今回の処分が発表されました。

報告書でロビンソンさんは、ワトソンの行動を「甚だ悪質」と明記しています。被害者を狙った上で危害を加えた。通常使われるシーツではなく、小さなタオルで体を覆うことを強要した。マッサージ師の資格、経験の有無は、彼にとって重要ではなかった。NFLの有名選手という自分のステイタスを利用した。「反省の色は皆無」とも綴っています。

しかしながら、出場停止処分が6試合に留まったのは、前例のない事件であることと、身体的な暴力を加えていないことが大きな理由となりました。

女性に危害を与えた過去の事例では、カウボーイズRBエリオットのガールフレンドへの暴力が6試合停止処分、スティーラーズQBロスリスバーガーの婦女暴行が6試合停止処分。手を出して6試合なら、手を出してはいない今回、それ以上の罰則は公正ではないという考えです。

罰則が明文化されているわけではないし、公平な制裁を下すために過去の判例に倣ったと言われれば、そうかなとも思います。

でも24人。告訴には至らない被害者もたくさんいるでしょう。

性行為が目的なら、秘密を守る高級娼婦みたいな人を雇えばいい。それをNFLクォーターバックという名目で、マッサージ師を呼び出す手口はなんなの。プロ選手が顧客になるチャンスを自営業者が断るわけないでしょう。罠にかけた女性が困る姿を楽しんでいたのかもしれないし、それが彼にとってはスリルだったかもしれません。き　も　ち　わ　る　い。

ワトソンはこれまでずっと「自分は悪いことをしていない」と言い続けてきました。処分の発表後、ブラウンズは、「彼は後悔している」と声明で述べましたが、実際のところ、そんな気持ちは微塵もないようです。あ　た　ま　お　か　し　い。

そういう人がすごいパス投げてタッチダウン決めたからって、拍手できないです。見たくもないわ。

これを限りに闇の中に消え去ってほしい。

NFLはワトソンに対して、最低でも2022年シーズン全試合出場停止を希望していたと報告書に記載されています。が、今回の上訴で頑なにそれを求めるのかは分かりません。シーズン前に決着なんかつくんでしょうか。

まあいいけどね。ロビンソンさんの処分には、「ワトソンがプロ生活を続ける限り、チーム専属のマッサージ師を使うこと」という条件も含まれてたわそういえば。これは引き続き有効なのかな。

ブラウンズはQBブリセットくんで行ってください。いいじゃないですか、それで。どんな手を使ってもいい勝利より大切なことってこの世の中にあるはずよね。ねねねねね。