2017/04/03

ラインを飛び越えてのキックブロックはこれで見納め

先週は、NFL競技審査会でこれまでのルールがいくつか変更されました。そのうちのひとつが、「フィールドゴール、エクストラポイントのキックの際に、ディフェンスの選手がオフェンシブラインを飛び越えてブロックする行為は禁止」です。

昨シーズン、シアトル・シーホークスのボビー・ワグナー選手がやっていました。こんなやつ。


この時、ワグナー選手の足がスナッパーの背中をかすっていましたが、選手の上にどしんと着地しない限り反則にはなりませんでした。

この試合、延長戦では、アリゾナ・カーディナルスがフィールドゴールを決めれば勝ちという場面で、再び跳んだボビー・ワグナーさん。



ブロックすることはできませんでしたが、キックはポールに当たって失敗。前からはボビー・ワグナーが突っ込んでくる、横からはリチャード・シャーマンが飛び出してくる、とそんな目にあってカタンザロさんもビビッたことでしょう。落ち込む顔が*ちょっとだけ*気の毒。

簡単なようにも見えますが、ボールのホルダーがロングスナッパーに出す合図をあらかじめフィルムで勉強しておかなければいけないし、スナッパーの構えが低いか高いか、助走の位置なども瞬時に判断しなければなりません。

「(スナッパーが)低く構えてたからね。フィルムで見たように、本当に低かった。だから跳べるだろうなと思ってやってみたら成功した」

ワグナーさんは試合後に語っていました。練習では、飛び越すプレイをしていなかったので、ぶっつけ本番だったようです。小さい頃はバスケットの選手だったから、自分にはぜったいできると信じてチャンスをうかがっていたとのことですが、そんな、子どもの頃の思い込みでよくやるな・・(汗)という気もします。

きれいに決まれば、う~ん芸術的・・と唸りたくなるようなこのプレイですが、来シーズンからは前面的に禁止に。

こういうエンターテイメントも見たい。チェ~またNFLのお偉方が試合をつまんなくしちゃってるよ~とブツクサ言いたいところではありますが、選手の安全を考えてということなので、ま、しょうがないでしょう。32チームのオーナーが投票を行った結果、満場一致で可決されたということです。

ボビー・ワグナーさん、それから同じシーホークスのカム・チャンセラーさんは、この決定を不満としておりました。


偶然にヘルメットとヘルメットがぶつかるのもダメ、ラインを跳ぶのもダメ、いったい次は何だよ?と、たいそうご不満の様子。

でも、このプレイを禁止にしようという案は選手会からも出ていたそうです。

「これ、イヤなんだよね。月曜日に、誰がこのプレイをするのか決められて、その誰かになるのがイヤなんだよ」

と語る選手のほうが多いとか。ま、そういう気持ちも分かるような・・。

ということで、これからはもう見ることの出来ない、カム・チャンセラーさんのジャンプ。2015年、プレイオフでのカロライナ・パンサーズ戦です。



1回目、なんでこれ失敗したんだろう?まん前まで行ってたのに?と、ちょっと不思議。オフサイドの後、2回目も跳んで、これはブロックしたものの、キッカーにぶつかって反則となりました。

改めて見ると、こういう見せ場、盛り上がっていいのになぁー。

去年はニューイングランド・ペイトリオッツのジェイミー・コリンズ選手もブロックに成功。

失敗の場合もありますが、それでも意表をついて、試合の楽しみでもありました。


残念と言えば残念。でも、ボビー・ワグナーさんは「オレたちはクリエイティブさ。違う方法を見つけるぜ」と語っていましたよ。

いったいどういう作戦を練ってくるのかな?ラインを飛び越えてのブロックが無くなって、ちょっとホッとしているかもしれないキッカーの方々を、まだまだ苦しめてほしいです!

ゴールに失敗したキッカーの苦悩の顔って、けっこう好き・・・。

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