それを受けて、昨年ドラフト1巡10位でカーディナルスに入団したQBジョシュ・ローゼンくんは、マイアミ・ドルフィンズへトレード移籍となりました。
マレー指名に伴うジョシュ・ローゼンのトレードはずっと噂されていましたが、ローゼンくん本人は最後の最後までその話を信じていなかったと語っています。スケジュール通りにチーム練習に参加し、HCキングスベリーさんからゲームブックのレクチャーを受けていました。
カーディナルスGMから、ローゼンくんのエージェントに各チームとのトレード交渉を許可するという知らせが入ったのがドラフト1位指名発表の数分前。エージェントはすぐローゼンくんに連絡を取り、またHCキングスベリーさんもローゼンくんに電話を入れました。私たちはキミを高く評価している。プレイが問題な訳じゃない。これは私のせいなんだ。
「こんなことが起こるはずはないと信じていた。そうか、やはりという気持ちもあったけれど、僕の心は信じたくなかった」
とローゼンくん。カーディナルスはトレードに1巡指名権を要求しましたが、応じるチームはなし。期待する見返りを得ることが出来ない場合は、2人の1巡クォーターバックをロースターに残すこともチームは考慮していたそうです。
「そういうつもりなら、僕が先発争いに勝ってカイラーがバックアップになったらいい」
というローゼンくんに「チームはそんなことを望んでいない。トレードを成立させる」とエージェントは答えました。
「僕が留まるなら、もちろん先発争いをする。だけど、公平な争いじゃないことは分かっている。クォーターバックを指名した翌年に、さらに上位で再びクォーターバックを指名して、最初に取ったヤツを使うわけはないだろう。間違いを2つ犯したことを認めることになる」
トレード候補だったニューヨーク・ジャイアンツ、ワシントン・レッドスキンズは1巡でクォーターバックを指名し、ドラフト1日目が終了。
「いいさ。ダルフールの少年兵ってわけじゃないんだ。ここまで僕は恵まれて来た。本物の逆境に立ち向かう時が来たんだ」
「もしカーディナルズにトレード放出されて落ち込んだら、周りを見渡してみたらいい。僕はスコッツデールのすごく良いコンドミニアムに住んでる。チームに所属している。食卓には食べ物があり、良い家族がいる。もっとひどい人生だったかも知れないんだ。今の幸せに感謝しなきゃ。世の中に良いエネルギーを出さないと」
というローゼンくんは、ドラフト2日めにマイアミ・ドルフィンズに移籍が決まりました。ローゼンくんと交換にドルフィンズは2巡(64位)と2020年5巡指名権をカーディナルスへ。
翌日土曜日には、かねてから出場を約束していたWRラリー・フィッツジェラルドさん主催のチャリティソフトボール大会に出場しました。
Winner of this year’s #FitzSoftball homerun derby: @josh3rosen! Appreciate you coming out brother and wishing you nothing but the best. pic.twitter.com/JNUo7zHYpJ— Larry Fitzgerald (@LarryFitzgerald) April 28, 2019
「彼がどんな人間かという証明だ。マイアミに飛ぶことだってできたし、断ることもできた。彼の性格、責任感、友情を表している。彼を友達と呼ぶことができて幸運だ。マイアミでの活躍を期待しているよ」
とフィッツジェラルドさんは語っています。オフシーズンの間、ローゼンくんと毎日のように連絡を取り、ドラフト前にも話し合いを持ったそうです。
この大会でローゼンくんはMVPに選ばれ、ホームランダービーでも優勝。ファンからも大声援を浴びていましたよ。「ジョーーーッシュ!」って。
確かに、裕福な家庭に生まれて頭脳明晰、運動神経抜群な彼にとっては、尻を蹴られてお払い箱となった今回のトレードは初めての逆境なのかもしれません。でも逆境っていいですよね。その分タフになれるもの。
マイアミでは、まずベテランQBの、あの髭おじさんと先発争いをすることになります。(そういえば、あのおじさんも頭脳派や)ヘッドコーチ、オフェンシブコーディネーターともに新任なので、どうなるのか全く想像できません。レシーバーはさておき、オフェンシブラインがしっかりしていればいいなあ。去年のアリゾナはグダグダだったもの。
AFC東地区は、昨年のドラフト1巡QB3人と高齢QB1人の戦いということになり、それも結構楽しいかもと期待しています。
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