2020/09/16

キッカー・ゴストコウスキーがドラマを作った タイタンズ@ブロンコス戦

 第1週の最後の試合、マンデーナイトのテネシー・タイタンズ対デンバー・ブロンコス戦を、みなさんご覧になりましたか。

今年のブロンコスはどうなんだろう。QBドリュー・ロック、QBタネヒルは?やっと契約を決めたDEクラウニーは健在か?などを気にしつつも、のんびり観戦していましたが、思いの外盛り上がりました。ドラマの立役者はタイタンズのキッカー、スティーブン・ゴストコウスキーさん。

プロ入りから14年間ニューイングランド・ペイトリオッツでキッカーを務めてきた36歳。スーパーボウル優勝3回、プロボウルには4回選出されており、キックの正確さではNFLの歴史上5番目と言われていました。

しかし昨年は股関節の故障で出場は4試合のみ。3月にリリースされ、シーズン開始間近の9月3日にタイタンズと契約しました。新しいチームで再起をかけた初戦でしたが、なんと、フィールドゴールが全く入りません。

47ヤード失敗。44ヤードをブロックされて失敗。42ヤード失敗。TD後のキック失敗。誰もが信頼してきたキッカーが。は?なんで?まさか?こんなことあり?さすが魔の2020年。

キック連続失敗の結果、試合終盤には13対14でタイタンズがブロンコスを追う立場に。この1点差が、なんとも悩ましい。だって、タッチダウンの後エクストラポイントのミスですよ。入って当たり前の点なのに。なんでベテランがこれを外すのか。

この1点で負けることになったら、いったいどうする。その場で地面に穴を掘って隠れてしまいたい状況ではないですか。

なぜボールがゴールポストを外れてしまうのか、ゴストコさんだってワケが分からず混乱していたと思います。1試合で3つのフィールドゴールを外したのはこれが初めて。


「夏の間中、ソックスを履かずに練習していたんだ。だけどソックスを履くようになった。もし最後のキックが入るのなら、パンツだって脱いださ。何かをしてみなきゃ。全然ダメだったから、何か違うことをしてみないと。気持ちを変えるためにも。変なやり方かもしれないけどね」

と、なぜ試合中に裸足になったのかを試合後の記者会見で説明していました。

1点差となった後、両者パントを繰り返し、タイタンズに最後のチャンスが回ってきたのが残り時間3分。自陣10ヤードから執拗にゴール前7ヤードまで攻め込みます。4th and 1の土壇場で残り17秒。

結果はこちらの映像をご覧ください。


しかしあれですね、こうしてみると、ブロンコスはタイムアウトがあったのに、1度も取りませんでした。恒例の、キックの直前のタイムアウトもなし。コーチどうしちゃったんでしょう。ゴストコドラマに気を取られて、ワケ分かんなくなってたのかも。

タイタンズのHCブラベルさんは決勝ゴールをゴストコさんに任せるのに何の躊躇もなかったと話しています。

「まあルーレットで10回赤が出たようなもんでね。だから次は黒に賭けるのさ。だって10回も赤なんだから、今度はそうなるワケがない。フィールドゴールが決まる確信があったし、正しい選択だ。正当なアプローチであり、最後は全員が自分の役目を果たてくれた」

とのこと。HCブラベルさんは選手時代、3年間ペイトリオッツでゴストコさんのチームメイトでもありました。気心の知れた仲だったのかもしれません。

そういえばタイタンズって、なぜかキッカーの不遇が続き、昨シーズンは10試合でフィールドゴールを1回しか蹴っていないという事実もあります。

何かに祟られているのでしょうか。ああ怖い。くわばら、くわばら。

さて、こんなことがありますと、ゴストコさん次の試合はどうなのかな〜なんて、次週がますます楽しみになりますね。波乱のNFL。これぞ、ってかんじ。

それでは、これはいつの映像でしょうか。スーパーボウルでのゴストコさんのクラッチキックを見ながらさよーならー。


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