2016/12/21

タイタンズ まさかの決勝53ヤードフィールドゴーーーール!でプレイオフ圏内だ

シーズン残り3試合。この試合に勝てば、プレイオフに行けるかもしれない。

相手は10勝3敗の強豪。第1クォーターで14点を許し、予想通り厳しい展開。しかし第4クォーター、怒涛の勢いで1点差に詰め寄る。残り5秒。キッカーの自分に出番が回って来る。

53ヤードのフィールドゴールを決めれば、逆転勝利。

体感温度ー23℃のフィールドで戦う最後の瞬間。氷の塊のようなボール。

キーーーーック!

氷点下の空中を飛んだボールは、ゴール前5ヤードで地面に落ちる。レッドゾーンへ力なく転がるボール・・・。しかし、スナップ直前に相手チームがタイムアウトをコール。このキックは無効に。

キッカーは、テネシー・タイタンズのライアン・サコップさん。2009年ドラフトの一番最後に指名された選手です。この日の対戦相手、カンザスシティ・チーフスに5年在籍したあと解雇され、タイタンズに来て3年目。

特別冷え込んだこの日、試合前のウォームアップでは49ヤード以上は練習しなかったそうです。「この寒さじゃ飛ぶわけがない」と思って。そしたら土壇場での、この出番。そして、思ったとおり、飛ばなかった・・・。

「届かない。10回蹴っても、届くわけがない。この寒さで、凍ったボールを蹴るなんて」

「テクニックは忘れて、とにかく思いきり強く蹴るしかない」

シューズのヒモを締め直す。敵地スタジアムの、とどろくような歓声の中、再び位置に着いて・・・。





クロスバーをかろうじて越え、キック成功!!

「人生で最高のキックだ」とサコップさん。

「正直に言うよ。あのコンディション、このチーム、このメンツ、オレらはディビジョンを賭けて戦っていたんだ・・。ゴールの後は、赤ん坊みたいに泣けてきた。オレにはこんなことできやしない。神様がいたおかげなんだ。それしか説明のしようがない」

感極まって、試合後のインタビューではグスグスしていました。

ボールをスナップしたブリンクリー選手は

「一瞬、気が遠くなっちまった。現実じゃないみたい。オレたちは、ずっと反対側にいたチームなんだよ。勝ってる側にいるって、いい気持ちだ」

と語っています。チーム全員がそう思ってるんじゃないかな。タイタンズ、ずーっと低迷したシーズンが続いていました。でも2年前にハワイ出身の好青年マーカス・マリオタくんがQBとして加わり、今年はRBマレー選手とも契約して、現在8勝6敗。AFC南地区の首位を争っています。

実はこの試合、第4クオーター残り3分でタイタンズがタッチダウンをきめて、チーフスに17対16と迫りました。エクストラポイントで同点にするかと思いきや、タイタンズは2ポイントコンバージョンを選択。そして、みごと失敗。

タイタンズファンの人は頭をかきむしったのではないでしょうか。コーチのアホーッ!!って。チーフスが1回ファーストダウンとったら、多分それで試合終了やん・・・。

「2ポイントを成功させ、ディフェンスが守りきって勝つ。もしくは、2ポイントに失敗してもディフェンスが守り、キッカーがフィールドゴールを成功させて勝つ。延長になる前に。そういうチームだという自信を持っている。みんなにそれを示したかった」

と、ヘッドコーチは試合後に説明していましたが。うーん・・・。ヘッドコーチもタフじゃなきゃやってられんね・・・。

今シーズンはあと2試合になりましたが、まだまだプレイオフの行方はどうなるかわからないチームが、あっちにもこっちにも。常勝チームだけでなく、「えっ、このチーム?」というサプライズが来ると盛り上がるよね~楽しみ。

この奇跡のような、極寒での53ヤードフィールドゴールは、タイタンズにとって忘れられない試合のひとつになるのではないでしょうか。

ウイニングボールは、タイタンズの用具係の人が、きちんと拾って、サコップさんのロッカーに入れておいてくれたそうです。触ったら、まだ冷たかったって👀


A photo posted by Jim Wyatt (@jwyattsports) on


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