2011年にティーボウ旋風を巻き起こし、デンバー・ブロンコスをプレイオフへ導いたこの人。プレイオフのワイルドカード戦では、319ヤードを投げ、延長戦でピッツバーグ・スティーラーズを29対23で下しました。ティーボウマニア最高潮!でしたよね。
しかし、その後ニューヨーク・ジェッツ、ニューイングランド・ペイトリオッツ、フィラデルフィア・イーグルスと移籍し、ロースターに残ることができませんでした。
2016年には野球転向を発表。メッツの下部チームで、62打席中三振20回、打率1割9分5厘という成績。
そして2017年現在、29歳。野球をするのは12年ぶりで、メジャーリーグ選手を目指してトレーニング中。
専門家は、ティーボウさんがメジャーリーグ選手になるのは無理と見ています。一般の人も、「頑張ってほしいけど、まあ無理だろうな」というのが大方の意見。
大学時代は、全米チャンピオン2回、ハインズマン賞にも輝きました。過去の栄光と、現在の状況を比べてみれば、明らかに堕ちたヒーロー。期待はずれもいいところ。今さら野球なんて、どういうつもり?ティーボウ、いいかげんに諦めたらどう?ハハハハ。と、冷笑する人もいるでしょう。
大きな壁にぶつかって、見事無残に失敗する。そんな状況が5年間も続いています。大衆の目の前で。テレビやニュースの格好のネタになって。
しかしティーボウさんは、そんなこと、これっぽっちも恥ずかしいとは思っていません。
「生きていく上で大切なことはたくさんあるけど、自分の道を追求することも、そのひとつ。しかし多くの場合、未知に対する不安、失敗を怖れる心が間に入ってしまう」
「もし、僕が顔から地面に倒れたら?そしたら、すぐまた起き上がるさ」
5年間ずっとこれを信条にやってきました。
「失敗したらどうする?もしできなかったら?って人はよく言う。だけどね、僕は後悔と共には生きることはない。自分にできることはすべてやった。力を尽くした。後悔なしで、平和な気持ちで生きていく人になりたい。臆病で努力しなかった人じゃなく」
敬虔なクリスチャンとして有名な彼。慈善団体を設立し、積極的に活動しています。講演会やコンファレンスでスピーチすることも多々あります。
「彼の、『失敗の概念』というのは、基本的に他の人とは違うんだ」
と言うのは、キリスト教系大学ウィートンカレッジのフットボールコーチ、マイク・スワイダーさん。
「キリスト教徒として、私たちは、他の人にからかわれたり、馬鹿にされることを気にしてはいられない。ティム・ティーボウが野球選手として出来損ない?だから何だ?少なくとも、死の床で後悔に悩まされることはない。彼は勇敢に自己の使命を追求している。アリーナにいるんだ。もし失敗したとしても、彼は大胆に挑戦して負けたということだよ。冷たく気弱な心を持ち、勝利も敗北も知らない人とは違う」
キャンプでの記者会見では
「究極のゴールは、毎日を楽しむことだ。僕は皆の前に座って、正直にこう言えるよ。トレーニングをしていて本当に楽しい。目標を追う、ヒットを打つ、三振を取られる、そのすべてが」
とも言っていたティーボウさん。こんな言葉も飛び出しました。
Tim Tebow surprises reporter with unexpected answer about his life's purpose 😳💯— Baseball King™ (@BasebaIlKing) March 1, 2017
pic.twitter.com/9EQQDnAJHG
「スポーツっていうのは、どのくらいプレッシャーに耐えられるかだろう?でも例えば、12対0を追ってバッターボックスに立つのと、生きるために奮闘するのと、どっちのプレッシャーが強いのかな?ハイチの路上にいる体の不自由な人と比べたら?社会に必要なしと言われた人と比べたら?ゴミ箱に捨てられる人と比べたら?
比べる必要もないだろう。スポーツはあくまでもゲームだ。もちろん真剣に取り組む。ありったけの時間を費やし、力の限り努力する。
しかし、僕はそのためにここにいるんじゃない。それが最大の目的、使命じゃない。フットボール選手として、野球選手として僕を覚えていてほしいわけじゃない。努力をして何かを成し遂げた人、というのでもない。人生はそれよりも、もっと大きい。
暗い場所で助けを必要としている人たち、その人たちの一日に光を灯したい。信じる心、希望、愛を届ける人間になりたいんだ。
それが自分の使命だと信じている。スポーツよりも大きなものだ。
スポーツ選手として、このような場所を与えられたことには、とても感謝している。だって、そのおかげで世界中の人と愛や気遣う心を共有することができたんだもの。代え難いものだと思っている」
ティーボウ・・・何やねん、この人・・・。
ティーボウは、自分の体を張って、私たちに見せてくれているのかも。
「失敗してもいいんだぞ」って。「やってみろよ」って。「他人にどう思われたっていいじゃねえか」「後悔すんなよ」って。「生きてみろよ自分の人生を」って。
自分の真実を追って、今は野球に挑戦しているティム・ティーボウ。「あなたは真実を知り、真実はあなたを自由にする」とは、聖書の有名な言葉ですが、ティーボウさんはどんな真実を見つけるんでしょう。
ティーボウ、あんたどこに行くんや・・・。
こんにちは!
返信削除ティーボウさんがブロンコスで活躍されていた時は、全てのプレーに必死そうだなぁって思いながら見てました。決して華麗ではなく、がむしゃらな感じ。
きっとそれがティーボウさんの生き方そのものなんですね。
退屈なオフシーズン、とても興味深く読ませてもらいました。ありがとうございます!
ゆきちゃん、こんにちは!
削除ブロンコスのときは盛り上がりましたよね。試合中、とにかく燃えて、怒鳴って、渇を入れているところ好きだったです。もちろんティーボウイングも。
もうね、野球でも何でも自分の好きなようにやってほしいです。ずっと応援するよ~。