2018/09/12

7×3の答えをアーロン・ロジャースに聞いてみよう ベアーズ@パッカーズ戦

つねづね横柄で憎たらしいアーロン・ロジャースですが、第2クォーターで負傷しカートに乗って退場した時には、正直気の毒になりました。いや、ロジャースじゃなくってパッカーズファンのみなさんが。あちゃー、初戦ですでにシーズンエンド。目の前真っ暗やん・・・って。

「去年も鎖骨折ったやろ。ロジャースもう終りや。引退した方がええ」なんて言ってるヤツも隣にいました。

NFL第1週のサンデーナイトフットボール、ランボーフィールドでのシカゴ・ベアーズ対グリーンベイ・パッカーズ戦。パッカーズは100周年とかでユニホームに記念バッジがくっついていました。

前半はオークランド・レイダースからシカゴ・ベアーズに電撃トレード移籍したLBカリル・マックが大暴れ。ストリップサックやらピック6やらで怒涛の勢い。パッカーズなんか何もさせてもらえなくて17対0。

ハーフタイムのロッカールームで、WRランドール・コブさんは怪我を負ったQBを探したそうです。落ち込んでいるところを励まそうと思って。しかしロジャーズの姿は見えず、スタッフに尋ねると「調整している。膝の様子を確かめている」との答えで、えぇ?と困惑。

「後半が始まるから外へ出た。そしたらアーロンも出て来たんだよ。ユニホームのままで。用意できてるみたいなんだ。大丈夫なのかって聞いたら『ああ、もちろん』って言うのさ。サイドラインで、いつものように試合内容を話し始めた。そうか、試合に出るのか、ってオレは思ったよ」

観戦していた人はみんな驚いたのではないでしょうか。だって怪我したやん。カリル・マックが暴れてるやん。シーズンは長いんだから、大事をとってこの試合休めばいいやん。サックなんかされてACLやられたらどうするの。後半早々にフィールドゴールを決めて、ベアーズなんか20対0になっちゃったよ。なぜ今?

何を考えていたんですか?と試合後に聞かれ、「7×3」と答えたアーロン・ロジャース。

ランボーフィールドに戻ってきたロジャースの、最初のドライブはフィールドゴール。第3クォーター残り3分半でまだ3ポゼッション差を負うパッカーズ。

「自分の仕事をしてくれ。後はオレが引き受ける」

とロジャースはハドルで告げたといいます。(なにこのドラマ)

前半圧倒されていたオフェンシブラインはポケットをしっかり作ってQBに十分な時間を与え、レシーバーはすばやくオープンスペースを見つけて走る。片足をひきずりながらもポケットに堂々と立ち、すばやくボールを供給するロジャース。

その姿が本当に印象的でした。襲い掛かるパスラッシャーを警戒する様子なんか微塵もなし。怖いものなんか何もない。威風堂々、金色の光を体から放つ英雄か。(ってちょっと褒めすぎ。生意気ロジャースなんだけど)

テンポ。クイックリリース。時間を無駄にしないすばやい攻撃を重ね、50ヤード付近からエンドゾーンへ大きなパスを放ってタッチダウン。20対10。歓喜の嵐に揺れるランボーフィールド。いや、すっご!!

ディフェンスが3プレイでパントに持ち込んだ後に2回目のタッチダウンで20対17。

ベアーズがゆっくり時間をかけ、フィールドゴールで23対17。残りは2分半。生意気ロジャースにとっては十分な時間。

自陣25ヤードから、2つのインコンプリートパスの後、3rd and 10。

前半スカスカだったオフェンシブラインが耐えて耐えて耐え抜いて、ボールがロジャースの手を離れるまで4.34秒。

「自分のルートを走っていた。だけどリズムとタイミングがかみ合わず、いつものようにボールを受けられない。そんな時はスクランブルモードになるんだ。空いてるところを探すのさ。で、それを見つけてアーロンの方を振り返るとボールはすでに空中だ。心の中で叫んだよ。おい!ボールが来るぞ!飛んで来る!」

と語るWRランドール・コブ。セーフティと争いながらもボールをキャッチし、エンドゾーンに向かって走り続けました。

「緑の芝生しか見ていなかった。走るだけ。陸上をやってた時に戻ったみたいだった」





4:17 が、その同点タッチダウンなんですが、ちょっとみなさん、52番カリル・マックに注目してください。グリーンベイ25ヤード付近でQBロジャースにパスラッシュをかけていると思ったら、フィールドの反対側へWRコブを追いかけて猛ダッシュ。ゴール前でタックルしようと飛び込んでる!すっごーーーーーーーーー!!

いやいやいやいやいや、すごすぎるだろうこの執念。

実は、このタッチダウン直前のプレイが、あわやインターセプトというドロップでした。


悔しいことでしょう、このCBフラーさん。これ取ってればベアーズの勝ちだった。でもしょうがない。ランボーの神様がロジャースについてたんよ、この時は。

という奈落の底から天国まですべて経験したみたいな、ジェットコースターに乗って昇ったり下ったりしたみたいな試合でした。チェー、ロジャースやってくれるわ。帽子をとって敬礼するしかないか、こんなの見せられたら。

試合後のヒーローインタビューではニコニコして嬉しそうでした。あら、ちょっとカドがとれたんでしょうか。来週の試合も出ると本人は言っていましたが、チームとしての正式発表はまだこれからです。

で、その翌日にですね、パッカーズの3番手QBでもあるルーキーのティム・ボイルくんが、ロジャースの大ファンなもんだから、先輩の名前入りのジャージを着ているという話があったんですよ。


月曜日、ロジャースのジャージを着て練習施設から出てきたというボイルくん、パッカーズの店で150ドル払って買ったそうです。社員割引はあったのかと聞かれると

「ちょっとはね。それでもまだ高かったよ」

という答え。自分の背番号は8番ですが、12番がむっちゃカッコイイので12番を着たいらしい。ドラフト外でパッカーズに入団、ロジャースと一緒に練習中とのことです。ぜひ、先輩にかわいがってもらってほしいです。頼むよ、先輩。

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UPDATE

試合後のインタビューで、なんかニマニマしてるなぁと思っていたアーロン・ロジャースですが、カドがとれたんじゃなかったです。

強い鎮痛剤が効きすぎてハイになっていたのかも。


このホワンとした目。どろんとした喋り方。知らず知らずのうちにゆるむ顔の筋肉wwwいや、そうかもしれません。

ロジャースさん本人は、「鎮静剤なんか打ってない。薬とか嫌いだ」と後日語っていましたが。そうか、そうなんですか。最後のニマニマ顔むっちゃ良いですよね!

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