しかし、オクラホマ大学でベイカー・メイフィールドとカイラー・マレーをコーチしたHCリンカーン・ライリーさんは、小柄な2人の体型を全く懸念することなくプレイコールを選んできたと語っています。
昨シーズン、マレーくんのパスは377回。そのうち336回、約9割がポケットからのパスでした。193 cm から196 cmのオフェンシブラインを前にして、その向こうのレシーバーを見分けてパスを放っていたわけです。今年のドラフト有力候補QBダニエル・ジョーンズ(196 cm)がブロックされたパスは12、QBドリュー・ロック(193 cm )は8。それに対してぐんと小さいマレーくんがブロックされたのは5つのみ。
脚が速いからという理由で次のラマー・ジャクソンを、マイケル・ビックを育てようとはリンカーン・ライリーさんは考えませんでした。次のレベルで成長できるよう、ポケットパサーとして鍛えてきました。
「ベイカーの時もカイラーの時も同じようにやってきた。彼らの身長が190 cm未満という理由で『ランで行くぞ、このスキームだ、これはできないからあれを』と言った覚えはない。そんなことは考えてこなかった。プロのコーチもそれを懸念することはないと思う。
彼のスピードは規格外だ。NFLで最高速のクォーターバックになるのは間違いない。それだけじゃない。身体能力に優れ、敏捷性もエリート級、そして試合を読み取る感覚も備えている。試合を理解し、重要な局面やファーストダウンが必要な時を知っているんだ。
不必要なヒットは受けない。もちろん少しは耐えられる体だ。比べるのは褒めすぎかもしれないが、バリー・サンダーズのようだ。『そう、体は小さくても運動神経抜群で、おまけに賢い。ビックヒットは受けないのさ』
カイラーは、ベイカーよりもかなりヒットを回避している。受けるヒットの数はとても少ない。試合後に体が打ちのめされていることがほとんどない。怪我をしない。要領がいいんだ。スピードもホームラン級、敏捷性もホームラン級という、滅多にない技能を備えている。
彼のようなアスリートをドラフト指名して、その運動能力を利用しない手はあるかな?そのとおりだと思う。しかし、彼は75パーセントのパスをポケットから出すとしても、NFLで大成功する選手になるだろう。ポケットからも勝てる。それが彼のユニークなところだ。
試合を読み取る力に優れている。状況を的確に判断できる。これまでにたくさんの試合を経験している。NFLでも、相手チームにとっては手強い選手になるはずだ。
ベイカーは感情を表に出しエネルギッシュ、言いたいことはハッキリ言う。カイラーはそれに比べると静かな厳しさがある。影響力は同じだ。他の選手は、ハドルの中で勝利を信じることができる」
というリンカーン・ライリーさんのお話です。ライリーさんは若干35歳。2015年にオクラホマ大学のオフェンシブコーディネーターに就任し、2年後にはヘッドコーチに抜擢されました。1年目はベイカー・メイフィールド、2年目はカイラー・マレーがハイズマントロフィーを受賞するという、なんか株急上昇のカレッジコーチ?(よく知らないけど)
身長もそうですが、華奢な体型も心配されたカイラー・マレーくんはNFLコンバインに向けて増量に務め、86 kgだった体重を93 kgまで上げたと報道されています。
40ヤードダッシュに参加するかは未定ですが、もし走るような事があれば、注目を浴びること間違い無し。ちなみにマイケル・ビックは4.33秒、オデル・ベッカム4.43秒、フリオ・ジョーンズ4.39秒を記録しています。
NFLスカウティングコンバインは2月26日から3月4日までインディアナポリスで開催されます。
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