2019/02/02

ショーン・マクベイ家とジョン・グルーデン家のなが〜い付き合い

30歳でロサンゼルス・ラムズのヘッドコーチとなり、33歳で史上最年少のヘッドコーチとしてスーパーボウルに乗り込むショーン・マクベイ。革新的なオフェンスでラムズを先導し一躍時の人となりました。NFL入りは大学卒業後すぐ。当時タンパベイ・バッカニアーズのヘッドコーチだったジョン・グルーデンがスタッフとして雇ってくれたのでした。

エネルギッシュでなにかと話題の多いとグルーデンと、出世街道まっしぐらのマクベイは、じつは祖父の代から深い縁があった――ということをレオさんから聞いたので調べてみました。世の中って、いろんなことが巡り回っているんですなぁ・・・。

ショーン・マクベイの祖父ジョン・マクベイは現在88歳。高校のフットボールコーチから大学へと経験を重ね、1970年代にはニューヨーク・ジャイアンツのヘッドコーチを2年務めました。1980年にサンフランシスコ・49ersの副社長となり、HCビル・ウォルシュと共に49ersの黄金期を作り上げ、スーパーボウルで5回優勝しています。


祖父マクベイが、デイトン大学時代にアシスタントコーチとして雇ったのが、ジョン・グルーデンの父ジム・グルーデン。

ジム・グルーデンがインディアナ大学時代に雇ったのが、祖父マクベイの息子でありショーンの父となるティム・マクベイ。

1990年には49ersフロントオフィスの祖父マクベイが27歳のジョン・グルーデンをオフェンシブアシスタントとして採用。

また、時代を遡ること1979年ドラフトでは、あの名QBジョー・モンタナをめぐってこんな話が。

49ersのHCウォルシュは、2巡目が終わってもモンタナが指名されないことが不可解でした。モンタナ在籍中のノートルダム大学には、かつて祖父マクベイのアシスタントを務めたジム・グルーデン(ジョンの父)が働いていました。

「電話をして、なぜこんなことになっているのか聞いてくれ。なぜ誰もモンタナを取らないんだ?」

とウォルシュに頼まれた祖父マクベイが「彼はそれほど速くもないし腕力もないよね」とグルーデンに電話をしてみると、「指名したほうがいい。今すぐに取れ」という答え。

ジョー・モンタナは3巡で指名され、サンフランシスコに4度のスーパーボウル優勝をもたらしました。最後の優勝が1989年で、この時ショーン・マクベイは3歳。

アトランタ郊外で育ったショーン・マクベイは、49ersがファルコンズ戦に訪れると、練習を見学し、チームバスに同乗しました。試合前にQBヤングがタオルを放ってくれたことも。

高校ではクォーターバック、大学でワイドレシーバー、キックリターナーとして活躍し、大学最後の年に友達と一緒にNFLスカウティングコンバインが行われていたインディアナポリスまで車を飛ばしました。

NFL関係者が宿泊しているホテルへ行き、祖父マクベイが、かつて49ersで雇用したジョン・グルーデンのドアをノック。頼み込んで、バッカニアーズのクオリティコントロールアシスタントの職を得ました。(クオリティコントロールとは、試合に備えてフィルムを準備したり、スタッツを分析したりする係)

ワイドレシーバーコーチのアシスタントも務め、当時のベテラン選手から可愛がられていた様子です。

「みんなショーンが好きだったよ。始めたばかりで、いろんなことを学んでいた。頭が良くてミーティングでは静かだったが、フィールドに出るとジョン・グルーデンの真似をしてるみたいだった。活気のあるところや態度なんかが。見た目はそっくり。でも中身は違うよ。グルーデンのことはよく知ってるからね」

「グルーデンよりやさしいね。ショーンが選手に怒鳴るとこなんか見たことない。ゴフがヘマしたときの対応を見てみろよ。落ち着いて、理解を示しているだろう。感情的にならないんだ。いいと思うよ。選手に好かれて、成功するヘッドコーチになるだろう」

と、バッカニアーズのかつての選手マイケル・クレイトンさんは語っています。

さて、2008年シーズン後はグルーデン、マクベイ共に解雇され、ジョン・グルーデンはテレビ解説者へ。ショーン・マクベイは、今はなきユナイテッドフットボールリーグのチームへ就職。ジョン・グルーデンの弟、ジェイの下で働きました。翌年にはワシントン・レッドスキンズに採用され、ジェイ・グルーデンがヘッドコーチに就任すると28歳でオフェンシブコーディネーターに抜擢される―――というようなこれまでの経過です。

今年のスーパーボウルが開催されるのは、アトランタのメルセデス・ベンツ・スタジアム。ショーン・マクベイにとってはホームタウンでの大舞台となります。高校時代の友人や親戚が観戦に訪れるでしょうし、マクベイじいちゃんも応援することでしょう。可愛い孫やからね。

スーパーボウルはどちらが勝つのでしょうか。私はどっちも応援しないけど、ペイトリオッツが勝つんじゃないかなと思っています。だって、なんといってもベリチック師匠はあなどれんじゃないですか・・・。

2 件のコメント:

  1. リクエストに答えて戴きありがとうございます。さっすがはるさん、わかりやすい。文章上手くて尊敬してます。

    飛ぶ鳥落とすあのお方も、血筋がいいとはいえ(やはり)ぱしり君の時代があったのですねw。すぐに出世したのだろうと思うけど。

    もう彼がラスボスになったと思うのですよ。今回は勝てないとしても。うちらN界の人間にしては先行き暗い。まだ若いですからね~。地区優勝さえ怪しいのに、その上彼を倒さないとSB行けね~。やだやだ。

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    1. マクベイさん今回は完敗でしたけど、さらに力を蓄えてもどってくるんじゃないでしょうか。でもラムズだっていつもスター選手ばっかり揃えるわけにはいかんでしょうからね。
      あら、ラマー・ジャクソンびいきのレイブンズファンじゃないんですか?

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