2021/09/23

【第2週】第4クォーターで14点差が水の泡と消えた タイタンズ@シーホークス戦

NFL第2週、シアトル・シーホークスはホームにテネシー・タイタンズを迎えましたが、リードした試合を詰め寄られ延長戦にもつれ込み、最後はフィールドゴールを決められて30対33で惜敗となりました。んーもー、なんなの😩

via GIPHY

前半は快調だったんですよ、ええ。QBウィルソンからWRロケットの美しいパスも相変わらずバッチリ決まってたんです。2ミニッツを切ってからは、パスがすぱすぱ決まってランも出て、7プレイ75ヤード48秒という目の覚めるようなドライブも披露。ディフェンスだってファンブルをリカバーしてさ、それをオフェンスがタッチダウンで返した時には、この試合もらい!と思いましたよね。

前半を終わって24対9とリード。

第4クォーター残り13分で30対16。

タイタンズはレシーバーのドロップも多かったし、かかとが出たとか判定されてタッチダウンも取り消されてました。シーホークスとしてはラッキーな面もあったので、ツイてるかもねェなんてのんびりしていたら、ドシンドシンという足音がとどろきました。

ヘンリー王のお通りーー!

走られました。もー思う存分。182ヤード3タッチダウンというタイタンズRBデレク・ヘンリー陛下。

前半は出鼻をくじくことに成功していました。しかし、一度フルスピードになった彼を一体誰が止められるのか。線路を超えて暴走する機関車のようではありませんか。

ヘンリーだけではありません。ランの道をつくるため、他の選手がブロックして手助け。ということをこちらのビデオで紹介していました。フットボールってまさにチームスポーツの極みという感じ。

チームスタッツをを見れば、やられまくりで、前半は勝っていたことが信じられません。

Team Stats

  • Total Yards

    • TEN532
    • 397SEA
  • Turnovers

    • TEN1
    • 0SEA
  • Possession

    TENSEA
    22:4242:33
  • 1st Downs

    • TEN33
    • 17

そしてそして、7点差と詰め寄られながら、何もできなかった攻撃陣。2回連続で3 and Out 。試合時間残り24秒、同点でボールが回って来ましたが敵陣まで攻めきれず。

延長戦では、ディフェンスが相手をパントに持ち込んだというのに、あっさりと3 and Outで撤退。

ショボすぎるううううううううう!フィールドゴールがなぜできない!ぐおおおおおおお!

加えて、くっだらねーペナルティが多すぎでした。反則10で計100ヤードのロス。100ヤードですよ、ひゃく。

今シーズンはトーンティングが厳しく罰せられています。下のプレーは、パスがインコンプリートだったのに、トーンティングで15ヤードを献上。

相手に向かって喝を入れたらダメなんだな。誰もいない空間に向かって怒鳴ってればいいのか。なんだかなーという気はしますが、反則になっちゃうなら守るしかありません。

ということで、思いっきりガッカリな、不安材料を多く残した試合となりました。

次戦はミネソタ・バイキングス戦です。2連敗してますから、気迫でぶつかってきますやん。2戦とも僅差ですから、実力はあるはずですやん。

しかし弱気になってもしょうがない。仕切り直して、今度はぜひ勝利を掴んでほしい。もうガッカリするのはいやだーーー❗レッツゴーー❗❗

2021/09/18

テイラー・ハイニキの伝説は続く ジャイアンツ@ワシントン・フットボールチーム

 先週に続き好試合となった今週のサースデーナイト。ニューヨーク・ジャイアンツ対ワシントン・フットボールチーム戦は、ワシントンが最後のフィールドゴールを決め29対30で勝ちました。

素晴らしいタッチダウンがあり、ドロップがあり、インターセプトが、ファウルで後退が、フィールドゴールの失敗が。いろんなミスがあり、それが試合を面白くしてくれました。これぞフットボールの醍醐味。うむ。

ジャイアンツのクォーターバック、ダニエル・ジョーンズくんも投げて走って大活躍。しかし、どんなにいいプレーをしても、なんかドンくさい感じがするのは何故なのか。足がめちゃ速いのに転ぶ姿が目に浮かぶ・・・。不思議な人です。

試合を分けたのは第4クォーター残り6分での、このプレイ。これでジャイアンツはガクンと気持ちが落ちたような気がします。

さて、この試合のMVPはなんと言ってもワシントン・フットボールチームのQBテイラー・ハイニキくん。

昨年のプレイオフ、ワイルドカードでいきなり先発し、のちにスーパーボウル優勝となるタンパベイ・バッカニアーズ戦で奮闘した彼を覚えていますか?

背番号を指差すチェイス・ヤングくんもナイス❗

歴史を紐解けば、ハイニキくんは2015年にドラフト外でミネソタ・バイキングスへ入団。4つのチームで解雇された後、XFLでバックアップ。大学に戻って勉強していたところ、ワシントンからお呼びがかかったのが昨年12月。ワイルドカードでQBアレックス・スミスに代わって先発し、今シーズンはQBフィッツパトリックが負傷したため、この試合先発に抜擢されました。

「去年の今頃は勉強してた」という人が、NFLで通用する選手であることを証明してみせました。

インターセプトもあったけど、そんなものには動じません。最後のドライブで逆転勝利を呼び込むんだからすごい。

チームもファンも新しいQBを盛り上げているようでした。チェイス・ヤングくんは去年からずっとハイニキ推し。

第4クォーター終盤のクライマックスはこちらで見ることができます。

もともと先発だったQBフィッツパトリックさんの復帰がいつかはわかりませんが、活躍が続けば、ハイニキくんが先発を奪うのかもしれません。ワシントン・フットボールチーム、来週はバッファロー・ビルズと対戦です。これも見たい。

見たい試合がいっぱいあって、なかなか大変な、しかし嬉しいフットボールシーズンです❗

2021/09/15

【第1週】ウィルソンの4TDで開幕勝利を飾った シーホークス@コルツ戦

みなさんこんにちは。NFL2021年シーズンが始まりましたね!シアトル・シーホークスはインディアナポリス・コルツと対戦し、28対16で勝利を収めました。勝ち星スタートでホッとしています。

前半を終わって21対10とリード。快調にタッチダウンを決めていたので、比較的安心して観戦できました。ヤキモキすることのない、こんな試合は久しくなかったよね・・・。いつ以来なんだろう・・・(遠い目)。

QBウィルソンは完璧な仕上がりでした。期待を裏切らないプレイの数々。すごいですね。10年もこれを続けるなんて。ほんと感心します。今シーズン初タッチダウンをキャッチしたのはWRタイラー・ロケット。相変わらず魅せてくれるじゃないですか。上から落ちてくるボールに合わせて体勢を変えながらのスーパーキャッチ。

「ホールディング、ディフェンス、ペナルティディクライン、タッチダウン」って自分でやってるのもかわいい・・・。

第2クォーター残り41秒では、サックされて1st and 20となってから、大きなムーンボールでタッチダウン。

初戦からこんなプレイを見せてもらって、もー、フットボールって本当にいいですね。

ファンブルがひとつあったものの、RBカーソンも力強い走りを披露していました。スタッツを見ますと、パス23回、サック3回、ラン26回とバランスのとれた攻め方で、プレイコールにも工夫が見られます。

新しいOC(オフェンシブ・コーディネーター)シェーン・ウォルドロンさんがかなり有能なのでは。昨年はロサンゼルス・ラムズのパッシングコーディネーターをしていた方です。ああ、今シーズンのオフェンスがどうなるのか、めちゃ楽しみ。

ディフェンスは、パスラッシャーがコルツQBウェンツを苦しめていました。昨年のコルツオフェンシブラインはかなり良かったと記憶してるので、これは意外。デプスがあるという噂のシーホークスのディフェンスラインに、大きな期待が膨らんでいます。ぽわ〜ん・・。

この試合のベストプレイはこちらでも見ることができます。個人的にはTEディスリーのスティフアームが結構好き❤

今年のNFC西地区は強豪がひしめき、激しい闘いとなるはず。第1週は揃って4チームが勝ち星を上げました。勝てる試合は勝ってかないと、後が怖そう。

次はテネシー・タイタンズとホームで対戦です。今週アリゾナ・カーディナルスが38対13で下した相手なので、シーホークスも負けるわけにはいかん。2勝目指してレッツゴーーー❗❗❗

2021/09/04

トム・ブレイディが語るハードヒットとクォーターバックの責任

みなさんこんにちは。お久しぶりです。いよいよNFL開幕間近!わーい!ブログもバンバン更新したいと思います。(自信ないけど)とりあえずリハビリに励みます・・・。

さて、先日タンパベイ・バッカニアーズのクォータバック、トム・ブレイディ選手が、ハードヒットとペナルティに関して話していました。

「NFLがヤワになった」というのは、よく聞かれる言葉です。もともと激しくぶつかり合う競技でありながら、近年はタックルやヒットに対する罰則が厳しくなりました。クォーターバックにぶつかっただけ、レシーバーにハードヒットするだけでファウルを取られる場面がよくあります。

安全な試合にしたい、クォーターバックを守りたいというNFLの趣旨は十分理解できます。怪我はないほうがいいし、大スターであるクォーターバックが負傷して欠場となれば視聴率もガタ落ちするわけですから。

罰則が厳しくなることで不利になるのはディフェンス。一方オフェンスの選手はこれを歓迎しているのかと思いきや、実はそうではないと話しています。

「クォーターバックにはボールを投げてはいけない場所があるんだ。レシーバーがヒットされて怪我してしまうから。

例えば、かつてレイ・ルイスと対戦した時、僕はフィールドの真ん中には投げなかった。うちのレシーバーは体が小さいし、彼がヒットしたらレシーバーは試合に出れなくなる。

今、ハードヒットはすべてペナルティになる。これは、オフェンスの誤りをディフェンスに罰則として課しているような気がする。

ベアーズの試合を見ていたら、クォーターバックがヘマをした。ブリッツが見えなかったのか、オフェンシブラインが悪かったのか分からない。ディフェンスの選手が突進してヒットし、ディフェンスのペナルティになった。

 自分とチームメイトを守るのはクォーターバックの責任だ。対戦相手に委ねるものじゃない。

この罰則が悪い習慣を生んでいる。オフェンスの選手は何をしてもいい。走る。スライドしない。カバレッジを気にせずパスを出す。失敗したらディフェンスのせいにすればいい。たとえクリーンヒットであっても。

オフェンス側の失敗と知りながら、ディフェンスは「このヒットはできない」と思うだろう。それがフットボールにとって良くない結果を招いている。

かつてはもっとレベルの高いプレイをしていた。試合の質が低下している。どのようにプレイすべきか、フットボールの基本と論理を選手に教えなければならない」

なーるほど。そうなんですか・・・。最近の試合しか知らないけど、深くうなずいた次第です。

レイ・ルイスさんはかつてボルチモア・レイブンズでプレイしたラインバッカーです。ハイライトはこちら。

ベアーズのQBって誰かな、プレシーズンだからジャスティンくんかな、ルーキーだからねぇ、なんてことも気になりました。

今シーズンは9月9日、ダラス・カウボーイズ対タンパベイ・バッカニアーズ戦で開幕です。スーパーボウル優勝のバッカニアーズは主力選手がチームに留まり、今年も有力候補と言われています。昨年バッカニアーズと2年契約を結んだQBトム・ブレイディは今年45歳。あと数年タンパで現役を続けたいと語っています。

数年?!さっさと引退してくれて一向に構わないんすけど❗❗

2021/05/02

【ドラフト2021】もしかして見逃したかもしれない1巡名場面

本年のドラフトが終わりました。3つしか指名権がなかったシーホークスは、そのまま3人の指名で終了。ドラフト外フリーエージェントで数人契約するようです。ルーキーの皆さん頑張って!

もー、選手の数が多くて正直何がなんやら分かりません。が、この晴れの日を少しだけ振り返って見たいと思います。

1位ジャクソンビル・ジャガーズが指名したのは、クレムゾン大学QBトレバー・ローレンス。

さすがに嬉しそうな表情でした。めちゃ緊張してた様子。本命とずっと言われていたから、やっと終わってホッとしたことでしょう。

ジャクソンビルのスタジアムでも1位指名のお祝いが。祭りだ祭りだー🎉🎉🎉🎊🎊🎊

2位ニューヨーク・ジェッツはブリカムヤング大学QBザック・ウィルソンを指名。

なぜこんなに幼い顔をしているのか。コワイ先輩に混じって戸惑う中学生のようじゃないか。ユタの田舎からニューヨークという都会に出てやっていけるのか。たくましく成長してほしい。いや、でもその無垢なところを失くさないで、と思わず悶々としちゃいます。

3位サンフランシスコ・49ersは、ノースダコダ州立大学QBトレイ・ランスを電撃指名。

今年の1巡と3巡、さらに来年、再来年の1巡をマイアミ・ドルフィンに渡し、全体3位指名権を得たナイナーズ。フランチャイズの未来を託すQBは誰なのか注目されていました。

指名権のトレードが行われたのが3月末ですが、GMリンチとHCシャナハンは、ドラフト3日前まで、誰を指名するか相談しなかったそうです。お互いの意見に影響を与えることを避け、ワークアウトやズームでの選考を進めました。

さて、ここからとびとびに行っちゃいますが、

6位マイアミ・ドルフィンズはアラバマ大学WRジェイレン・ワドルを指名。

昨年は10月に足首を骨折しましたが、1月の全米チャンピオンシップ戦に復帰。爆発的な速さのリターンスペシャリスト。指名の電話を受けると、歓喜に湧く家族に目もくれず、するりとグリーンルームを抜け出しました笑。

7位デトロイト・ライオンズはオレゴン大学OTペネイ・スウェルを指名。

アメリカ領サモア出身のオフェンシブラインマンは、デカくて速い。ドラフト前からプロボウル選手確実と評価されていました。指名に成功したライオンズGMは狂喜。こんなに喜んでくれるといいですよね〜。お兄ちゃんも喜びが爆発してました。

11位はシカゴ・ベアーズがトレードアップして、オハイオ州立大学QBジャスティン・フィールを指名。

今年の1巡と5巡、さらに来年の1巡と4巡をニューヨーク・ジャイアンツに渡し、20位から11位まで上がっての指名です。オシャレ〜な感じのお部屋にオシャレ~な感じの姉妹が3人いましたよ。妹さん顔がソックリじゃん。













クイティ・ペイ









Caleb Farley


via GIPHY











2021/04/26

無口なHCベリチックとジュリアン・エデルマンの深い絆

先日、ニューイングランド・ペイトリオッツのWRジュリアン・エデルマンが引退を発表しました。小柄な体格ながら、鉄砲玉のようにぶっ飛んでいく姿や、ACLをやった時に「チックショウ!」とヘルメットを地面に投げ捨てた姿が目に浮かびます。ガッツのあるプレイが魅力でした。

昨年オフシーズンの膝手術から回復できなかった結果ですが、その2年前にもACLを痛めているし、身体はもう限界だったのでは。年齢を重ねてから後遺症が残りそう・・。フィールド上に自分のすべてを置いてきたのだと思います。

大学時代はクォーターバック。カナダのフットボールリーグからQBとしての誘いもありましたが、NFLへ挑戦するためレシーバーに転向。ドラフト7巡で指名された後、じわじわと力を発揮しチームのスターに。スーパーボウルMVPも受賞しました。

不屈の闘志で成り上がったジュリアン・エデルマンは、自分の始まりをこんなふうに語っています。

「クォーターバックだから、ウエイトトレーニングはしなかった。それで、ユークリッド(オハイオ州)の練習施設でウエイトを上げ、トレーニングを始めた。2週間後にチャーリー・フライ(元NFL選手・現在ドルフィンズQBコーチ)がやって来た。彼がレイダースに行く前の年だ。NFLクォーターバックの球をキャッチして、驚愕したよ。

彼と彼の練習仲間がいて、僕をコーチしてくれた。彼らの練習を見て僕は技術を学んだ。1日に55ルート走ったよ。次第に自信がついてきた。練習一筋。生きるか死ぬか。そんなふうに3ヶ月特訓した。チャーリーは僕のプロディでも投げてくれた。

だけど、僕が何か誰も分からなかった。チーム練習に招待され、スティーラーズではバックペダルをした。セーフティで使えるかと。クリーブランドでは2、3のポジションを試した。ペイトリオッツではランニングバックのドリルや、プロテクションを試された。

1週間後にスペシャルチームのコーチに呼ばれて、今度はパントやキックオフをキャッチできるかテストされた。いろんなチームで、様々なワークアウトをした。シカゴやマイアミ、49ersとは何度も会った。

ドラフトが6巡になると、数チームが急に電話をかけてきた。「指名はしないが、200万円でフリーエージェント契約しよう」と。4つか5つそんな電話があって、エージェントは「パッカーズがフィットすると思う。パッカーズに行こう」と話していた。

7巡でエリアコード508(マサチューセッツ)から電話がきた。ベリチックのアシスタントだったと思う。「ジュリアン。ニューイングランド・ペイトリオッツだ。君を指名する。ベリチックコーチに代わるよ」と。

座っていた僕は、気が動転した。ビル・ベリチック!「やあ、ジュリアン。君は、まあその、良い選手だ。君が何をするか分からないが、ルーキーキャンプで会おう」と彼が言い、「もちろんです、コーチ!お会いします!」と答えた。

1年目は大変だった。トム・ブレイディだけじゃない。チームにはランディ・モス、ウェス・ウェルカー、ジョーイ・ギャロウェイがいた。スペシャルチームのサム・エイキンズ、トレードで獲得したグレッグ・ルイス。レシーバールームで他の9人と座り、計算してみた。このうち何人を残すんだ?10人のはずはない!

試合のスピードが違う。違いすぎることばかりだ。だけど、自分はここに属する人間だと演じなければ。でないと、誰かが自分に取って代わる。

チームが求めるのは、何でもできる、精神的にタフな選手。それを先輩から学んだ。ケビン・フォーク、トム、ウェス・ウェルカー。僕にビッタリのチームだ。僕はその通りの選手だから。

NFLは、精神的に戦闘の準備ができていなければ、負ける。僕は準備万端だった。毎週の戦いに。

自分を信じることだ。雑音を無視し、成すべきことに集中する。ただ頑張るだけじゃない。コーチや先輩の助けを借りて、自分に不足しているものを見極め、努力する。

人なら誰でも自分を疑う時がある。否定する人もいる。それを遮断し、力を尽くす。少しでも力があり、上手くなりたいと思うなら、真剣に努力するんだ。やれないことはない。僕がその生きた証拠だ」

不屈の魂がユニホームを着て歩いているようなジュリアン・エデルマンでした。

彼の引退を受け、ニューイングランド・ペイトリオッツHCビル・ベリチックさんは、「私がコーチした選手の中で、最も成長した選手」と称賛しています。

常に仏頂面で、余計なことは一切言わない方が、こんなに誰かを褒めるなんて、今まであったでしょうか。

「エリート選手のキャリアを測るものとして、勝利、チャンピオンシップ、結果が挙げられるが、ジュリアンはその全てを持っている。ジュリアンほど業績を残した選手はまれだ。彼の来た道、選手生命を考えると、その数はもっと少ない。歴史的である。彼の競争心、精神的、肉体的強靭さ、上を目指す意志がもたらしたものだ。

来る日も来る日も、ジュリアンはいつでも同じだった。全力のみ。そして、重要な試合で、チャンピオンシップの瀬戸際で、彼はそれ以上の力を発揮した。チームのために何でもした。キャッチ、ラン、ブロック、リターン、カバー、そしてタックル。どんな場面でも、負けまいとする強い姿勢で戦った。ジュリアン・エデルマンは究極の挑戦者だ。コーチできたことを光栄に思う」

こんなに褒められちゃってもう、どうしよう。ジュリアンどっかで泣いてるんじゃないの。

なんつったって、めったなことでは口をきいてくれないコーチなんです。10年間の選手生活で、ベリチックさんと言葉を交わしたのは8回しかないとか言ってました。こちらの動画で。

夜の10時、11時まで練習施設にいるのが好き(!!)と語るエデルマンが、プロ1年目の出来事を告白しています。

「真っ暗なウェイトルームに誰がいるのかな?とのぞいてみると、そこにビルがいた。(0:58)

スクリーンにはフィルム。大きなノートを広げ、耳の横には鉛筆。トレッドミルの上でメモを取ってるんだ。夜11時だから他には誰もいない。信じられないよ。狂ってる。

僕は急いで逃げ出した。見つからないようにね。

その後、ジャグジー部屋を通りかかると、ジャグジーの中にコーチがいた。(1:40)

もちろん僕も入りに来たんだが、そこで目が合った。本能的に、振り向いて立ち去ろうとした。けど、彼は僕に気がついた。そして立ち上がり、出ていった。

本当はみんなショーツを着用する決まりなんだ。だけど夜11時だし、コーチ御大だ。なんでも認められる。僕は、自分の恐怖に慄く顔を隠さなきゃならなかった。ソレを見てしまった時は。

僕もジャグジーに入ったんだが、変な気分だった。トランクスなしで入る人がいるなんて知らなかった。公共物なんだよ。だけどコーチだ。スーパーボウルのリングを3つ持っている。

もうコーチには会わないで帰宅したかった。だけどホールでまた会ってしまった。(3:43)

彼の一歩後ろを僕は歩いた。それ以上でもそれ以下でもない。無言のまま、30メートルくらい。この夜の出来事、すべてが信じられなくてね、ちょっと話しかけてみようと思いついた。

『コーチ、こんな夜遅くまでいるなんて、すごいですね』

彼は振り向き、こう言った。『配管工よりいいだろ。また明日』

僕の頭は混乱した。どう考えたらいいのか。彼は何を言ったのか。僕は怖いくらい幸せで、涙がひとすじ流れたと思う。だって、これがコーチと初めての会話だったんだ。

いや違う、2度めだ。ルーキーの時にOTAでパントのキャッチを教えてくれた。けどそれ以外は『ヘイ、コーチ』『ヘイ、ジュール』。そんなかんじさ」

というエピソード、結構いいと思いませんか。

コーチ。ジュリアン。ふたりの間に言葉はいらない・・・・。

2021/04/21

アスリートにナニクソ根性は必要なのか トレバー・ローレンスの場合

みなさんこんにちは。NFLドラフトがいよいよ来週に迫りました。3つしか指名権のないシーホークスは一体どうする?とか、いろいろ気になっております。

今日は、全体1位指名確実と言われるクレムゾン大学QBトレバー・ローレンスくんについて書いてみたいと思います。先日、スポーツイラストレイテッド誌の記事で、「誰かを見返してやろうとか、そういう闘争心はない」と答えて、話題になってました。

例えば、6巡まで指名されなかった(ブレイディ)、背が低いためプロになれないと言われた(ラッセル・ウィルソン)、地元の49ersにスルーされた(ロジャース)、ワイドレシーバーへの転向を勧められた(ラマー・ジャクソン)、トルビスキーが先に指名された(マホームズ)、などなど。

「お前はムリ。ダメ」という烙印を押されたことで「クソ!チクショー!」と闘志をメラメラ燃やし、その結果、プロ選手として成功するパターンは多くあります。「侮った奴らにオレの力を証明してやる!」という気迫が、大きなエネルギーになる訳です。

ところが、ローレンスくんにはそれがない。

「ベストな自分になりたいからフットボールをする。自分の可能性を最大限に試したい。誰だってそう思うはずだ。じゃなかったら、自分を無駄にすることになる」

「説明が難しいな。フットボールには情熱を持っていて、それが僕にとって一番大切なことだ。だけど、何かを証明しようとか、誰かを見返そうとか、そんな気持ちはない。作れないし、作ろうとも思わない」

と言う彼。一方で、父親は

「彼は賞が欲しいわけじゃない。『何が何でもスーパーボウルを手に入れる』というタイプじゃないんだ」

と語り、彼をよく知る高校時代のコーチは

「明日フットボールをやめたとしても、普通に生きていくと思うよ」と、こだわりのない彼の様子を語ります。

エルウェイ、ペイトン・マニング、アンドリュー・ラック以来の有望選手と言われているトレバー・ローレンスは、幼少の頃からスターでした。

7歳で、すでに30メートルのミサイル弾を投げたといいます。

自分の息子をクォーターバックするつもりだったユースチームのコーチは、これを見て「この子と同じ町に住んでる限りクォーターバックはムリ」と、息子をワイドレーシーバーに。

トップレシーバーだったその息子も、成長するにつれ、ポジションの保持が難しくなります。ローレンスの球をキャッチしたいと、優秀な選手がぞくぞく集まってきたからです。

「いろんな所から編入生が来た。ついていくために一生懸命頑張ったよ。だけど中3の頃にはもう限界だった。みんな上手すぎた」

高校1年で先発QBとなり、先輩QBはタイトエンドに転向。試合の日は遠くから観客が押し寄せ、スタジアムは常に満席。立ち見席も出ました。試合後の地元レストランは大繁盛し、市長よりも有名な高校生に。

超エリート選手としてリクルートされ、クレムゾン大学に入学すると、4試合後には先発の座を奪い取り、1年目で全米チャンピオンに輝きます。

スター街道まっしぐら。挫折のカケラもありません。「ナニクソ根性」なんて生まれる余地はどこにもなし。

4歳年上の兄、チェイスくんの存在もあります。

仲が良く、弟のフットボールはもちろん応援しますが、スポーツには全く関心なし。個人的に知っている人が出場するわけでもない試合を観戦する人々がいるという事実が、彼には理解不能とのこと。

アートに興味があり、サイケデリックにも染まり、「まあいろいろやったけど・・人生をダメにはしてないさ」と語る、ヒッピー風の兄貴。

汗流して練習から帰ってきたら、カウチで兄貴が何か煙みたいなものを吸いながら「ヘイ、トレバー。元気かい?」なんつって映画なんか見てたら、どうします?いやー、人間っていろいろ、って思うしかないよね。

中学、高校と全米に名前が響き渡るにつれ、慢心も出るでしょう。その反面、悪口も多く聞くだろうし、そういうグチャグチャした成長期に「フットボールとかどうでもいい」という人が身近にいるって、安心するものじゃないでしょうか。

父親もまた、「神様はお前に素晴らしい才能をくれた。しかし、いずれはフットボールから得るものより、失くすものが多くなる。その時はやめなさい」と高校の時からアドバイスしてきました。

フットボールが大好き。才能も実力も自信もある。自分のベストを極めようと思う。しかし人生はフットボールだけではないことも知っている。って、なんと達観したルーキーでしょうか。

カレッジ最後の試合は全米選手権準決勝でオハイオ州立大学にボロ負けしました。「僕にできることはすべてやった。あの時点で、自分にもっと何かできるはずだ、と思うなら、それは自分が愚か」といたってクール。

ついこの間、長年の彼女と結婚式を挙げました。この時期の結婚に疑問を唱える人もいましたが、

「他人の目に奇妙に映るからといって、3年待つなんてことはしない。どうでもいい」

「ずっと一緒にいたい、結婚したい、生涯を共に過ごしたい人を見つけるって、誰にとっても重要なことだよね。それを僕たちはすでに見つけたんだ・・・最高じゃないか」

とも話しています。

下は2年前、大学のプレゼンテーションの様子ですが、「僕のヘアのお手入れ方法」というタイトル。

そんでタイトルの下に「トレバー・タッチダウンジーザス・ローレンス」と名前が。

自分をネタにするという、こういう客観的なところ、感心しちゃいます。外から自分を見れるって、大きな武器になるんじゃないかな。

とはいえ、ジャクソンビル・ジャガーズのQBになってですね、1年目からガンガン勝てるハズはないですよね?5連敗、6連敗とかなっちゃって、批判を浴びたりするでしょう?

そうなった時にどうするのか。カレッジでは2回しか負けたことがない人が、その苦境にどう立ち向かうのか、そんなところが見てみたい。

ジャガーズは、カレッジ出身のヘッドコーチ、アーバン・マイヤーが就任したことでも注目されています。いろいろ話題を提供してくれるでしょう。大いに期待したいです❗❗