2018/04/29

2018年シーホークスドラフト指名選手まとめ

3日間のNFLドラフトが終わりました。ふぅー。シアトル・シーホークスは、5巡でLBシャキーム・グリフィンを指名。まさかと思っていたけど、本当にこんなことが起こるんですね。嘘みたい。でも良かった!👏👏👏

それでは、1巡指名のラシャード・ペニー選手に続く、2018年シーホークスドラフト組を紹介します。

3巡(79位)DE ラシーム・グリーン 南カリフォルニア大学
もっと高い順位で指名されるはずの選手ですが、高校時代にACLを痛めていたことの不安から指名を見送られていたようです。シーホークスのチームドクターが2回検査を行い、問題なしと判断しました。大学ではインサイドでの起用が多かったのですが、本人はアウトサイドが好きだとのこと。

マイケル・ベネットが移籍し、クリフ・アブリルも多分引退、去年1番に指名したマリック・マクドウェルも交通事故からの復帰が困難――と、パスラッシャーが手薄になっているので、納得の指名ではないでしょうか。(えー、でもOラインは・・・?)

「込み入った問題は全くない選手。しっかりしている。20歳と若いのに、わざと髭をはやして年上に見せようとしてるみたいだよね」とGMシュナイダーさん。(リンク先の写真参照)

「最初の言葉が『明日行っていいすか?明日から練習していい?』だったよ。嬉しいね。大学では人気者だった。みんなに好かれていたよ」とHCキャロルさんが語っていました。


4巡(120位)TEウィル・ディスリー ワシントン大学
ええー、タイトエンド?!まあ確かにジミー・グラハム、ルーク・ウィルソンが抜けてはいますが、ここでTEとは思いませんでした。

地元ワシントン大出身。ブロックにかけてはピカいちの選手です。昨年は78回のパスブロッキングのうち、一度としてプレッシャーを許していません。もともとディフェンシブラインの選手でしたが、練習でパスキャッチして遊んでいたらTEにコンバートさせられたという話。

シーホークスは、フリーエージェントでもブロック上手なエド・ディクソンと契約していますから、ランゲームの復活に本気のようです。(でもOラインは・・・?)

5巡(141位)LBシャキーム・グリフィン フロリダ中央大学
みんなが待ち望んでいたこの指名。ドラフト1・2日目は会場控室に招待されていたシャキームくんですが、3日目はホテルの部屋に親戚一同が集合していました。ずーっと待っていて、ちょうどトイレに立った際に携帯電話が鳴りました。双子の兄シャキールが発信先の地域番号を見てトイレに突進、タックルしたそうです。喜びのタックル、いいっすね!

ということで指名の電話を受け取るシャキームくんと、弟を抱きしめるシャキールくん。

別のアングルでは、お母さんが泣き崩れているところが見えます。お母さーん、本当に良かったですね!みんな喜んでいますよー。

「そんでオレと住む?ダメ?」というのが、この後のシャキールくんの言葉だっだそうです。HCキャロルさんによると、ウィークサイド(ってどっち?)のラインバッカーで使う予定とのことです。

5巡(146位)CBトレ・フラワーズ オクラホマ州立大学
大学ではセーフティをのポジションでしたが、シーホークスではコーナーバックをするとのこと。リチャード・シャーマン、ジェレミー・レーン、デショーン・シードを失っていましたから、この指名も妥当かな。

腕の長さ32インチ(81 cm)以上がシーホークス CBの条件(らしい)ですが、この人は33 7/8インチ(86 cm)。昨年はチームトップの79タックル、2インターセプトを記録。2000年に1巡でバッファロー・ビルズに指名されたおじさんが親戚にいます。

「カムやアールを見て育ってきたんだ。リチャードがもういないのは残念だけど、チームの一員になることが嬉しい」とフラワーズくん。先輩を脅かす活躍をぜひ見せてほしいです。(しかしOラインはいつ・・・?)

5巡(149位)Pマイケル・ディクソン テキサス大学
トレードアップして獲得したのが、オーストラリア人のパンターです。高校までオーストラリアンフットボールの選手でした。60ヤードパントを頻繁に見せてくれるとか。2017年テキサスボウルでは、11パントのうち10パントが敵陣15ヤード内(敵陣10ヤード以下が7、5ヤード以下が4)という芸術的パントで観客を魅了しMVPを獲得しています。(このリンクで見てね)

シーホークスには、現Pジョン・ライアンがいますが、36歳という年齢、キャップヒット年3.2億円、また、昨年の飛距離平均45.0に対してディクソンくんは平均48.8ヤード、ということを考えると、世代交代は必須です。

5巡(168位)OTジャマーコ・ジョーンズ オハイオ州立大学
やっと来ました、オフェンシブタックルが。もう来てもらっただけで、誰でも嬉しいです。「3巡辺りの選手。昨年はRTイフェティがリーグ最高16ペナルティを犯しているので、すぐに代役となるかも」という解説者の声も聞こえます。なんでもいいから、とにかくQBを守ってね。お願いしまっす!
6巡(186位)DEジェイコブ・マーティン テンプル大学
もうひとりくらいOライン取ってほしい・・・と思いましたが、またもエッジラッシャー。「ラッシャーとしては小柄ではあるが、動きは素早くタフだ」というGMシュナイダーさんの評です。6巡を待つ、その気持ちを紛らわすために、スポンジ・ボブを見ていたところに指名の電話が入り、そのあと、涙が出てきたとのこと。お兄さんが現在ニューヨーク・ジェッツに所属するLBジョシュ・マーティン。2016年のカンファレンス決勝には、足を骨折しながらも出場したというタフな選手です。

7巡(220位)QBアレックス・マゴー フロリダ国際大学
ラッセル・ウィルソン以後、シーホークスが初めて指名したクォーターバック。大学では4年間ずっと先発でした。今年のドラフトでは計10人のQBが指名されましたが、マゴーくんはその9人目。マイアミ・ドルフィンズが興味を示していたと、ふと聞きましたが、ドルフィンズのQB指名はゼロでした。

以上、シーホークスのドラフト2018年組でした。彼らのほかにもドラフト外で何人か契約、また、ミニキャンプに招待される選手もいるでしょう。皆さん、頑張れー!ロースターに残って、フレッシュなプレイを見せてほしいです。

Oライン一人しか取ってないけど、これでいいんか?とも思いますが、まあチームを信じて見守っていくしかないです。しかしあれですね、指名のお知らせ電話って、みんな嬉し泣きしてくれて、GMって役得ですね。朗報を伝えるって、いい気持ちだろーなあ。シャキール・グリフィンに電話を入れた時は、ドラフトルーム全体が感動していたそうです。GMシュナイダーさんは電話をコーチの渡した後、ぐちゃぐちゃに泣いていたと、HCキャロルさんが話していました。

ということで、ルーキーはこれからが勝負!ガンバレーーー!!!


2018/04/27

シーホークスのドラフト1位はRBラシャード・ペニー

さてドラフト一日目。みなさんのチームはいかがだったでしょうか。シアトル・シーホークスは1巡18位の指名権をトレードダウンし、27位でサンディエゴ州立大出身のランニングバック、ラシャード・ペニーくんを指名しました。

ニューヨーク・ジャイアンツが2位指名したRBサキオン・バークリーに続いて、このポジション二人目の指名です。シーホークスといえば、オフェンシブラインが弱点だし、ディフェンスも人材流出が続いているので、CBかDE、もしかしてOTと思っていたら、なんとRB。

1巡で取るべき選手ではない、2巡か3巡が適当、という世間の声も聞きましたが、シアトルの首脳陣はこの人をどうしてもほしかったようです。18位でも指名しようと思っていた。27位にもトレードダウンの話が来たが、それを断って指名を行使。指名後には即、ペニーをトレードしてくれという話もあったと、GMシュナイダーさんが記者会見で語っていました。

「いいコ なんだよ」とシュナイダーさんが褒めれば、「スピードもある、ダイナミックな選手だ。それに謙虚でもある。スペシャルチームでも力を発揮して、タイラーの荷を軽くしてくれるだろう」とHCキャロルさんも興奮を隠しきれない様子でした。

リターナーとしても優れているというラシャード・ペニーくんの強みは、①コンタクト後に稼ぐヤード数と、②タックルをかわすこと。このカテゴリーではドラフトRB中1位となっています。ゴリゴリと走るタイプなんでしょう。いかにもシーホークスが好きそうなランニングバック。「ランゲームを確立するのが一番の目標だ」と数日前にHCキャロルさんが言っていましたが、本気でしたね。


大学での記録を見ると、最後5試合でいずれも200ヤード以上を記録し、1キャリーの平均が10ヤードって、すごくないすか?なんかすごく期待しちゃうなぁー。

ラシャードくんのお兄さんもランニングバックで、2年前にドラフト外でアリゾナ・カーディナルスに入団しています。同地区での兄弟対決があるかもですね。即戦力になりそうな気がします――っていうか、そうじゃなきゃいかん!昨シーズンは散々だったシーホークスのRB陣。走ってたのはQBラッセル・ウィルソンしか記憶にない・・・。今年はぜひ改善してほしいと思います!

2日目のドラフトでは一つしか指名権がないシーホークスですが、またトレードあるかもしれないし、いちおう全部で9人は指名できる予定です。オフェンシブラインを取ってほしいなー。ディフェンスもー。ということで、あと2日楽しみにしたいと思います。シャキーム・グリフィンがどこに行くのかも気になっております・・・。


2018/04/22

地元の星からNFLスターへ まっしぐら サクオン・バークリー

3月14日はサクオン・バークリーの日!ということで、ペンシルベニア州コプレイではパレードが行われました。今年のNFLドラフト超有望株、10年に一人の逸材、将来NFLの看板となる選手、とも評されるランニングバック、サクオン・バークリーくんが育ったのは、人口3000人程の小さな町ですが、この日は5000人の人が集まりました。

式典では、開催を決めた町の偉い人が「コプレイの歴史に残る、重要な日です!」と演説し、サインをもらう列には2時間半待ちという人も。警備員が中断させようとすると、「どうして?」と言ってサインを続けたバークリーくんです。


サキオン・バークリーくんが生まれたのはニューヨークのブロンクス。父親のおじさんがボクシング世界チャンピオンで、父親もアマチュアボクサーでした。しかし、強盗罪で悪名高いライカ―ズ刑務所に入ったこともある父親は、ドラッグ常用者で、出所後も更生できぬまま何度も逮捕されます。ギャングによる犯罪が多発する、こんな所で子どもたちを育てるのは危険すぎると、母親は親戚を頼ってペンシルベニア州行きを決意しました。

「一緒に来るなら来てもいい」と通達された父親は、ドラッグを止める決意をして家族に同行。しかし、ペンシルベニアでも生活は厳しく、両親は子どもたちを親戚に預け、しばらくホームレスだったこともありました。コプレイという町で落ち着いたのが2005年のこと。

ドラッグとはキッパリ手を切った父親ですが、「いや、1度だけやってしまった。2004年だったかな。ホームレスになって、どうすればいいか分からなかったんだ。4ヵ月程続いたが、それからは無縁だ」と語っています。

このお父さん、左腕にはニューヨーク・ジェッツの入れ墨があり、「このチームがね、苦しい時には、私を引っ張ってくれたんだ」とも。

「たくさんの人が僕の性格や態度を評価してくれているけど、それは両親のおかげなんです。こんなふうに僕を育ててくれました。二人がいてくれたことに感謝しています」とサキオン・バークリーくん。小さなころから、「大きくなったらお母さんに家を買ってあげるからね」と言い続けてきましたが、それが現実となるのももうすぐです。



上記のリンク先記事にバークリーくんの写真が何点かありますが、肩を組んで写っている白人の女の子がカイリーさんという中学校からの友達です。サキオンくんより2歳上で運動神経抜群。すぐ仲良しになって、連日カイリーさんちでサッカーボール取り合いの乱闘を繰り広げました。家具はメチャクチャ。サキオンがカイリーを投げ飛ばせば、カイリーがバックドロップを食らわせるという具合。

「コンカッションになったこともあったわ。私がカウチに頭を強くぶつけちゃって。でも私達はそんなの気にしなかった。タックルもしたし、ボールを取れるならどんなことでもしたのよ」

とカイリーさんは語っていますが、コワいですねぇー。でかい中学生、体を持て余して何やっとるんや。あー、コワッww

そんなバークリーくん、高校時代には陸上競技大会でこんな話もあります。

女子100Mハードルで1位になった選手が、記録時計の不備で再度決勝をすることに。しかし高跳びにも出場し、疲労がたまった足で臨んだ2回目の決勝レースでは8位になって涙を飲みました。この一部始終を見ていたサキオン・バークリーくんは、見も知らぬこの選手に自分が100Mで取った金メダルをプレゼント。

「この話を新聞社に言ったらサキオンは怒っちゃって」と言う陸上部コーチ。「彼は誰にも知られなくなかったんですよ。サキオンにはこう言いました。こんなこと誰もしないんだよ。こんな話は誰も聞いたことないんだよ、って」

彼の謙虚で実直な性格には、高校、大学のコーチも太鼓判を押すところ。高校卒業時にはディビジョン1の大学が自分にオファーくれるなんて信じられないと、一時ラトガース大学に在籍しています。結局ペンシルベニア州立大学に移籍するのですが、その際ラトガースのコーチやスタッフにひどく申し訳ないと思いました。「今でもね。彼はコーチへの電話を、ずっと悪かったと思ってるのよ」とカイリーさん。

そしてなんと、ドラフト前にはガールフレンドとの間に赤ちゃんが生まれ、新米パパとなる予定です。「彼がいいお父さんになるのは間違いないわ。正直、フットボール選手としてよりいいかも」とカイリーさんはここでも褒めまくり。

サキオン・バークリーくんはどこに指名されるのでしょうか?クリーブランド・ブラウンズが1位でクォーターバックを指名することになれば、2位のニューヨーク・ジャイアンツか。レシーバーにオデル・ベッカム、ランニングバックにサキオン・バークリーというジャイアンツって、見たいなあーーーー。

2018/04/17

QBにしておくにはもったいないかもしれないラマー・ジャクソン

今年のドラフトには将来を有望視されているクォーターバックが何人かいますが、そのうちの一人が、ルイスビル大学出身のラマー・ジャクソンくんです。なんといっても、抜群の運動能力。足がむっちゃ速いので、ワイドレシーバーに転向したら?という話もあるとか。

「いや、そんなこと聞かれていない。そんな話がどこから出たのか分からないな。僕はクォーターバックだよ」

と本人は答えています。もし転向するように言われたら?とコンバインで質問されると、「そんなチームには行きません」ときっぱり。

コンバインでのドリルの結果は、いっさい成績なし。40ヤードダッシュは走らないと聞いていましたが、みごとに全部パスしていました。走ったり飛んだりの記録が良すぎるとQBとして不利だと判断したのでしょうか。40ヤードダッシュに関しては、今年のクォーターバックの中でトップは確実で、過去を見てもマイケル・ビック以来の速さでは?と言われています。

大学入学当時、チームはクォーターバックを多数抱える一方、パントリターナーに困っていました。そこで、コーチはジャクソンくんの運動能力を見込んで、リターナーの練習をさせたそうです。すると、練習後にコーチのところへ電話が入りました。ラマー・ジャクソンくんの母親フェリシア・ジョーンズさんから。

あなたがラマーをほしいってスカウトに来た時、クォーターバックという話じゃなかった?パントリターナーって、クォーターバックとは大分違うんじゃないかしら?

フロリダの高校からケンタッキー州の大学に勧誘する際、コーチが親子に約束したことを改めて確認し、その後ジャクソンくんがリターナーの練習をすることはなかったということです。

似たようなことは高校でもありました。相手のポゼッション、ヘイルメリーパスの状況で、ジャクソン君の能力を知っていたコーチが彼をセーフティのポジションに起用すると、あとでジョーンズさんから忠告が入ったそうです。

「コーチ。彼はクォーターバックなのよ。それ以外には考えてほしくないわ」


8歳の時に交通事故で父親を亡くし、同じ日に祖母も他界しました。それからお母さんの励ましでフットボールをしてきました。高校卒業時には多数の大学から勧誘されましたが、クォーターバックで、できるだけすぐ実践で使ってくれる大学、という点を重視して選びました。コーチにも意見を言い、試合の後にはジャクソンくんのレシーバーにも反省点をアドバイスするという母親です。

「ズバリと言ってくれるんだ。僕たちみたいな選手には、それが必要だ。『なんでこの人が僕につべこべ言うんだ?』なんて思わないよ。彼女はよく見ている。何が起こっているかよく知っているんだ」

と語るのは、ジャクソンくんの大学でのレシーバー、ジェイレン・スミスくん。

ジャクソンくんのチームメイトからも信頼され、プロデイで息子のパスをキャッチするレシーバーも選びました。ワークアウトが終わると、数人のレシーバーがジョーンズさんを囲んで抱擁を交わしています。

ラマー・ジャクソンくんはエージェントなしでドラフトに臨みます。弁護士等のサポートチームはもちろんいますが、母親がマネージャーでエージェント代わり。プロでも二人の二人三脚は続くのかもしれません。



大学2年生の時には史上最年少でハインズマン賞を受賞。現在ヒューストン・テキサンズのデショーン・ワトソン、今年の受賞者ベイカー・メイフィールドを抑えて選ばれました。今年のドラフト候補生中、クォーターバックでは4番手か5番手という評判ですが、秘められた能力が高そうではありませんか。さて、どのチームに指名されるのか。

今年は1巡に二つ指名権(23・31位)を持つイングランド・ペイトリオッツかも?はからずも、クォーターバックの後継者を育てなければならない時期。現QBのブレイディさんも、こんなインスタのコメント欄で「彼は野獣さ!!!」とラマー・ジャクソンくんを褒めていますよ!(めずらし~)


2018/04/13

アメフト親善大使としても活躍中 マーショーン・リンチ

アメリカ国内では取材拒否、メディア嫌いで有名なオークランド・レイダーズのランニングバック、マーショーン・リンチさん。その一方で地元オークランドではチャリティ活動を熱心に続け、また、アメリカンフットボールを広める親善大使として世界中を回っています。

リンチさんが参加しているのは American Football Without Barriers という非営利団体。NFL選手が中心となり、アメフト普及に努めながら、恵まれない子どもたちの教育と健康を促進する活動をしています。AFWBの一員としてリンチさんが訪れた国は、これまでにブラジル、トルコ、エジプト、そして今年はポルトガル。

遠征先では、現地のアメリカ大使館の夕食に招待されるのですが、他の選手はきちんとネクタイを締めて行くのに、彼だけいつも通りのジャージ姿。

「一応、敬意を払うべき場所だろう。だけど、マーショーンにかかったら、そんなの形無しさ。汚い言葉だって使うんだ。フィルターなしのそのまんまマーショーン。大使はどう対処すればいいか困惑するうちにペースに巻き込まれるんだな。自分も汚い言葉を返したりしてさ。ちょっと面白い見ものになるんだよ」

と語るAFWBスタッフ。そんな調子で、どこに行っても、いつのまにか大使と懇意になってしまうそうですよ。今回は在ポルトガル米国大使にタックルも。




「マーショーンとビデオに映ったら、大使はもう有名人。大統領選挙に立候補しても大丈夫ですよ」という選手の冗談に、「マーションが副大統領になってくれるなら!」と返した米国大使。いい雰囲気っすねー。

ブラジルに行った時には、夕食会の数日後に大使からリオデジャネイロ土産の帽子と葉巻がリンチさん宛てに届いたこともあります。

子どもたち対象のフットボールキャンプでも大人気。笑いながらタックルの仕方を教えることもあれば、ボールを何度もドロップして泣きながらフィールドを去る男の子を慰めることも。20分も話してようやくその子がフィールドに戻った後、自分のバックパックからトレーナーを出してプレゼントしました。

物資が不足するブラジルの孤児院に行った時には、選手が子どもたちの足をきれいに洗ったあと、新しい運動靴をプレゼント。リンチさんが履いていたカラフルなビーストモード仕様のシューズに目を止めた男の子が「それ履いてるから速いの?僕も速く走りたいな」と言いました。

「速く走りたいなら努力しなくちゃ」と答えたリンチさん。「他の人より一生懸命になるんだ。誰かが走ってたら、それを追い抜くんだ」。そして、その子に履いていたシューズを脱いで渡すと、自分は裸足でホテルまで帰ったとのこと。

そんなリンチさんもキャンプの参加者の年齢が上がってティーンエイジャーになると、シリアスでタフな面を見せます。1対1、2対2のドリルでは本気でタックルして相手を倒すことも。

「マーショーンはヒットしたいんだよ。それだけやってたいの」と語るのは、現ピッツバーグ・スティーラーズRBデアンジェロ・ウィリアムズさん。ランニングバックのドリルをリンチさんと担当しています。

「彼は攻撃的なのが好き。だからオレとバランスがとれてる。だってオレはヒットしたくないし、マーショーンはその逆。ドリルの前に、彼がやると言えばオレがやめとけって、5分間は争ってるよ」

時々は、喧嘩を売ってくるような態度の少年もいます。大概は見て見ぬふりをするリンチさんですが、初めてのブラジルキャンプの時は我慢ができませんでした。舐められたらいかん、とパッドとヘルメットをつけて1対1のドリルで見事に圧倒。

「マーショーンが手抜きしたのは分かったよ。そうじゃなきゃ怪我させてる。やつは、自分が何をしてるか、自覚してんだなって思ったよ」

とデアンジェロ・ウィリアムズさんは語っています。

いろんな所でファンを増やしているマーショーン・リンチさん。スキットルズの広告でシニアホームを訪問した時も楽しそうでした!



でも走ってる姿が一番かっこいいかな・・・。