2017/12/27

プレイオフへのチャンスが残った シーホークス@カウボーイズ戦

第16週、負けたチームがプレイオフ出場を断たれるというシアトル・シーホークス対ダラス・カウボーイズ戦は、シーホークスが21対12で勝利を収め、プレイオフ出場への望みを残しました。

よかったです。先週のラムズ戦惨敗からどう立ち直るか心配でした。これで負けたら実力がなかったってことだからしゃーないな、と負ける覚悟はしていましたが、勝ってくれて本当によかった・・・。

トータルヤードを見れば、カウボーイズ283に対してシーホークス136。ペナルティでも142ヤードを献上しました。獲得ヤード数よりペナルティヤード数が多いって、すごいですね。それで勝てたっていうのが2重にすごい。

それはディフェンス陣が奮闘していたからです。

CBマックスウェルがWRブライアントからファンブルを誘い出す。(第2クォーター)

CBコールマンがQBプレスコットのパスをインターセプトしタッチダウン。(第3Q)

LBライトがWRブライアントの手をはじいたボールをインターセプト。(第3Q)

と三つのターンオーバー。そして、そのどれもがタッチダウンに結びついていました。

第4クォーターでは、カウボーイズがゴール前3ヤード1st and Goalと攻め込んでいたのに、結局無得点に終るという場面もありました。反則、サックでゴール前23ヤードまで後戻りした後、34ヤードフィールドゴールを失敗。

ゴール前なのに、なぜRBエリオットにボールを渡さなかったのかと、カウボーイズのコーチ陣が批判されていました。キッカーのベイリーも前半では51ヤードのフィールドゴールを二つ決めていたのに、後半では34、48ヤードと外す結果になりました。

負けるときって、ほんと何をやってもうまくいかないんだよね・・。それが勝負というものなんでしょうか。(と、クリスマスの夜にボードゲームで負けた私は思います・・)

シーホークスのオフェンス陣は冴えていたとは言えないまでも、決めなきゃいけないドライブできちんと得点していたし、ターンオーバーもなかった。そういう堅実さが必要なんですね。

ま、WRダグ・ボールドウィンさんのジュークを見てくださいよ。このすばやい動きでディフェンスを置き去りにするところにグッとくるわ・・・。



ということで、最終戦でシーホークスがアリゾナ・カーディナルズに勝ち、アトランタ・ファルコンズがカロライナ・パンサーズに負ければ、ワイルドカードの切符がもらえることになりました。

よっしゃ!

さて、試合後けっこう問題になっていたのが、シーホークスのFSアール・トーマスさんの発言です。カウボーイズのヘッドコーチ、ガレットさんを追いかけてって、「もしチャンスがあったらさ、オレをゲットしてよ」と声をかけたという、この場面。



そのあと、シーホークスのロッカールームでは、

「いや、あれはオレがシアトルに捨てられたらってことなんだけど。ここが好きだし、離れたくないと思ってる。なんかシリアスに取りすぎてるんじゃない?」

と弁明していました。後日、ピート・キャロルコーチの談によると、

「あの後、アールと話したんだけどね、『え、どういうこと?』ってかんじだったな。悪いことを言ったつもりはない。そんなふうにとられるとは思ってもみなかっただろう。試合に勝って興奮していたんじゃないかな。彼はファンのことを心配してたよ。『ここに居たくないって思われたらイヤだなあ』って」

とのことです。トーマスさんはテキサス州出身だし、カウボーイズファンで育ったことでしょうから、地元でやりたいなあと思うのは当たり前かもですね。マーショーン・リンチの例もあるし。

好きな選手が移籍するのは寂しいもんですが、プロの世界はビジネスだからしょうがない。ファンは選手が頑張ってプレイしてくれている今を一生懸命応援するしかないです。しかし今のところ、トーマスさんとシーホークスとの契約は2018年までありますよ。

逆サイドからぶっ飛んできて3rd downをストップするアール・トーマス!



ということで、12月31日のカーディナルズ戦が今シーズンの見納めになるのか、はたまた1月にも活躍する姿が見れるのか。応援にも熱がこもります!ガンバレーーー!!

2017/12/24

いったいどうしてこうなった ラムズ@シーホークス戦

全国のシーホークスファンの皆様こんにちは。見るも無残な大敗のショックからはもう立ち直れたでしょうか。

ばっきゃろー、ふざけんじゃねー!と壁にパンチをお見舞いして、涙がこぼれました。(イテテテテ・・・)。だってさー、こんな点数をいったい誰が予想していたのか。42対7ですよ。42!しつこく言うけど、42点も入れられてるんですよ!

ラムズRBトッド・ガーリー選手にいいように走られてた。ディフェンス陣はタックルミスの連発だった。スペシャルチームもスカスカで、パントリターンで走られてた。え、ラムズの攻撃始まるの、また50ヤードラインのこっち側?(汗)

ラムズのDTアーロン・ドナルドさんも迫力ありましたね。QBウィルソンさんが得意のスクランブルを封じられ、つぶされていました。この試合でサック7回。

そりゃあ、シーホークスはディフェンスの主力選手を欠いている。LBボビー・ワグナーさんだってハムストリングの故障を抱えたまま出場して、普段の力が出せなかったかもしれない。しかし、それにしてもこの有様は?オフェンスもディフェンスもスペシャルチームも、あらゆる点で負けていました。

ラムズはずいぶん楽しそうだったよね~。トッド・ガーリーさんによれば

「情け容赦なくやりたかったんだ。あいつらはオレたちのケツをずっと叩いてきたんだよ、10、15年もさ。だから楽しまなきゃ。こういう場面を大切にしなきゃ」

とのことですが、そのとおりだな。納得。悔しいけど。

さて、試合後、シーホークスのFSアール・トーマスさんが「ボビー・ワグナーは試合に出なくてもよかったんだ。代わりの選手で十分足りた」とロッカールームで発言。

「いつもならワグはサイドラインからサイドラインまで走ってる。それが今日はできなかった。動き出すまでにちょっと待ってたみたいだった」

なんて言ったもんですから、ワグナーさんが

「オレの名前を口にだすな。他人の成功に嫉妬してんじゃねえよ。お前もがんばれよ」

なーんてムカつきツイートを投稿し、即削除という場面もありました。ボビーよ、ロッカールームでアールに直接言ってやりゃーいいじゃないのさ。

シーホークスのディフェンス陣はもうおしまいだ。主力選手が年をとった。カム・チャンセラーとクリフ・アブリルは引退が濃厚。シャーマン、トーマス、ベネットだって放出かもしれない。シーズン終了を待って大改革――という話が盛り上がっています。

一部ではラッセル・ウィルソンをトレードすべき、という話も。オフェンスの90%をQBに頼るようなチームはピート・キャロルが目指すものではない。RBが走り、ディフェンスで圧倒するのがキャロルのフットボールなんだ――。

それってさー、まさに現在ラムズやジャガーズがやってること・・・。

ラムズなんて選手の年齢も若いし、キャップスペースもシーホークスよりだいぶあります。これから先、ますます伸びるチームでしょう。ちょっと、シーホークスも頑張ってもらわんと!!

しかし、どっちにしても来シーズンは大きく変わりそう。

12月に2回も負けてるんだからプレイオフは出られなくても自業自得かな。とはいえ、まだわずかながら望みもあるので、奇跡が起こってレギュラーシーズン後も試合が見れたらいいな・・・と願っています。

2017/12/14

チャンスはあれども苦杯を喫した シーホークス@ジャガーズ戦

NFLシーズン14週目、8勝4敗同志で挑んだジャクソンビル・ジャガーズ戦でしたが、シアトル・シーホークスは結局30対24で敗北を喫しました。

第4クォーター残り10分の時点で、ジャガーズが27対10とリードする展開。うーん、敗色強し。この試合は無理なのか。ダメ試合か・・・、と心の準備をしている間に、ばたばたとタッチダウンを2つ奪ってしまったQBラッセル・ウィルソンさんでした。

残り2分39秒でシアトルの攻撃、点差は6。なんて、これぞウィルソン劇場。お膳立てはそろった。勝つしかねーーーーー!

と心が躍りましたよ。雲の上まで跳んでった!遠くの空にうっすらと虹が見えかけていましたよ!

しかし次の攻撃では4th downを更新できず、打つ手を絶たれました。残念無念。でも忘れません。数分前に感じたあの高揚感。希望に満ちたあの気持ち。夢をつかめそうな、あの瞬間が自分のチームを応援する醍醐味です。

ということで、まあ残念だったけど夢を見させてもらった試合をすこし振り返ってみましょう。

シアトルのQBウィルソンさんは長いボールを放ってインターセプトを3つされていました。ま、ウィルソンさんだけのせいじゃないですよ。ディフェンダーと体張り合ってボール勝ち取らんかいレシーバー!という場面もありました。ダグさんといいジミーさんといい。ジャガーズのセカンダリーが一枚上手だったということもありましょうが・・・。

しかし、3つインターセプトを食らっても、どんどん深いボールを投げるQBウィルソン。

第4クォーター9分48秒。このドライブ最初のプレイでいきなりWRポール・リチャードソンへ61ヤードタッチダウンパス。



次の攻撃では2プレイ目でWRタイラー・ロケットへ74ヤードタッチダウンパス。




3プレイ、パス3回中3回成功、2タッチダウン。笑っちゃいますwこんなことあるんかいww

その後ジャガーズの攻撃を3プレイでパントに追い込み、2ミニッツ前にボールを取り戻したんですから、これは勝ちパターンだと思うじゃないですか。ねえ。でも、願い叶わず。

1st and 10でTEジミー・グラハムのドロップ。ジミーーーーーーー!

2nd and 10、マーカーの手前1ヤードでサイドラインを割るWRダグ・ボールドウィン。ダグさーーーーーーん!ファーストダウンできたやーーーーーーーーん!!



3rd and 1でサックされ、4th and 9 の瀬戸際で放ったパスはインコンプリートに終わりました。


WRポール・リチャードソンさんがディフェンダーにひっかけられてましたね。ペナルティは取られませんでした。チェー・・。審判頼むよ・・・。反則あるのに見過ごされるって、よくあることではあるんですけどね。

結局ジャガーズのビクトリーフォーメーションとなりましたが、乱闘騒ぎを起こすシーホークスディフェンス陣。気持ちは分かるけど、落ち着けみんな。FSアール・トーマスさんも呆れておりました。



このあと、退場になったシーホークスの選手にスタンドからビールのカップが飛びました。試合中にも、タッチダウンを決めたタイラー・ロケットさんの背中にファンがゴミを投げつけていたと報道されています。ちょっとぉー、かわいいタイラーになんてことするんじゃ!(怒)

ということで12月は全勝でプレイオフまで突き進みたかったんですが、1敗を喫しました。次の試合はラムズとの天王山です。これを勝てば、NFC西の1位に。ジャガーズ戦で負傷したLBボビー・ワグナーさん、KJ・ライトさんは出場できるのでしょうか。それが気がかり・・・。

2017/12/10

不撓不屈のラインバッカー シャキーム・グリフィン

シアトル・シーホークスのコーナーバック、シャキール・グリフィンは、今年ドラフト3巡で指名されたルーキーです。その落ち着いたプレイをCBリチャード・シャーマンさんがキャンプの時から褒めまくっていましたが、そのとおりの大活躍で、今やチームに欠かせない選手の一人になっています。

双子の兄弟がいて、その名はシャキーム・グリフィン。現在フロリダ中央大学4年生でラインバッカーをしています。昨年はリーグ最優秀ディフェンス賞を受賞、今年もタイトル戦でビックプレイを見せるなど注目を集めていますが、なんとこの人、左手の手首から先がない。片手のフットボール選手。

そんなシャキール&シャキーム兄弟のこれまでの話を紹介します。


双子の一人がハンディキャップを持って生まれてくるのを、両親は知っていました。妊娠中のエコーで、羊膜がはがれ、ひも状になったものが胎児の手首に絡み付いているのが分かったのです。

完全に発達しなかった左手の指は、どこかにぶつける度に激痛が走りました。ベッドにぶつけ、夜中に痛みで叫びだすこともしばしば。4歳のそんな夜、シャキームは寝室を飛び出ると台所に駆け込んでナイフを取り出し、自分の指を切断しようとしました。

「こんなのいらない!痛いんだよ!切ったほうがいいんだ!もういやだ!」

「私は彼を抱きしめて泣くことしかできませんでした。子どもは泣きじゃくり、パパは涙をこらえて立ちすくんでいました」

と語るお母さんのタンジーさん。翌朝、病院に連れて行き指の切断を医者に願い出ました。

それから普通の子ども同様に何でもこなしてきたシャキームくん。靴のヒモを結ぶのも、木に登るのも、シャキールより早くできるようになりました。10歳の頃、仲良しの双子は将来もずっと一緒に生活する計画を立てていました。

高校、大学は同じところに行こう。大きくなったら、双子の姉妹と結婚しよう。お金を貯めて大きな家を買って、二家族で住もう。

高校になると、シャキールには大学から奨学金のオファーが続々と届きました。しかし、同じ大学に進学するという決意は揺るぎません。二人に同時にオファーが来なかったからと南フロリダ大学を断り、また、他の大学のキャンプでは自分よりシャキームを見てくれとシャキールが座り込み、最終的にシャキームへのオファーも得たものの、対応が十分でないとして入学を拒否しました。

「僕が精神的に弱いからダメ。スピードがない、筋力がない、そんな理由じゃないんだ。僕の手がないからダメ。大学はそう言ってたんだ」

最終的にフロリダ中央大学のコーチから「どちらかが欠けたら奨学金はオファーしない」という言葉をもらって進学を決定。しかし、実際にフットボールプログラムが始まると、いや、やはりシャキールを欲しいがためにシャキームも受け入れたのでないか?と兄弟は疑うようになります。シャキールは先発として試合に出場しているのに、セーフティのシャキームはデプスチャートの底でくすぶっていたからです。

しかし2016年、新しいコーチ陣が就任しディフェンスのシステムが変わると、シャキームの能力に注目が集まりました。セーフティからラインバッカーに転向し、先発の座を勝ち取りました。

2016年10月には右手を骨折しましたが、欠場するのはイヤだと自分でギプスを取って試合へ同行。コーチの助言で、指の動きを制限される簡易ギプスをはめて試合には強行出場を果たします。その試合で、タックル14回、サック2回、ファンブルリカバー、ピックと大活躍。

「フットボールは片手でもやったし、両手使えなくてもプレイしたよね」

片手がないためウエイトトレーニングにも苦労していましたが、体を作り始めた高校時代から、お父さんが腕をサポートする仕掛けを自作してくれていたんだとのこと。

4年生の今年、フロリダ中央大学は全勝でシーズンを終えました。フィナーレは1月1日のピーチボウル。オーバーン大学と対戦します。

次の目標はもちろんNFL。プロのチームからドラフト指名は来るのでしょうか。同じ大学出身のNFL選手には、CBシャキール・グリフィンはもちろんのこと、WRブランドン・マーシャル、QBブレーク・ボートルズ、CB AJ・ボイエなどもいます。

「子どもの頃からずっと用意してる。誰かが『お前には無理だ』って言うのを待ってるんだ」

とシャキームくんは語っています。




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[UPDATE]

1月1日に開催されたピーチボウルはUCF(フロリダ中央大学)がオーバーン大学を34対27で破り、全勝でシーズンを締めくくりました。オーバーン大学は、実は今季全米ベスト4でプレイオフに出場しているアラバマ大学、ジョージア大学に勝っているチーム。

UFCの選手のうち51人は2015年に全敗シーズン(0勝12敗)を経験しているそうです。それで2年後の2017年には13勝0敗って、すごいよ~。おめでとうございます!

シャキーム・グリフィン選手はディフェンス選手のMVPに輝きました。


大活躍でした。テレビカメラがずっとアップで追っていたし。来年はNFLでプレイしているんじゃないでしょうか?ドラフト、どうなるのかな。



2017/12/07

アーロン・ロジャースにシカゴの街角で遭遇したら

10月のミネソタ・バイキング戦で鎖骨を骨折して以来、IR(故障者リスト)入りしているグリーンベイ・パッカーズのクォーターバック、アーロン・ロジャースさんです。

パスをバンバン決めてるときは「憎ったらしーヤツ」としか思ってないんですが、テレビをつけても姿が見えないとなると、やはり少し寂しい。そこがまた2倍に憎たらしいところではありますが、そんなロジャースさんが、オフの時間にシカゴの街角でファンを喜ばせたという話があったので紹介します。

それは11月末の土曜日の夜。ジュリアさんと息子のピーター君は、綺麗に飾られたクリスマスのイルミネーションを見にシカゴのダウンタウンにやってきました。

交差点で他の人たちと一緒に道を渡ろうと待っていたとき、「アーロン・ロジャースが隣にいるよ」とママに囁いたピーター君。

「まさか。アーロン・ロジャースが土曜の夜にこんなところにいるわけないじゃないの。そう私は息子に言ったんです」

しかし、その人が道を渡ろうとする横顔をチラッと見た瞬間に、言葉が口をついて出てしまったとジュリアさんは語ります。

「有名人に話しかけるなんて思いもしなかった。だってご迷惑でしょう。でも、『あなたは・・?』って思わず声が出ちゃったんです。すごく小さく。周りの人に聞こえるかもしれない、一人でいたいかもしれないのに。そう思って最後まで言えなかったんですが。

そうしたら、その人が私をまっすぐ見て、『そうですよ』って」

次の瞬間には「こんにちは。アーロンだよ」と、ピーター君に自己紹介したアーロン・ロジャースさん。街のイルミネーションを楽しみながら、予約を入れたレストランに向かう途中でした。

三人で、鎖骨手術後の経過について話しました。ピーター君とスポーツ全般の話もしました。ピーター君がベアーズファンであることを謝ると、その必要はないと語りました。だってキミはシカゴに住んでるんだもの。

周りの通行人がアーロン・ロジャースに気がつきはじめたので、ジュリアさんとピーター君は離れ、そそくさと道を渡りました。立ち止まって、撮ったばかりのロジャースとの記念写真を旦那さんの携帯に送っていると、ロジャースさんが追いつき、また話しかけてきました。



「まるで、私たちが近所の顔見知りか、友達かのようにしゃべってくれたんです。いっしょに、15分か20分ほどミシガンアベニューを歩きました。

私たちにいろいろ質問してくれたんですよ。私が聞くよりも、彼が私たちについて聞いたほうが多かったわ。だって彼のプライバシーを侵害したり、おせっかいなことを尋ねたりしたくなかったんです」

感謝祭の予定や、大学に進学するジュリアさんの娘さんのことなどが話題に上りました。

「アーロン・ロジャースがそんなことを聞くの?というようなことを聞かれましたよ。本当にびっくりするような経験でした。今でも驚いてるわ。信じられない。私も息子も」

ロジャースさんと別れて1時間後、デパートで上から下までパッカーズ仕様の女性を見かけたジュリアさんは、アーロン・ロジャースに会ったことを話したら、さぞやびっくりするだろうと、その人に声をかけてみました。しかし、その女性はいたって落ち着いた様子でした。

「その人は私の腕をポンポンとたたいて、優しく言ったんです。『私の息子もパッカーズでプレイしているのよ』って」

タイ・モンゴメリー選手のお母さんでした。

ピーター君の顔がパッと輝きました。パッカーズのランニングバック、モンゴメリー選手のファンだったのです。ロジャースさんに、モンゴメリー選手によろしくと伝えたかったのですが、言い出せなかったとピーター君が残念がりました。

タイ・モンゴメリーの名をを聞いた事がなかったジュリアさんは唖然とし、その隣でパッカーズ仕様の女性はピーター君の様子に大喜びでした。「そうなのよ!彼の顔を見た?そのとおりなの!」

もともと熱狂的名なスポーツファンというわけではないジュリアさん。翌日にベアーズ戦が控えているのに気がつかず、シカゴで何をしているのかとロジャースにも尋ねたほどでした。

「あなたは・・?って私が言った時、彼は知らないフリをして行き過ぎることもできました。それが普通かもしれません。でも彼は違いました。熱心に話をしてくれたんです。こんなことは思ってもみませんでした。ピーターにとって素晴らしいことです。『偉大なクォーターバックなのよ。その人が私たちと一緒にいたのよ』ってピーターに言い続けているんです」

ウィスコンシンに住む友人から、パッカーズファンなら絶対に喜ぶと聞いて、ジュリアさんはこの話を公に語るようになりました。

「彼に会ったことを自慢しているのではありません。全くの運ですから。アーロン・ロジャースが素晴らしい人間だと、世間に言っておきたいの。ロジャースのジャージを着ているようなファンの方だったら、ぜひ知っておいてほしいんです。

もし、私が誰かのファンだとするでしょう。その人についての良いことを、誰かが私に教えてくれる。そうしてもらったら嬉しいでしょう?私自身がとてもハッピーになると思うの」

とジュリアさんは語っています。

確かにいい写真。ピーター君もロジャースさんもいい顔じゃあないですか。

まあ実際、気にも留めず行過ぎるのが有名人の常かもしれません。でもこの日、良いことがあったのかなんか知らないけど、ちょっと心を許して、道端で男の子と話をしてくれたアーロン・ロジャースめ、いいところがあるじゃないの。

道を渡った後、わざわざ追いかけて来て話すまででもなかったと思うけど、それでもいい。ピーター君とジュリアさんの、忘れられない夜になって良かったわ~。

という、憎ったらしいロジャースさんのお話でした。

2017/12/06

12月まず1勝目 イーグルス@シーホークス戦

12月に入りました。さあ、ラストスパート!シアトル・シーホークスは、ここまで10勝1敗のフィラデルフィア・イーグルスをホームに迎え、24対10で勝利を収めました。

第1クォーターで10対0とリードする、これまでに見たことのないような素晴らしいスタート。今までの立ち上がりモタモタ感はどこへいったのか。やればできるじゃないか!現在勝率1位のイーグルスということで、気合が余計に入っていたのかな?

ハーフタイムで10対3。後半最初のドライブでは、イーグルスがレッドゾーンまで攻め込みました。フィールドゴールに抑えられるのか、はたまたタッチダウンで同点か。同点でもいい、次に取り返せばいいのだ、うん。と無理やり自分を納得させていたところに、イーグルスQBカーソン・ウェンツが自らエンドゾーンに持ち込んだ!



その結果は、DTリチャードソンがボールをかき出してのファンブルがタッチバックに!Sアール・トーマスの空手チョップもしっかりご覧あれ。ヘルメットに思いっきりチョップしたら、手、むっちゃ痛いんじゃないのかな・・・。

3、もしくは7点を覚悟していたのに結局0。いやー、こんなこともあるんですね。ラッキーかもしれない。でも、もらえるもんなら何でももらいます。よし、いけるなこの試合!

次のドライブ、シアトルの攻撃は3rd and 10の正念場でこのプレイ。


イーグルスのSマルコム・ジェンキンスさんによると、イーグルスのカバー0ブリッツを読んだQBラッセル・ウィルソンさんがスナップカウントを変えたとのこと。タイトエンドにブロックさせ、WRボールドウィンさんが走る時間を稼ぎ、パスを放ったということです。

そしてまた、第4クォーターでの3rd and 8 では、行く手を塞がれたQBウィルソンがRBデイビスへのラテラルパスでコンバート。おお~。



ボールを放った地点とキャッチした地点をリプレイで検証すると、実はフォワードパスだということですが、見た感じバックパスにしか見えません。イーグルスがもしチャレンジしていたら、判定がくつがえされていたはずですが、チャレンジはなかったため、3rd downは更新され、最後にはタッチダウンで2ポゼッション差になったのでした。

シーホークスとしては今季まれに見る、素晴らしい試合運び。ターンオーバーなし。決めるべきところで3rd downを更新し、ペナルティも5つで46ヤードと低く抑えることができました。

心配されていたディフェンス陣が本当によく頑張っていました。ランを防ぎ、プレッシャーかけていたし。特にこの人と言えば、LBボビー・ワグナーさんでしょうか。ボビー、すごかったよ・・・。



ということで、シーホークスは8勝4敗。残すはあと4戦。NFC西1位も狙える位置にいます。ぜひ全勝でシーズンを終えてほしい。まずは敵地でジャクソンビル・ジャガーズ戦です。レッツゴーーー!