10月23日、シアトル・シーホークスはロサンゼルス・チャージャーズと対戦し、37対23で勝ちました。これで通算成績4勝3敗。NFC西地区暫定1位です。
最初の攻撃でインターセプトもありましたが、シアトルQBジーノ・スミスはこの試合でも素晴らしい出来。パス成功率が74パーセント、レーティングが105.5。タイトエンドへ、レシーバーへ、多彩なパスを回し、サードダウンは9回中5回更新成功。文句の付けようがないクォーターバッキングです。
ルーキーRBウォーカーも走りまくって168ヤード、2タッチダウン。タックルをブレークして前に進む力が圧倒的。それほど大きくない体のどこに、こんな力が隠されているのか。
そして何より、ディフェンスが目覚ましく向上しました。これが一番嬉しい。フォースダウンを2回阻止。ランを抑えてわずか53ヤード。つい最近まで30点も40点も取られてたのに。バカバカ走られてたのが嘘みたい。コーチが「改善できる、よくなる」って言ってたの、ホントだった。
格上と見られていたチャージャースに勝ったことで、チームに自信がついたのは明らか。ファンの期待も膨らむ一方ですよん。
Team Stats
前半は両チームとも2回ずつターンオーバーしながら、まずシーホークスが先制点。QBジーノからWRグッドウィンへの絶妙なパスでタッチダウン。次に、RBウォーカーがズドドドドとなだれ込みました。
Right up the middle and getting in with @Kenneth_Walker9.
— Seattle Seahawks (@Seahawks) October 23, 2022
📺: #SEAvsLAC on FOX pic.twitter.com/ozSuvZKpx5
第1クォーターで17対0とリードし、その後17対14まで詰められますが、WRグッドウィンが2つ目のタッチダウンに成功。途中WRメトカーフが怪我で退場したものの、遜色ないオフェンスで、前半を24対14で折り返しました。
後半も危なげなく点を重ね、第4クォーター中盤、RBウォーカーが74ヤードランで試合を決定づけました。瞬間最高時速22.09マイル。ボールを持って走る選手としては今年最速記録とのこと。
プレーもさることながら、この試合ではHCキャロルの印象的な場面がありました。第3クォーター、シーホークスの攻撃で3rd and 5。ディフェンスがニュートラルゾーンに入り、フリープレイになるかと思ったら審判の笛。まさかのフォルススタートと宣言されたのですが、リプレイでは明らかに誤審(たぶん)。
ジーノが審判に詰め寄り、コーチも審判に不服申立て。結局判定はそのままで、腹を立てた様子でハドルに戻るQBを「ジーノ!」と呼び止めるコーチ。
Caption this! pic.twitter.com/hHBWMXrfuP
— Alaskan 1️⃣2️⃣‼️ (@tomrollman) October 23, 2022
直後のプレイは、WRロケットへの12ヤードパスでサードダウン更新に成功。どやつくジーノがアップで映し出されました。
この試合は元NFLQBマーク・サンチェスが解説してたんですが、彼の大学時代はコーチだったピート・キャロルが腕をまわして「落ち着け」と言ってくれたそう。実況中に何度も「コーチキャロル」という言葉が口をつき、敬いの気持ちがにじみ出てました。
最近のスポーツ番組でも「ジーノがプロ入りした時を知ってるけど、NFLでやれる選手には思えなかった。コーチキャロルがジーノに自信をつけた」と彼がコメントしてました。
「結果が出ないと、チームは若い選手をすぐ諦める。それがNFLの現実だ。若いクォーターバックには辛抱が必要だ。大切なのは、苦しい時にも努力を惜しまない、正しい姿勢を持ったクォーターバックを見つけること。
長い間、試合に出場できなくて辛かった。だけど、困難が人を強くするって言うだろう?この年月が僕にとって良かったんだ。
今シーズンがどうなるかは分からなかった。ピート・キャロルが「先発争いのチャンスだぞ」と言ってくれた時は嬉しかった。僕を信用してくれた。それが僕に必要なことだった。
ラインマンと共にフィールドで全力を出し切る。コーチされたとおりにプレーする。それだけしか考えていない。シンプルだ。
チームのここまでの成功は、コーチへの信頼と信念から始まっている。ルーキーのオフェンシブライン2人、コーナーバック2人、ランニングバックを先発させるコーチは多くない。ずっと試合に出てなかったクォーターバックに躊躇するコーチもいる。だけどピートはそうじゃない。自分の目を信じてるんだ。若い選手をずっとコーチしてきた。チャンスを与えてくれる」
とジーノ2.0も語っています。
シーホークスのオフェンスは変わりました。去年までのようにヤキモキすることがない。ジーノができること、できないことを見極めて、能力を活かしたプレーを組み立てているんだと思います。
「ジーノはやれと言ったことをやってくれる」とコーチが言ってたことがあって、じゃあやってくれなかったのはラスなんかい笑と思いましたが、ブロンコスで苦労しているウィルソンを見ると、彼の能力を引き出していたのはコーチなのかもという気もします。
ウィルソンのトレード当時は「シーホークスバカじゃねーの」「ピートが辞めろ」という声もありましたが、いやはや世の中、どんなコトが先に待っているか分かりませんねえ。
ということで、次は6勝1敗で進撃中のジャイアンツ戦です。挑戦あるのみ。レッツゴーーー❗❗