2022/01/25

【ディビジョナル】試合を決めたディーボ・サミュエルのラン 49ers @パッカーズ

NFLはディビジョナル4試合が終了しました。どの試合も熱戦で見どころ満載でしたね。いやー楽しかったァ。土曜日夜に行われた2戦目、グリーンベイ・パッカーズ対サンフランシスコ・49ers戦を振り返ってみます。

真冬のランボーフィールド。第1シードのパッカーズは1週おいての休養明け。試合は下馬評通りパッカーズ優勢で進みましたが、最後にナイナーズが決勝のフィールドゴールで13対10とし、来週のNFCチャンピオンシップにコマを進めました。

ナイナーズはオフェンスのタッチダウンがゼロ。QBガロポロのパスは試合を通してヒヤヒヤもので、ゴールラインでのインターセプトもありました。

しかしディフェンスがQBロジャースを抑える大健闘。スペシャルチームは、2つのフィールドゴールに加え、パッカーズのフィールドゴールをブロック、パントのブロックからタッチダウンという働きで、勝利を呼び込む要因となりました。

第4クォーター残り4分、ブロックパントで10対10と同点に追いついたナイナーズ。パッカーズQBロジャーズはファーストダウンを更新することができず、再びナイナーズにボールが回ってきたのが残り3分20秒。

最後のドライブ、敵陣38ヤードまで進んだところで3rd and 7。残り時間は1分3秒。

オフェンスがフォーメーションを組み、ゲームクロックが4秒まで減ったその時、ナイナーズHCシャナハンは近くの審判に「タイムアウト!」と宣言しました。

コールしていたのは、TEキトルへのディープパスでしたが、プレイの変更を決断。

「このような状況下では、35ヤードラインが目標地点だ。フィールドゴールを成功させるためには、そこまで行きたい。だから4、5ヤードほしかった。それにはランじゃ難しい。だからパスをコールしたんだ。

相手にタイムアウトがないことは知っていた。でも、もしパスが失敗したら、アーロン(ロジャース)にボールが渡り、40か45秒残る。そうなると・・・」

フットボールファンなら周知の事実。それは残り40秒で試合を変えるロジャースの力。実際、今シーズン第3週の対戦では、残り37秒からパッカーズがフィールドゴールを決め、ナイナーズが2点差で惜敗する結果となりました。

「僕が好きなパスプレイをコールした。しかし選手が位置についてから、「これじゃダメだ」と思い直したんだ。これまでのアーロンを見てきたから。タイムアウトを取って、「おいみんな、走るぞ」と声をかけた。もし5ヤード進めなくても、少なくとも延長戦にはなるはずだ。走って、残り15秒まで時間を使って、そしてパントだ」

そしてボールはWRサミュエルの手に。

魂心の走り。タックルを振り切って、ファーストダウンを獲得する9ヤードラン。いや、熱い。

プレイの後、痛そうにぴょんぴょんしてましたが、次戦は出場できる見込みと報道されています。シーズン終盤のこの時期、どの選手も故障を抱えながら奮闘しているに違いない。

ということで、NFCチャンピオンシップはSoFiスタジアムで49ers対ラムズ戦となりました。レギュラーシーズン中の対戦は、ナイナーズが2勝。

第18週の試合では、ラムズのホームである同スタジアムにナイナーズのファンが押しかけ、そのためラムズがサイレントカウントをしなければなかったとラムズQBスタッフォードの妻ケリーさんが発言していました。

ワイルドカード戦の前に「自分のチケットをアリゾナのファンに売らないで」なんつってインスタグラムでお願いしてたんですが、今回はなんとラムズが公式に、ロサンゼルス以外の住民には試合のチケットを販売しない方針のようです。

ケッチくさ!そんなことをしても、結構赤のジャージで埋まるんじゃないかなあ。チケットなんていろんな方法で買えるし。と思います。

さて、残るは4チーム。今シーズンの試合はあと3試合。いよいよ大詰めです。

2022/01/19

【スーパーワイルドカード】最後の14秒に一体何が起こったのか 49ers@カウボーイズ戦

 ワイルドカードが終了しました。シーズン17試合に増えた今年は3日で6試合。一方的な試合もありましたが、サンフランシスコ・49ers対ダラス・カウボーイズ戦は、最後の最後まで試合がもつれました。

試合時間残り32秒で攻撃のチャンスが訪れたカウボーイズ。得点は23対17で、6点リードされていますが、タッチダウンで逆転サヨナラの場面。パスを3回決め、残り14秒で敵陣41ヤードまで攻め込みました。で、次のプレイがこれ。

走った?と思ってるうちに試合終了。モタモタしてボールをスパイクするのが遅れました。見てる方も唖然としたけど、選手も呆然。カウボーイズにとっては、あっけないシーズン終了です。

残り14秒。タイムアウト無しでのクォーターバックドロー。

試合後、カウボーイズHCマッカーシーさんは「プレイコールは正しかった」と断言しました。「50ヤードからヘイルメリーか、25ヤードからのパスか」と。毎週練習してたプレイとも語っています。マジ?

1秒を争うこの場で、フィールドの真ん中を走るのか。タックルされて、大きなディフェンスの選手が上に乗っかり、立ち上がるのに時間がかかるかも、とは考えないのか。

QBプレスコットがダウンした後、チームは明らかにカオス状態。慌ててセンターにボールを渡してますが、これはミス。スナップの前は、審判がボールにタッチする事になっています。

WRラリー・フィッツジェラルドさんの見本がこちら。

解説者の説明によれば

1.QBプレスコットはさっさとダウンする必要があった。あと3ヤードより2秒が大事。

2.審判を探してすぐボールを渡せ。審判は60代なのでボールを投げてはダメ。ちゃんと手渡しすること。

3.オフェンスは急いで位置につく必要があるのに、のんびり歩いている選手がいる。(リンク先のビデオ1:33)切迫感が全くない。

瀬戸際の、このプレイを練習していたと言うなら、明らかに練習が足りなかった。審判なしで練習していたのかな。審判がスクリメージラインのずっと後ろに位置していることを考慮してないでしょう。

なんかこう、コーチ陣の浅はかさが露呈しちゃった感じ。

こんな場面もありました。フェイクパントは成功したけど。

スペシャルチームが、何故かフィールドに残りました。「ディフェンスにタイムアウトを取らせるためじゃないか?」と解説のロモさんが驚いてますけども。結局オフェンスが出てきて、ディレイ・オブザ・ゲームの罰則でマイナス5ヤード。

あちゃー。

HCマイク・マッカーシーさんは2020年にカウボーイズのヘッドコーチ就任し、今年2年目。去年6勝10敗から今年は12勝5敗と成績を上げました。2018年まではグリーンベイ・パッカーズのヘッドコーチを13年務めました。

就活でカウボーイズのオーナーであるジェリー・ジョーンズさんと面接した時には、「2019年のカウボーイズのフィルムを全部見た」と自分を売り込んだそうなんです。しかし後日、記者会見で「仕事がほしかったんだ。すべてのプレイを見たわけじゃない。分かるだろ?」とボロリとこぼしたという逸話もあります。

正直といえば正直。あちゃーと言えばあちゃー。

大きな疑問を残してカウボーイズのシーズンは終了したというわけです。

あれ、なんか、北の方、ウィスコンシン州あたりから、髭生やしたおじさんの高笑いが聞こえてくるような気が・・・しませんか?


2022/01/15

人気急上昇中の新ヘッドコーチ候補📈 49ers OCマイク・マクダニエル

NFLはレギュラーシーズンが終了し、プレイオフに出場できなかったチームでは、さっそく来年へ向けての改革が始まりました。職を失うコーチもあり、未来を託される若手もチラホラ。今日はそんな新鋭のひとり、現サンフランシスコ・49ersのオフェンシブコーディネーター、マイク・マクダニエルさんを紹介したいと思います。

HCフローレスを解雇し、世間をあっと言わせたマイアミ・ドルフィンズが、この人との面接をナイナーズに申し込み、がぜん注目を集めました。

こんな感じの人。

ちょっと、なんか、フットボール界では珍しいタイプ?

選手をしてたと思えない。高校じゃムキムキの体育系にブッ飛ばされてたに違いない。どっちかといえばIT業界、またはスタバのバリスタみたいな風貌です。

ところがですね、この人がランオフェンスを組み立てる天才らしいんです。押しも押されぬナイナーズHCシャナハンの右腕。選手からの信頼も厚く、ナイナーズTEキトルさんなんか「彼をオレの契約に入れてくれ。一緒にキャリアを積みたい」とまで言ってます。

マイク・マクダニエルさんはコロラド州出身で、もちろんデンバー・ブロンコスの大ファン。トレーニングキャンプに通っていた10歳の夏、ブロンコスの帽子をなくし、泣いていました。それを見かけたブロンコスのビデオスタッフが新しい帽子をくれて、顔見知りになったそうです。シングルマザーだったお母さんをこのスタッフに紹介して、2人はやがて結婚。

フットボールが大好きなマクダニエル少年は、ヘルメットの内側に「NFLに行く」と決意を書き込んでいました。選手では無理と自覚していたのでコーチとして。

高校時代はブロンコスのボールボーイを務め、卒業後は奨学金を得てイェール大学に進学。歴史を専攻し、フットボール部ではレシーバーの補欠でした。投資銀行でインターンも経験しましたが、「情熱を傾けられる仕事ってフットボール以外にないんだよね」と語っています。

大学の夏休みにはコロラドに戻ってブロンコスで働き、卒業後、当時のヘッドコーチ、マイク・シャナハンのもとでインターンとして就職。

ブロンコスのオフェンシブコーディネーターだったゲイリー・キュービアックがテキサンズHCに就任すると、一緒に移籍し、そこでキュービアックが雇ったワイドレシーバーコーチ、カイル・シャナハンと知り合います。

息子シャナハンと共にワシントン・レッドスキンズ、クリーブランド・ブラウンズ、アトランタ・ファルコンズ、サンフランシスコ・49ersと移籍しました。ナイナーズではシャナハンHCの元、ランゲームコーディネーターを4年間務めた後、今年からオフェンシブコーディネーターに昇進。プレイコールはシャナハンが出しますが、攻撃プレイを組み立てます。

トントン拍子に階段を昇ったようにも見えますが、つまずきもありました。

テキサンズでは寝坊して解雇され、ブラウンズでは机の下に隠していたウォッカの瓶を発見され、アトランタでは情緒不安定、アルコールの匂いがすると叱責されました。

アトランタHCクイン、GMデミトロフの勧めで、依存症回復施設へ数週間入院。うつ病も患っていました。

当時のことを「生まれて初めて、仲間が支えてくれて『お前はひとりじゃないぞ』って言ってくれたんだ」とマクダニエルさんは語っています。

最後にビールを飲んだのは2016年1月。以来「酒を飲む気は全く無い」と語っています。

フットボール好きの一心で、コーチになると決意し、何にもない所から自分で道を切り開いて行ったのすごくないすか、この人。頭脳明晰なんだと思うけど、途方もない時間をフットボールの戦術研究に費やしてきたんだと思います。

知らんかったけど、シャナハンのランゲームの秘密兵器だったんだ。他のチームには出したくないだろうなあ。

ということで、ワイルドカード、ナイナーズ対カウボーイズはサイドラインのマクダニエルさんにも注目したいです。地味ではありますが、OCなのでちょっとは画面に出るかも。ごっつい大男たちに混ざって異端に見えるんじゃないかな。楽しみです。

プレイオフ、盛り上がって行こー!

2022/01/12

【第18週】 スッキリ勝って来シーズンヘゴー!シーホークス@カーディナルズ戦

レギュラーシーズンの最終試合、アリゾナでのカーディナルズ戦は、シアトル・シーホークスが38対30で勝利を収めました。今年は7勝10敗。負け越しシーズンとなりましたが、活気あふれる内容で、来シーズンへの期待が膨らむ試合となりました。良かった。

試合開始1分も経たないうちに、QBウィルソンがストリップサックされ、タッチダウンに持ち込まれるという最悪のスタート。しかし次の攻撃ではWRロケットへの長いパスが決まり、あっという間に7対7の同点に。

カーディナルズはフィールドゴール、シーホークスはWRロケット2度目のタッチダウン、フィールドゴールで得点を加え、17対10で前半を終了。

ディフェンスの要、LBボビー・ワグナーは欠場ですが、予想以上に頑張る守備陣。カーディナルズQBマレーがかなりイライラした様子です。

後半は、同点に追いつかれた後、なんと、QBウィルソンのパスがインターセプトに。サード&ロングで、スクランブルからの無理なパス。投げなくてもいいじゃん!というパス。これをカーディナルズはゴール前からランで持ち込み、17対24と逆転。

今シーズンのシーホークスは、後半でズルズルと負けるケースがよくありました。サードダウンが更新できず、ディフェンスが出ずっぱりになり、結局やられる――というような。

そんな場面ですが、この日はここで踏ん張った!早速QBウィルソンが、ワイドオープンになったWRスウェインにパスを通してタッチダウン。その直後にスペシャルチームがボール奪回。

RBホーマーがパンターにプレッシャーをかけてファンブルを誘発。今シーズン、スペシャルチームはよく頑張ってました。最後にこんなプレイも出て素晴らしいなあ。

こうして奪ったボールを、QBウィルソンがゴール前3ヤードから闘魂の走りでタッチダウン。シーホークスが逆転に成功し、31対24。

このガッツある走り!!イイですねえ。プレイオフが消えた、シーズン最後の試合です。それでこんな走りを見せられちゃあ盛り上がるしかない。頭から突っ込んで、ちょっとヒヤッとしましたが。

そして、RBペニーがこの試合でも走りました。62ヤードタッチダウンを含む計190ヤード。

ドラフト1巡なのに怪我が続き、ずっと低迷を続けていた選手です。「GMシュナイダー、HCキャロルの目はフシアナか。RBチャブ(ブラウンズ)を指名しとけばよかったのに」なんて声も聞きました。どころが!4年目にしてやっと開花🌸と言っていいでしょう、もう!

まだちょっと怪我が心配だけど、そんな不安をぶっ飛ばす活躍を来シーズンに期待したい。

てか5年目オプション行使してないので、フリーエージェントですね。まずは契約からお願いしたいです。

また、2年目LBジョーダン・ブルックスも大活躍でした。この試合で20タックル、シーズン合計183でチーム記録を達成。「ボビーがプレイしてたら、彼の記録が上回ったはずだから、公平じゃない気がする」なんて言ってたけど、まあいいじゃないすか。

そして、なんたることか、Sクァンドレ・ディグスが大怪我を負いました。足首を脱臼、骨折。テレビ画面に映してはいけないほどの酷さ。フリーエージェントとなる直前です。退場するカートの上で泣いてました。うう。ディフェンスを引っ張ってきた選手なので、ぜひとも再契約してほしい!!

このアリゾナのスタジアムは、シーホークスにとっては不吉な場所です。スーパーボウルで負け、CBシャーマンがアキレス腱を切り、Sチャンセラーが首を痛め、Sアール・トーマスが骨折して中指を立てたのもここ。そしてまた、ディグスまで。おいおいおい。ヘリコプターでバラバラと塩をまいてお祓いをすることはできないものか。いっそのこと、取り壊し嘆願書を出したい気分。

とはいえまあ、勝って明るくシーズンを締めくくることができました。

来シーズンへの希望もほのかに感じることができます。シーズン中はHCキャロルが辞めるのか、QBウィルソンがトレードされるのかとメディアが騒いでいましたが、けっこうこのまま行くんじゃないかな。

少なくともウィルソンは「僕のゴールはスーパーボウルで勝つこと。ここで勝つつもりだ。シンプルだ」と言ってます。自分のメディア会社もあるし、シアラと一緒に学校も設立したし、シアトルを離れるチャンスは少ないのでは。

ということで、今年のシーズンは終了です。シーホークスファンのみなさんお疲れさまでした。来シーズン開幕まで長いですが、明るい未来を夢見て辛抱しましょう。

とりあえず、のんびりプレイオフを楽しむことにしましょうか。私はバローくんのベンガルズとスミスくんのイーグルスを応援しまっす!レッツゴー!