2019/12/28

2019年ハイズマン賞を受賞したジョー・バロー涙のスピーチ

あっという間に年末ですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。ちょっと前のことになりますが、12月14日に行われたハイズマントロフィーの授賞式のことを書いてみたいと思います。全米カレッジフットボール最優秀選手に贈られるこの賞ですが、今年はルイジアナ州立大学クォーターバック、ジョー・バローくんが受賞しました。

今年春の時点では、ほとんど無名。NFLのドラフトボード上に名前は無かったかもしれません。しかしシーズンが始まると、LSUのオフェンスを率いて連戦連勝を重ねます。11月には強豪アラバマ大学との対戦に勝利し一気に注目を集めました。LSUタイガーズはここまで全勝、全米チャンピオン候補となっています。

パス成功率77.9%、タッチダウン48回は全米1位、パス獲得4715ヤードは全米2位の記録です。過去の大学トップQBのスタッツを見ると、パス成功率はだいたい70%そこそこなので、この数字は驚異的。バローくん本人の記録を比較しても、昨年の57.8%から大幅アップ。この1年でぐんと成長したことが分かります。

父親と二人の兄がネブラスカ大学のフットボール選手だったので、自分もネブラスカ大学でプレーするのが夢だったと語るジョー・バローくんですが、残念ながら入学の誘いを受けることはできませんでした。

「力が足りないと言われた。僕にノーと言ったスカウトの名前は全部覚えている。僕より先に受け入れられたクォーターバックもね。記憶に刻み込んでる」

と、けっこう根に持つタイプ。というか、悔しさが大きなモチベーションになるんですね。オファーをもらって進学したオハイオ州立大では3年間バックアップに甘んじ、出場機会を得るため転校を決意します。ネブラスカ大も視野に入れましたが、「現在いる選手より、彼の方が優れてると思うのか?」というのが当時のネブラスカ大学コーチの見解でした。

結局、コーチ・オーことLSUヘッドコーチ、オルジェロンさんに勧誘され、ルイジアナ州へ。昨年は10勝3敗、2年目の今年は新しいオフェンスシステムのもと、一躍大学フットボール界のスター選手へと成長しました。

そのジョー・バローくんのスピーチがこちらです。緊張して、フーッと大きな息を吐き、「僕が最初に言いたいのは」と言って言葉につまり、演説台を指でトントンして絶句・・・。(1:46)





「最初に、Oラインに感謝したいと思います」で始まり、チームメイトの名前を連呼。「みんなすごい選手なんです。チーム全員が僕を支えてくれました。オハイオから来た僕を両手を広げて受け入れてくれたんです。兄弟のように」

(略)

5:20「僕はオハイオ州南東部で育ちました。とても貧しい地域で、貧困層は全国平均の2倍です。何も持たない人々がたくさんいます。家に帰っても食卓にはが食べ物がない、学校の後はお腹をすかしている。アセンズの、そんな子ども達のために僕は今ここにいるんです。君たちだって、ここに登ることができるんだよ」

6:37「コーチ、僕の家族がどんなに感謝しているか想像もつかないでしょう。3年間ここでプレイしていなかった僕に、チャンスを与えてくれました。できる選手かどうかも分からないのに。この恩は一生忘れません。コーチ・オーのような方が僕をフットボールプログラムに入れてくれるなんて。僕と僕の家族、そしてLSUにとって大切な方です。大学はコーチと一生契約するべきだと思います。その価値はありますよ」

と笑いを取るところもいい。そしてコーチ・オーのまんまる顔が感激で紅潮してるところが、とってもいい。オハイオ大学、ルイジアナ州立大学のコーチ陣、チームメイト、自分を受け入れてくれたルイジアナ州のみなさんに感謝の言葉を尽くしたスピーチでした。

このスピーチの後、バローくんの故郷オハイオ州アセンズには全米からたくさんの寄付が寄せられたと報道されました。食料品を配布する慈善団体の1年間予算は約800万円のところ、なんと1週間で5千万円近くも。また、LSUの地元バトンルージュの慈善団体にも、このスピーチの後、寄付金が殺到してるとのこと。

お母さんは教師、お父さんは大学フットボールのコーチなので、バローくんがお腹を減らせていたわけじゃない。でも、そんな友達がたくさんいたに違いありません。幼いながらも、心を痛めていたんでしょう。

中学時代には、チーム分けで敬遠される下手な生徒をすすんで自分のバスケットボールチームに誘った。高校時代には、仲間はずれにされている生徒とカフェテリアで一緒に座った。大学時代には、レストランへ行く途中で見かけたホームレスの人にテイクアウトを注文して持ってきてくれた。という話も報道されています。

素晴らしい青年ではないですか。これは応援するしかないかも。

カレッジの試合はちょっとしか見てないけど、現地12月28日の準決勝オクラホマ対LSUは実況中継を見ようかな。バローくんは背が高くて、一見、足の早いトム・ブレイディ風ですよ。全米カレッジフットボール決勝は、2020年1月13日ニューオーリンズで開催予定です。

2019/12/24

【第16週】RBリンチが戻ってくることになった カーディナルス@シーホークス戦

勝つべき試合を落としました。12月22日のアリゾナ・カーディナルス戦でのシアトル・シーホークスは、オープニングドライブで颯爽とタッチダウンを決めた後、いいところ全くなし。下り坂をゴロゴロころがって、27対13の惨敗でした。

タッチダウン、パント5回、ファンブルロスト、パント2回、フィールドゴール2回、4th and 22のコンバートに失敗で試合終了。

  • Total Yards

    • ARI412
    • 224SEA
  • Turnovers

    • ARI0
    • 1SEA
  • Possession

    ARISEA
    25:0734:53
  • 1st Downs

    • ARI21
    • 13SEA

第3クォーター、フィールドゴールをブロックした場面では、ちょっと盛り上がったんですがね・・・。


このボールをタッチダウンに持ち込めたら、1ポゼ差となって逆転も見えたはずです。しかしフィールドゴールが精一杯。カーディナルスはQBカイラー・ちょこまか・マレーくんがハムストリングスを痛め、バックアップのQBハンドリーに代わったのですが、それでも追加点を防ぐことはできませんでした。

QBマレーくんはいいですね。身のこなしが早いし決断力も早い。落ち着き払って堂々としています。このコとずっと同地区か・・・。まあ、いいプレーが見れるのは嬉しいことではありますが。

カーディナルスRBドレイクの80ヤードを含め、ランディフェンスは253ヤードを走られまくり。オフェンスはOラインがボロボロでサックが5回。ファーストダウンを奪えず、攻めあぐねました。加えて、シーホークスは試合中にRBカーソンとRBプロサイスを怪我で失うという最悪の事態に。

LTブラウン、DEクラウニー、CBグリフィン、Sディグスと先発メンバーの離脱が大きく影響したのは確かです。またWRゴードン、DTウッズを試合出場停止処分で失いました。しかしシーズン後半にもなれば、故障者が続出するのはどのチームも同じ。決めるべきところでプレイを決められなかったのが敗因です。

RBカーソンは腰の骨にヒビ、RBプロサイスは腕の骨折でシーズンエンド。LTブラウンは膝を治療する手術を月曜日に行い、プレイオフ中に復帰できる可能性もあるそうです。

RBペニーに続き、ランニングバックが合計3人も怪我で離脱って、災難続きにもほどがある。残ったのは、ルーキーRBホーマーくんひとり。

試合後の絶望感は半端なかったですが、なんと、ビーストモードことマーション・リンチが戻ってくることになりました。2012年ドラフトで指名したRBロバート・タービンとも契約完了。

リンチはシーホークスを離れてから地元オークランド・レイダーズに2年在籍、タービンはブラウンズ、カウボーイズ、コルツとチームを転々とした後フリーエージェントとなっていました。

「何を今さら・・・」とか思っているそこのキミ!今さらだっていいじゃないか。チームは誰かの助けが必要で、それを買って出てくれた人がいるんです。タービン、むっちゃ嬉しそうだし、リンチもやる気満々の様子ですよ。「シアトルにはやり残した仕事があるんだ」なんつってるし。

試合後の絶望から一夜経ち、明日に向けての希望が見えて来たのはデカい。どこまで行けるか分からんけど、行ってみようじゃありませんか。

ということで、この敗戦でバイウィークは逃したかもしれないけど(悔しい・・・)プレイオフ出場することには間違いないので、しっかり応援して行きましょう。レッツゴー―――!

2019/12/18

【第15週】幻のジョシュ・ゴードン58ヤードキャッチ!シーホークス@パンサーズ

現地12月15日、シアトル・シーホークスはカロライナ・パンサーズに30対24で勝ちました。同地区のロサンゼルス・ラムズ、サンフランシスコ・49ersが負けたため、暫定NFC1位でプレイオフ出場が決定しました。

わーい!と喜んでいた翌日、WRジョシュ・ゴードンの無期限試合出場停止というニュースが飛び込んできました。NFLの薬物使用規定に違反したためです。過去にも同様な処分を受けており、これが5度目。シーホークスでの立ち直りが期待されていただけに、本当に残念です。

ツイッターもインスタも、すでにアカウントが削除されていました。依存症から立ち直るのは相当に困難なことだと思います。でも何回リバウンドしたって、もう一度挑戦するしかない。克服してくれることを祈ります。

シーホークスでは5試合に出場し、レシーブ回数は7回。パンサーズ戦ではレシーブ1回でしたが、それが58ヤードのキャッチでした。


すご!!!こんなプレー、もう見れないんでしょうか。夢を見させてほしいのにな・・・。

この試合は、立ち上がりから3連続タッチダウンというシーホークスらしからぬ試合運びとなりました。第4クォーター中盤では30対10とリードしていたので、んまあ、こんなこともあるのね❤とちょっと安心したスキにタッチダウンを2回許し、結局最後は1ポゼッション差を守りきっての勝利でした。

嬉しかったのは、WRタイラー・ロケットの復調です。んもう何週間ぶりでしょうか、こんなキャッチを見るのは。


レシーブ8回で120ヤード、タッチダウンが1。最後のドライブでは、2ミニッツウォーニング前の3rd and 11という正念場で、スクランブルしたQBウィルソンからのパスをキャッチ。タイラーったら、もう頼りになるぅ。実はまだインフルエンザが抜けきっていないと話していましたが、これからもっと調子を上げてくれるといいな。

RBカーソンも133ヤード、タッチダウン2と力強い走りでチームを牽引しました。正直、ファンブルしないかとヒヤヒヤしているので、見ている方も力が入ります。

ディフェンス陣は、DEクラウニー、DEアンサー、LBケンドリックス、CBグリフィンが欠場。後半、Sディグス、LBワグナーが怪我で途中退場となりました。この時期、主力選手の負傷にはドキッとします。ふたりとも足首の捻挫で、ワグナーの方が軽症らしい。次の試合は「怪我なんか無視して出場する」そうですが、いいんでしょうか。

また、KJ・ライトが2回連続でインターセプトに成功、ワグナーも1回インターセプトを記録しました。

オフェンスが調子を取り戻しつつ、ディフェンスは怪我人が多くてちょっと心配といったところでしょうか。この時期、どのチームでも負傷者が多く、それが勝敗に大きく影響するのは必至。できるだけベストの状態で試合できることを祈るばかりです。

あっという間にレギュラーシーズンは2試合を残すまでになりました。なんか寂しいような気もするけど、プレイオフも楽しみです!

2019/12/13

ブロンコスのバズ・ライトイヤー🌟ドリュー・ロックの登場

新しいスターが誕生したという噂をみなさん聞きましたか。デンバーの山のあたりに出現したそうですよ。その名はドリュー・ロックくん。

12月8日、ニューイングランド・ペイトリオッツを破ったばかりのヒューストン・テキサンズと対戦し、パスヤード309、タッチダウン3回、38対24でデンバー・ブロンコスを勝利に導き、一躍注目を浴びました。

今年は絶不調のブロンコスですから、大方がテキサンズの勝利を予想していたのですが、前半終了時点ですでに31対3!いったいどうした?何が起こった?と思ったでしょ?どうやらロックくんが爆発したらしいんです。

今年のドラフト2巡全体42位でブロンコスに指名されたロックくんは、プレシーズンで親指を負傷しIR(故障者リスト)に入りましたが、11月末に復帰。初先発が13週のロサンゼルス・チャージャーズ戦で、23対20で勝ち星を拾っています。そしてテキサンズにも勝ち、プロ入り2連勝。


腕のボタンを押してレーザービームを発射するのは、バズ・ライトイヤーのまねだって。ガキ・・・・・。小学生かよ・・・・・。

プレイコールが書いてあるリストバンドが大きいので、練習の時からオフェンシブラインの選手にバズ・ライトイヤー呼ばわりされていたそうです。土曜日のウォークスルーの時に、「タッチダウンを決めたらレーザー発射しろよ」と言われて承諾したと話していました。トイ・ストーリーは4作中1作めが一番好きとも。

突然現れたルーキーが大活躍してチームを救うって、絵に描いたようなシナリオではないですか。希望が、ずっと遠くではあっても、見えてくるっていいですね。クォーターバックを褒めまくることで有名なLBボン・ミラーさんは「ヤツは、すんげーロックスターだぜ」とさっそく煽っていました。

第15週は、ブロンコスがアローヘッドスタジアムでカンザスシティ・チーフスと対戦します。ドリュー・ロック対パトリック・マホームズという期待の星対決。

チーフスHCリードさんが、ふたりのような若いクォーターバックの台頭は「リーグにとって望ましいことだネ」と発言すると、ブロンコスHCファンジオさんは「リーグなんかどーでもええねん。ブロンコスにとって望ましいんや!」と返していました。ふふふ。

さて、ドリュー・ロックくんはミズーリ州出身で、カンサスシティは地元です。子どもの頃からのチーフスファンで、高校はアローヘッドスタジアムから24キロメートル離れたところにありました。大学も地元ミズーリ大学に進学し、1年生の時にここで試合をした経験もあります。

チーフス戦には、家族、親戚、友人など50人以上が応援に訪れる予定です。ロックくんの父親もミズーリ大学の元フットボール選手で、その時のコーチがなんと、HCアンディ・リードさんだったという縁も。

そしてまた、ドリュー・ロックくんは、チーフスのオーナーの娘さんと付き合ってたことがあるそうな。今は別のかわいい彼女がいるみたいですけどぉー。インスタで仲良くしてました。

ということで、今週のブロンコス対チーフス戦はけっこう気になる試合です。シーホークス戦と同じ時間帯なので、時々様子を伺う感じでチェックしようかな。楽な試合にはならないと思いますが、ブロンコスがんばれ。あっと驚く試合を期待しています。

2019/12/11

【第14週】勢いに負けてドカーンと撃沈 シーホークス@ラムズ戦

12月8日のサンデーナイトは、今シーズン2戦目の対ロサンゼルス・ラムズ戦でした。シアトル・シーホークスはオフェンスが攻めきれず、ディフェンスもあっさりとヤードを許して大苦戦。結局12対28で敗戦となりました。

5連勝でシーホークスが浮かれていたのか、プレイオフ出場をかけるラムズの執念が強かったのか。ドロップがあり、タックルが遅れ、肝心な場面でのミスが墓穴を掘りました。

試合はシーホークスがフィールドゴールで先制点。しかしラムズが連続タッチダウンを決めて流れに乗ります。ゴール前24ヤードから(めずらしく)4th and 1に挑戦したシーホークスでしたが、WRターナーがパスをキャッチできずに無得点。次のドライブでは、サードダウンでTEホリスターがドロップし、攻撃が停滞しました。

ディフェンスは、RBガーリーの力強い走りを止められず、またQBゴフに長いパスを許します。為す術もなく、あれよあれよという間に追加点。ラムズのテンポの早いオフェンスに、ディフェンス陣が戸惑う場面もあり、パスラッシュも不発でした。前半を終わって、3対21と3ポゼッション差。

後半に入ると、まず頼りになる元ライオンズSディグスがピック6で勢いを上げます。プレッシャーをかけるLBシャキーム・グリフィンにも注目。


Sディグスは次のドライブでもインターセプトに成功。ラムズのフィールドゴールをブロックした時には逆転の可能性も見えたのですが、どうしてもオフェンスが突破口を見つけられません。パントを繰り返すうちに、ラムズに再びタッチダウンを許し、結局16点差で試合終了となりました。この試合でのシーホークスのタッチダウンはディフェンスが得点したピック6のみ。

オフェンスもディフェンスもラムズが上を行きました。最近減ってきた反則も多かった。対策を練り、それを決行したラムズのコーチと選手に完敗です。

さて、この試合でWRメトカーフに1対1でついていたのがCBラムジーでした。例によって、レシーバーを煽る言葉を吐きまくっていたのでしょうが、とうとうどつきあいになりました。先に手を出しちゃったメトカーフがアンネセサリラフネスの反則を取られるハメに。




でもその後、3rd and 22でラムジーを抜いて35ヤードゲインしてました。パチパチパチ。このマッチアップは来年も大いに期待したいです。ラムジーなんかに負けてられっかー。キリキリ舞させてやれー。

非常に残念ですが、この試合ではRBラシャード・ペニーが膝を痛めてシーズンエンドとなりました。ACL断裂の他にもダメージがあったと報道されています。最近力を発揮していただけに惜しまれます。来年のパワーアップしたカムバックを祈りましょう。

なんだか踏んだり蹴ったりの試合でしたね。ふう。これはこれで反省し、さっさと忘れるのが一番ですかね。だってもう次の試合が迫ってるし、前を見て進んで行こう。

あと3試合、できればバイウィークをもらってのプレイオフ出場がいいんだけど。気を引き締めて頑張ってーーーー!

2019/12/07

【第13週】ドカドカ走ってとうとう地区首位に躍り出た バイキングス@シーホークス戦

みなさん、こんにちは。いよいよ終盤戦へ突入し、プレイオフに向けて盛り上がって来たNFLです。シアトル・シーホークスはホームでミネソタ・バイキングと対戦し、37対30で勝利を収めました。これで10勝2敗。サンフランシスコ・49ersと並び、そして前回ナイナーズ戦に勝っているので、NFL西地区1位に躍り出ました。やったー!

第2シードだとバイウィークがもらえるので、これは大きい!あと4試合を残していますが、休みをもらえるスケジュールがいいなぁ。

この試合では、シーホークスが怒涛のランで218ヤードを走りまくりました。RBカーソンがキャリー23回102ヤード、RBペニーがキャリー15回74ヤード、タッチダウンがひとつずつ。

こんなラン主体のオフェンスを久々に見て、ちょっと懐かしい気持ちになりました。去年なんか、結果が出ないのに頑固にランばっかやってた印象があります。でも今年はヤードを稼げる。そしてパスもできる。オフェンシブラインもかなりレベルアップしたのだと思います。素晴らしいなあ❤

ランが出ればポゼッションの時間が長くなり、試合をコントロールすることができます。その間ディフェンス陣は体を休めることができるという一石二鳥。

去年はハイパーオフェンスが脚光を浴びていたのに、今年はランでガンガン攻めるレイブンズ、ナイナーズが勝ち星を上げ続けているという状況です。時の流れって早すぎやしませんか?

ランで攻め、ディフェンスが大事な場面で守りきるという、こんな試合をHCキャロルさんはずっとやりたかったに違いない。それがやっと実りつつある今日この頃。見ている方も感無量です。


Team Stats


  • Total Yards

    • MIN354
    • 444SEA
  • Turnovers

    • MIN3
    • 2SEA
  • Possession

    MINSEA
    39:4520:15
  • 1st Downs

    • MIN17
    • 24SEA

試合はまずバイキングスが先制点をあげましたが、シーホークスも次のドライブで同点に。ところが第2クォーターでまさかのターンオーバー。QBウィルソンのパスがブロックされ、跳ね返ったボールを地面に叩き落とそうとしたところ、(背が低いので)ボールが浮き、ディフェンダーにピックされてしまいました。あちゃー。
しかしこんなことでは平常心が揺らいだりしないウィルソンです。悔しい顔も見せず、淡々とベンチに戻っていました。本当のところは知らんけど、こういうところが、本当にこの人らしい。

前半はバイキングスに10対17とリードされましたが、後半に入るとシーホークスオフェンスが爆発し34対17まで点差を広げます。この試合はもらったね!と安心しかけましたが、例によって楽な試合はしたくないシーホークスです。バイキングスにあっさり連続タッチダウンを許し、第4クォーター残り7分で34対30まで追いつかれました。

またもや1ポゼ差の試合。一応リードはしているので、負けるはずはないという確信は(かすかに)ありましたが、なにせフットボール。何が起こるか分かりません。幸いディフェンス陣が守りきり、最後はバイキングスのキックリターンをファンブルに抑えて試合終了となりました。

さて、この試合ではシーホークスのスペシャルチームがトリックプレーを披露。今シーズン初めてのフェイクパントかな?
自陣32ヤードからの4th and 3。25番ホーマーがスナップされたボールを抱えて29ヤードを走り抜けました!誰かと思ったら、ドラフト6巡指名のルーキーランニングバックで、プロ入り初キャリーです。

全然緊張しなかったと試合後に語っていたトラビス・ホーマーくん。ツイッターを覗いてみると、かめはめ波を披露したり、「うちは一族」と名乗ったりと、アニメファンらしいです。

インフルエンザを患っていたWRロケットに代わってキックリターンを努め、試合終了間際にファンブルをカバーしたのもこの人。チラッと見ただけですが、笑顔がかわいい好青年風ですよ。これからも出番があるといいなぁ。

今週はチーム内でインフルエンザが流行していました。CBフラワーズはマスク着用で嘔吐しながら練習を続け、WRムーアは食事ができず体重が5キロ減りました。病気と戦うレシーバーを元気づけ、世話してくれたTEルーク・ウィルソン(カナダ出身)に感謝の気持ちをこめて、メープルリーフ柄パジャマ姿で登場したというロケット&ムーアたんがこちら。
ハムストリングスの負傷で欠場が続いているTEウィルソンですが、そろそろまたフィールドで勇姿を見せてほしいです。

ということで、残すはあと4試合。どの試合も落とせません。チームの力はついてきていると思うので、ここからまた調子を上げていってほしいです。実は、WRジョシュ・ゴードンの活躍もひそかに期待しているところです。ひょっとして次のラムズ戦?

レッツゴーーーー!!!

2019/11/29

【第12週】ターンオーバー祭りの中ペニーが快走🏃🏾 シーホークス@イーグルス戦

バイウィーク開けのシアトル・シーホークスはフィラデルフィアでイーグルスと戦い、17対9で勝利を収めました。これで通算9勝2敗。

シーホークスは、49ers戦で大活躍したDEクラウニーが欠場する一方、イーグルスは先発レシーバー3人、ランニングバック、オフェンシブライン2人が欠場というかなり厳しい態勢。国旗が激しくはためき、審判のスラックスもバタバタする強風の中、ボールがこぼれまくり両チーム合わせてファンブル6回、インターセプト3回。ターンオーバーの争いに勝ったシーホークスが試合を制することとなりました。


Team Stats


  • Total Yards

    • SEA348
    • 344PHI
  • Turnovers

    • SEA2
    • 5PHI
  • Possession

    SEAPHI
    31:5328:07
  • 1st Downs

    • SEA14
    • 23PHI

ペナルティも多く(イーグルス2に対しシーホークス12)、シーホークスのオフェンスはリズムがつかめません。WRメトカーフは要所でのミスキャッチが2回。QBウィルソンは、エンドゾーンでフリーになったTEホリスターへのパスが浮き、なんとタッチダウンを逃しました。がーん。

前半のハイライトはこのフリーフリッカーでしょうか。イーグルスにフィールドゴールで先制点を許した直後のドライブでした。


Cジョーイ・ハントのブロックにも注目してください。ナイスプレイ!ね!

DEクラウニーの欠場で心配されていたディフェンスですが、激しいパスラッシュでイーグルスQBウェンツを苦しめていました。焦ってのパスも多く、レシーバーとの息が合っていないのかミスの連続でスタンドからもブーイングが出る始末。MVP候補になった年もあったのに、いったいどうしてしまったんでしょうか。

イーグルスのオフェンスが精彩を欠いていたので、負ける気はしませんでしたが、試合は10対3の均衡を保ったまま第4クォーターに突入。1ポゼ差じゃちょっと心配・・・と思っていると、RBペニーの58ヤードランが飛び出ました。


この試合では14キャリー、129ヤード。プロ入り自己最高記録となりました。

2018年ドラフトの1巡27位指名。ランニングバックでは全体2位サキオン・バークリー(ジャイアンツ)の次に選ばれ、同期にはソニー・ミシェル(ペイトリオッツ)、ニック・チャブ(ブラウンズ)、フィリップ・リンジー(ブロンコス)もいます。

しかしRBクリス・カーソンの影に隠れ、なかなか出番がありませんでした。49ers戦ではキャリー2回で計2ヤード、ファンブルロスト1と良いところが全くありませんでしたが、この試合で一矢を報いました。

試合後の記者会見では、辛抱して自分のチャンスを待っていたこと、プロフェッショナルとして体調管理に努めたことが、この日のプレーにつながったと話していました。

「マクドナルドで食べるのをやめたんだ。辛かったよ。だけどフットボールに真剣になったんだ。ランニングバックには、正しい体重と体型がものを言う。カーソンから学んだんだ。彼のようになろうって」

今では栄養士を雇い、ブロッコリーなど緑色の野菜をよく食べるようにしています。昨年はオフシーズンを軽く考え、シーズン中に体重が増えていたことも告白。もっと真面目に取り組むようコーチに指示されていたようです。

この試合をきっかけに、出場機会が増えるかもしれません。カーソンとのワンツーパンチで後半戦の活躍を期待したいと思います。

この試合ではLBシャキーム・グリフィンも出番が増えました。スナップ76回中25回(33%)に出場しタックル1、QBヒット2。あと少しでサック!という場面もありました。惜しかったー。

パスラッシュでQBを倒したと思ったら、ずっと前の方までボールを追いかけ、ファンブルしたボールを拾うというハッスルプレーも。


今シーズン中にぜひ、LBシャキール・グリフィンの初サックを見たいなあ。ファン一同の願いです。

オフェンスがイマイチだったこの試合、ディフェンスが勝利に大きく貢献しました。ここ2試合メキメキ調子を上げてきたようで、期待に胸が大きく膨らみます。ディフェンスがイケるなら、オフェンスは悪くないし、けっこう先まで行けるんじゃないでしょうか。

最後のストレッチはギリギリの試合が続くでしょうが、持ち前の勝負強さでなんとか乗り越えてほしいです。あとは怪我人が出ないことを祈るのみ。最終戦に向けてレッツゴーーーーー!

2019/11/15

【第10週】マンデーナイトの激突を勝利で飾った シーホークス@49ers戦

NFC西地区の大一番となった11月11日のマンデーナイトは、ここまで8連勝のサンフランシスコ・49ersとシアトル・シーホークス(7勝2敗)が対戦し、延長の末、シーホークスが27対24で勝利を収めました。

ターンオーバーが両チーム合わせて7つ。ファンブルあり、インターセプトあり、ファインプレーがあらゆる場面で炸裂しました。激しいぶつかり合いの中、ピンチとチャンスが入り乱れ、見どころ満載。

こんな試合を見せてくれて、フットボールの神様ありがとう!


Team Stats


  • Total Yards

    • SEA336
    • 302SF
  • Turnovers

    • SEA4
    • 3SF
  • Possession

    SEASF
    34:4135:19
  • 1st Downs

    • SEA19
    • 21SF


立ち上がりは、ナイナーズがダントツで優勢。ドッカーンとこんなサックをくらい、圧倒されたシーホークス。ええええ・・・。

フィールドゴール、タッチダウンと失点が続く一方、シーホークスの攻撃はファーストダウンが奪えず連続2回の3凡退。これはボロ負けパターンか(汗)と不安がよぎりましたが、その後はディフェンスが踏ん張りました。

第2クォーター終盤ではDEクラウニーがファンブルリカバリーからタッチダウン。10対7として、流れを一気に変えました。

前半終了前には敵陣27ヤードまで攻め込み、逆転のチャンスが訪れましたが、WRメトカーフがボールをむしり取られました。ゴールライン前で、ナイナーズのディフェンスともみ合ってたんですが、こんなに外に出てもいいの?ほんとに?審判がリビューしてたからいいんでしょうが、腑に落ちません。


第3クォーターでは、シーホークスとして初出場のSディグズがインターセプトに成功、さらにQBガロポロのファンブルをDEフォードがリカバリー。2つのターンオーバーをタッチダウンに結びつけて、シーホークスが21対10と逆転しました。

しかし第4クォーターでは、まさかのファンブルロストでナイナーズにTDを奪われました。QBウィルソンが持っていたボールが、どういうわけかRTイフェティの手に渡り、それを叩かれて持ち逃げされるという悪夢。あちゃー。

結局24対24で延長戦へと突入することに。コイントスに勝ち、QBウィルソンのサヨナラ勝ちのお膳立てが揃い、筋書き通りにゴール前まで攻め込み、そしてタッチダウン用のふんわりパスを放ったら、なんとそれがインターセプト。

万事休すとなりましたが、ナイナーズが決勝の47ヤードフィールドゴールに失敗。ボールがまたもやQBウィルソンに戻り、最後はKマイヤーズが42ヤードキックを決めて試合終了となりました。

マイヤーズくんを抱え上げるシーホークスの選手たち。要所で選手全員が貢献し、みんなで勝ち取った勝利でした。CBグリフィンのサードダウンでのディフェンス、WRゴードンのサードダウンでのパスキャッチ、インターセプトのリターンをタックルで防いだOTブラウン。

DEクラウニー、Sディグス、WRゴードンを連れてきたGMシュナイダーさんの手腕にも拍手を送りたい。

QBウィルソンの勝負強さ、スクランブルからのスーパープレイにも驚きますが、印象に残っているのは、延長戦でインターセプトを投げたあと。

ベンチでのウィルソンをカメラが捉えましたが、なんか清々しい顔してるんですよ。後悔とか残念とかそういう気持ちが全くない。次に切り替え、淡々と勝利を信じている姿が尋常じゃないです。こんな人、なかなかいない。

ディフェンスが心配だったシーホークスですが、ナイナーズのランを封鎖し、予想以上の出来。大爆発のDEクラウニーは、5タックル、5QBヒット、1サック、1ファンブルフォース、1ファンブルリカバリー、1タッチダウンという成績ですが、このスタッツ以上に試合を撹乱したと思います。

いや、すごかった、クラウニー。なんでテキサンズはこの人を放出したんでしょうか?そのうえサラリーの7億円分を払ってくれてるんですよ。ありがたすぎるにも程がある。

試合後、「ジェラート」とかワケのわからんシャツ着てるところも気になります。古着屋とか格安スーパーのセールじゃないすよね。単にジェラートが好きだから?


1分50秒を残してナイナーズのボールとなった延長戦。シーホークスのタイムアウトはすでになく、ナイナーズはニールダウンで引き分けに持ち込むこともできました。全体の勝率を考えると、その選択も有りだったのでは、と後日報道されていました。

ナイナーズはこれでパッカーズ、セインツ、シーホークスと1ゲーム差となり、NFCはいよいよ混戦模様となりました。後半戦がますます盛り上がりそう。

第11週はシーホークスがバイウィークです。WRタイラー・ロケットくんには足の負傷を治してもらい、選手のみなさんも体を休ませてほしい。8勝2敗となり、残された6戦も厳しい戦いが待っていますが、プレイオフがその向こうに見えてきました。

山を乗り越えたディフェンス陣に大いに期待しよーーーーー!