マホームズだメイフィールドだと新人クォーターバックばかり騒がれている昨今ですが、みなさん、ニューオーリンズ・セインツQBドリュー・ブリーズの輝かしい記録が、すぐそこまで来ていますよ。
パッシングヤードで歴代1位になる、その日が。
現時点(2018年10月4日)での記録は
ランク | 選手名 | ヤード |
1 | ペイトン・マニング | 71,940 |
2 | ブレット・ファーブ | 71,838 |
3 | ドリュー・ブリース | 71,740 |
4 | トム・ブレイディ | 67,418 |
あと98ヤードでブレット・ファーブ、200ヤードでペイトン・マニングに並ぶところまでせまっているこの記録。ひょっとして今週のマンデーナイト、ワシントン・レッドスキンズ戦で新記録設立となるかも。今シーズン4試合を終って、最低記録がジャイアンツ戦の217ヤードですから、いくっしょ。
6フィート(183cm)と小柄な体格。アーロン・ロジャースやトム・ブレイディに比べて過小評価されがち(?)かもしれませんが、ガッツあるプレイでファンの心をつかみ、全幅の信頼を置けるQBです。でしょ?みんなブリーズ好きですよね!
5000ヤードを記録したシーズンはこれまでに5回あり、最近では2016年に5208ヤードを投げています。トム・ブレイディ、ペイトン・マニング、ダン・マリノ、マシュー・スタフォードらも5000ヤードを記録していますが、全員が1シーズンのみの成績。それに対して、ブリーズときたら5回も達成しているんですよ!すご!
パスの
コンプリート数はすでに歴代1位、
パスタッチダウンは4位。言うことなしの成績ではありませんか。しかしニューオーリンズに移籍した2006年当時は、20ヤードパスもままならず、肩の故障からの
復帰が危ぶまれていたという話も。
というわけで、NFLの小さな巨人
ドリュー・ブリーズのこれまでを振り返ってみます!
2001年、2巡トップで当時のサンディエゴ・チャージャーズに入団。クォーターバックとしては、全体1位のマイケル・ビックに次ぎ、2人目の指名でした。
2001年11月4日 第8週 対チーフス戦
プロ入り初試合は、先発QBダグ・フルーティが故障したための代役でした。最初のドロップバックでファンブルし、それをリカバー。19対0の劣勢から20対19と逆転したものの、最後は25対20で敗戦となりました。プロ入り初タッチダウンを記録。1年目の出場はこの試合のみに終わりました。
2002年9月29日 第4週 ペイトリオッツ戦
2年目で先発QBへと昇格し、最初の4試合に勝利。前年スーパーボウル優勝を果たしているペイトリオッツ&トム・ブレイディには21対14で投げ勝ちました。この年の記録は8勝8敗、3284ヤード、17タッチダウン、16インターセプション。
2003年11月2日 第8週 ベアーズ戦
開幕から1勝7敗。8週目のベアーズ戦の途中で降板し、その後6週間QBフルーティに先発の座を明け渡しました。「これまでこんなに落胆したことはない」と後にブリーズは語っています。この年は11試合に出場して2勝9敗。
2004年10月3日 第4週 タイタンズ戦
1勝2敗で迎えた4試合目、調子の上がらないブリーズに、コーチは「いつでも代わりは控えている」と通告しました。チームはドラフト1巡でQBフィリップ・リバースを指名したばかり。奮起したブリーズはこの試合38対17で勝利を収め、12勝4敗でシーズンを終了。初めてプロボウルに選出され、NFLカムバック選手賞にも選ばれました。
2005年12月31日 第17週 ブロンコス戦
9勝7敗シーズンの消化試合。ファンブルしたボールをリカバーしようと飛び込み、利き腕の肩関節を全面損傷します。シーズン終了後、ブリーズに興味を示したのはドルフィンズとセインツのみでした。結局、肩への不安からドルフィンズがオファーを辞退し、ショーン・ペイトンが新コーチとなったセインツと契約が成立しました。
「選手生命を絶つ肩の故障。そういう認識だった。しかし、彼は弛まぬ努力を続けたんだ。信じられないカムバックだ。今でもプレイし続けている」
と語るのは肩の手術を執刀したお医者さんです。
2008年12月28日 第17週 パンサーズ戦
1シーズンで5000ヤードを記録するNFL史上二人目の選手となりました。ダン・マリノの5084ヤードに15ヤード足りない記録でしたが、以後これを破る記録も打ち立てました。2011年、2012年、2013年、2016年にも5000ヤード以上を記録しています。2シーズン以上5000ヤード記録を持っているのはブリーズの他には誰もいません。
2009年9月13日 第1週 ライオンズ戦
初戦で自己最高の6タッチダウンを記録。358ヤードを投げ45対27で勝利を収めました。13連勝と快進撃を続け、スーパーボウルを勝ち取ります。ニューオーリンズに始めてトロフィーを持ち帰りました。
2011年12月26日 第16週 ファルコンズ戦
ダン・マリノが持っていたシーズンパッシングヤード記録(5084)大幅にを打ち砕きました。この年の記録は、5476ヤード、46タッチダウン、14インターセプト。「一人の名前しか記録には残らないが、これはみんなのものだ」とロッカールームでスピーチし、チームメイトを始めスタッフ全員へ感謝の気持ちを表しました。
2015年1月1日 第8週 ジャイアンツ戦
1試合で7タッチダウンを記録する史上8人目の選手となりました。対戦相手のQBイーライ・マニングも6タッチダウンで、52対49と接戦に。ブリーズはパス50回中39回成功、505ヤード。自己2番目の成績でした。
2016年9月11日 第1週 レイダーズ戦
自己最高となる
98ヤードタッチダウンパスをWRブランディン・クックスがエンドゾーンに持ち込みました。シーズン後半には両者が再び
87ヤードTDを記録。ブリーズにとって2番目に長い記録となりました。
2018年9月23日 第3週 ファルコンズ戦
3タッチダウンパスと自らの2タッチダウンランで、延長戦を43対37で勝利に導きました。第4クォーターではタックルをかわすスピンムーブを披露。18年間のキャリアで第4クォーター又はオーバータイムでの逆転は42回あります。
ということでマンデーナイトは全国放送。ホームでの試合。「5週目の試合をマンデーナイトにしたのには理由があるだろうね。僕たちは馬鹿じゃないよ」と笑ってコメントしていたドリュー・ブリーズ。記録よりもまず、セインツの4連勝が大事だとも語っています。
ブリーズがセインツに移籍したのはハリケーン・カトリーナでニューオーリンズが多大な被害を負った年の冬。初めて訪れた際、新HCペイトンが車で案内の途中、被災の傷跡が残る地域に迷い込みました。崩れた家屋や、道の真ん中に船が転がっているのを目撃し、この地域の復興に協力したいと思ったと語っています。
前年カウボーイズのアシスタントコーチを務めていたHC
ショーン・ペイトンは、ニューオーリンズには来たくなかったのだとインタビューで話していました。パッカーズのヘッドコーチ職にも面接に行き、決まるだろうと思っていたのに、HCマッカーシーが就任したとの知らせを聞いて、電話をホテルのベットに叩きつけたそうです。ww
QBドリュー・ブリーズ、HCショーン・ペイトン、そしてセインツが復興を目指すニューオーリンズの人たちの希望となったのではないでしょうか。地域の人といっしょになってコミュニティを盛り上げていく、そういうのもスポーツの醍醐味ですよね。
マンデーナイト、レッドスキンズ対セインツ戦に注目です!