2019/08/28

アンドリュー・ラックが突然引退した8月の終わり

9月の開幕を控えた8月24日、インディアナポリス・コルツのクォーターバック、アンドリュー・ラックさんが突然の引退を発表しました。

えーーーーっ?!?!と激震が走ったNFL界隈です。なぜ一体この時期に?肩の故障から復帰した昨シーズンはパス率とレーティングで自己最高記録を残し、最優秀カムバック選手賞にも選ばれました。やっとQBを守るオフェンシブラインが確立しチームが成長。今シーズンはより飛躍の年と期待されていたのではなかったか。

インディアナポリスでのプレシーズン、コルツ対シカゴ・ベアーズ戦中に速報が流れ、ラックさんがスタジアムを退出する際には大きなブーイングが響き渡りました。

嘘のような突然のニュースに、ファンも取り乱していたのではないでしょうか。「え、やめる?シーズン始まるよ?スーパーボウル狙えるよ?そんな話聞いてねーよ!バカヤロー」というリアクションは容易に想像できます。落ち着いてよく考えてみれば、彼を責めることはできないと、みんな納得するのでしょうが。

「この4年間、故障、痛み、リハビリの繰り返しだった。シーズン中もオフシーズンも絶えなく、容赦なかった。身動きがとれず、ここから這い出すにはフットボールをやめるしかなかった。喜びを見いだせなくなっていた」

とラックさんは記者会見で語りました。こんな風に生きていくことはできない。悲しいけれど、これが自分にとっての最良の決断である。身体的にも精神的にも疲れ果て、これ以上続けたらフットボールへの愛情がそうでないものに変わるかもしれない。そんな気持ちが伝わってきました。



類まれなる逸材と評価され、2012年ドラフト全体1位でコルツに入団。ルーキーから3年目までは全試合に出場し11勝5敗でプレイオフにも出場。しかし体も大いに痛めつけられました。

肋骨2本の損傷。腹部筋の損傷。腎臓打撲で血尿に。少なくとも1回の脳震盪。利き腕肩関節の故障。痛みを抱えながら試合に出場し、その結果手術を受けて1年全休。今年春からはふくらはぎから足首にかけての故障が治癒しませんでした。

体ぼろぼろじゃないですか。公表されなかった怪我だってあるでしょう。打ち身。疲労。それに伴う大量の鎮痛剤。焦り。元の体に戻るのか。酷使した体の後遺症への不安。

一番虚しいのは、彼の才能、本当の力を発揮させる事ができずに現役を終わらせてしまったのではないかというやるせなさです。だってさ、NFLの顔となる力を備えた人だったんじゃないの?チームがちゃんと育てていかなきゃならなかったのに、オフェンスラインの補強も行わず、2016年までサックやヒットされまくりだったじゃないですか。

一体どういうつもりなんだ!責任者ちょっとここに出てこい!とでも言いたいような気持ち。

改めて、NFLの選手たちの体への負担を考えさせられます。30歳でプロ生活を辞めざる負えない体になるって一体どんな。シーホークスのWRダグ・ボールドウィンさんもユニホームを脱ぎました。NEのグロンコスキーもPHIのクリス・ロングさんも辞めちゃったよね。エデルマンさんなんてまだ大丈夫なんかい?とも思います。

私たちファンは、選手のほんのひと時の、輝いている時間を見させてもらってるんやね。そしてそのひと時は、いつ終わってもおかしくない。と心に刻んで、また新しいシーズンを迎えようと思います。

アンドリュー・ラックさんのこれまでの活躍に敬意を感謝を表して、こちらのページをご紹介します。いい写真と思いません?(私は自転車に乗ってるやつが好き)

2019/08/12

アントニオ・ブラウンのややこしいヘルメット事情の巻

「僕ちゃんのヘルメットが使えないなら、もうフットボールなんかやめてやるぅー」と、関係筋に語っているというアントニオ・ブラウン。

またまたひとりドラマでNFLを盛り上げています!


レイダーズのトレーニングキャンプは欠席中。フランスで凍結療法をした際、定められた防寒靴を履かずに冷凍マシーンに入り、足に凍傷を起こしたためと報道されていました。

しかし、実は自分のヘルメットが今年から禁止になったことが不在の大きな理由であると見られます。8月9日には、NFLとNFL選手会に対して不服の申し入れをしたとのこと。

NFLでは2015年から各種ヘルメットの安全性テストが実施されてきました。規格外となったモデルは着用しないよう働きかけてきましたが、長年使ってきたヘルメットに愛着を持つ選手も多く、昨年はアントニオ・ブラウン、トム・ブレイディ、アーロン・ロジャースをはじめ、32人の選手が規格外ヘルメットを使用していました。

1年間の猶予期間ということで着用を認められていたのですが、今年から全面禁止に。

認可されたモデルは34種類。アントニオ・ブラウンのヘルメットはその中に入っていません。プロ入り以来ずっと使い続けているもので、メーカーではすでに製造中止となり、運動用具協会でも10年前のヘルメットは使用禁止とされています。

アントニオ・ブラウンが、ヘルメット規制を大いに不満としていることを、レイダーズは5月の時点から懸念していたと言われています。

NFLの記者さんによると、

● ヘルメット着用のOTAが始まる数日前、禁止されたヘルメットは用意できないことをチームはアントニオ・ブラウンに伝える。

● しかしOTAでは自分のこれまでのヘルメットを要求し、それが却下されると大声で怒鳴る。ブレイディやロジャース、QBなら認められるだろうと不満をぶちまけ練習場を引き上げる。

● レイダースのスタッフは、ロジャースがパッカーズの練習で認定済のヘルメットを使用しているビデオを確認。それをブラウンにメッセージで伝える。

● 翌日ブラウンは何事もなかったように現れ、用具マネージャーから手渡された新しいヘルメットをつけて練習に参加。不平不満は全くなし。

● その1−2週間後、ブラウンは自身の古いヘルメットをシルバー&ブラックに塗り替え、練習に着用。(ロゴは真似をしたものだと一目瞭然)

● 使用禁止を告げられると、おとなしく新しいヘルメットに変えて練習を続ける。ヘルメット問題は解決したとチームは認識し、トレーニングキャンプへ臨む。

● キャンプ直前、痛めた足の様子をみながら練習するブラウンは、再び古いヘルメットを持ち込もうとしてスタッフに注意される。

という経過も報道されています。

「まだ怒ってんじゃないの。しばらく練習に来てないもの。どこにいるか誰も知らないよ」

「こんなバカげた話は聞いたことない。なんでそんな事にこだわるんだろう。訳が分からない」と語るレイダースの選手もいるとのこと。

かなりややこしい話のようです。本人は「他のヘルメットは視界が遮られて支障をきたす」と主張しているらしいですが、32個のうち一つくらいはイイのがありそうじゃありませんか?それに10年も経ったらヘルメットのテクノロジーだって進歩しているのではないですか。

本日の報道では、「リーグが強要するヘルメットつけて頭に怪我したら、損害賠償で訴えるかんね」と、ブラウン側の弁護士チームがNFLを脅しているとも伝えられました。

ほんまかいな。だって怪我を防ぐためNFLも選手会もゲームの改善に努力しているのではないですか。

ということで、練習にもプレシーズン試合にも出場していないアントニオ・ブラウンですが、オークランド・レイダースのヘッドコーチ、ジョン・グルーデンさんはブラウンを擁護する姿勢を示しています。

「ヘルメットには個人的な思い入れがあるんだろう。彼を応援しようじゃないか。リーグにもリーグの方針があるし、難しいところだが」

「彼はヘルメットなしでもプレイするかもしれないな。そのくらいフットボールが好きなんだよ」

とかなんとか言ってます。いったいこれからどうなるのか。ひょっとしてブラウン無しでの開幕となるのかもしれません。いよいよ本番に向け、レイダース界隈も注目していきたいと思っています。


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UPDATE

8月12日、NFLへの申し立ては仲裁人が却下したと報道されました。アントニオ・ブラウンは、さっそくインスタグラムで「決定には納得はいかないが、早く健康な体に戻ってチームに貢献するつもりだ。足のことみんな心配してくれてありがとね」と声明を発表。

なーんだ、これで終わりぃ?物足りない気持ちがするのは私だけでしょうか。もうちょっと盛り上がって欲しかった・・・。

2019/08/04

キャンプ2日目にボビー・ワグナーが3年の契約更新

みなさん、こんにちは。お元気ですか。更新が遅れ気味の昨今ですが、もっと書きたいとは思っています。ぜひ改善していきたいです。(汗)それはともかく、トレーニングキャンプが始まりましたね!(ってこれも今さら感😣)待ちに待ったシーズンがもうすぐそこに。盛り上がって行こうではありませんか!

さて、シアトル・シーホークスのキャンプが始まって2日目、やっとLBボビー・ワグナーさんの契約更新が発表されました。


3年で54億円、そのうち40.2億円が保証済み。インサイドラインバッカーではリーグ最高の契約額とのこと。エージェントを使わず、ワグナーさん本人が球団側と交渉を重ね、大きな結果を出しました。契約交渉中の選手にありがちなホールドアウトはせず、OTAとキャンプにも参加。ただ、契約前の怪我を回避するため、サイドラインで声を上げたり、後輩を指導したりが主だったようです。

シーズン前に決着がついて、本人もチームもチームメイトも、そしてファン一同ホッと一息。さあ開幕に向けてレッツゴーーーー!

契約交渉のプロセスは、実社会での経験を積む学びの場だったとボビー・ワグナーさんは語っています。

「自分への挑戦でもあったし、選手にも(契約に)他の選択肢があることを示したかった。エージェントがいてもいなくても、自分たちで学ぶことが大切なんだ。自分が携わっているビジネスなんだから。

周知の事実として、引退後に破産したり、財産の管理ができない選手が多くいる。現役時代にもっと学ぶ必要がある。引退してからやっと考え始めるのではなくて。

僕にとってはこれが学びの場になった。現実の社会で実際の経験を積むという。もちろん厳しいことも言われる。聞きたくないことも聞かねばならない。だけどやらなきゃ」

夏のはじめには、ナイキのジョーダンブランドに所属するアスリートの集まりがフランスで開かれ、元シーホークスのFSアール・トーマスと共に参加。NBAチャンピオンでもあり、シャーロッテ・ホーネッツのオーナーでもあるマイケル・ジョーダンと会いアドバイスをもらいました。

「彼の現役時代のことや、メンタルのコンデション、トレーニングについて、様々な話を聞いた。選手が契約交渉に来た時、(オーナーとして)どんな気持ちがするものなのか?選手の立場とはどう違うんだろう?僕達のために時間を取って、知識を共有してくれた。何でも聞くことができた」

と語っています。

先日、ビデオゲーム・マッデンの最高レーティング99を獲得したお祝いに、ナイキは特別プレゼントを進呈。エアジョーダンのゴールドクリーツです。


今シーズンのシーホークス・ラインバッカー陣は、ワグナーさんをはじめ、KJ・ライト、マイケル・ケンドリックスと、頼りになる選手が揃っていますが、キャンプではドラフト3巡のルーキー、コーディ・バートンくんに注目が集まっている様子です。

バートンくんによると、ワグナーさんがプレイのひとつひとつにアドバイスをくれるとか。「フットボールについて、これまでの人生よりも、この数週間でずっと多くのものを学んだ」と語っています。

ということで、シーホークス・ディフェンスの大黒柱、ボビー・ワグナーさんに今シーズンも大活躍を期待したいと思います!スーパーボウルへ連れてってーーー❗❗❗



おまけ👇ローカルな配管屋さんのコマーシャルにも出演中