2021/03/29

ひょっとしてトレバー・ローレンスより上かもしれないザック・ウィルソンの話

みなさんこんにちは。

先日、ブリカムヤング大学のプロディが行われ、QBザック・ウィルソンくんが注目を集めていました。左に流れながらの遠投に、QBトレバー・ローレンスくんも驚きの一言。

この日、ニューヨック・ジェッツはGM(ジェネラルマネージャー)、HC(ヘッドコーチ)、OC(オフェンシブコーディネーター)が揃ってプロディに出席。ナイナーズ、ファルコンズ、パンサーズ、ブロンコスのGMも参加していたようです。

噂に違わぬ強肩ウィルソンくん、ドラフト全体2位でジェッツ行き確定❗❗みたいな評判ですが、ここで、「トレバーよりザックが上やんけ」と唱えるクリス・シムズさんの説を紹介してみたいと思います。

クリス・シムズさんは元NFLクォーターバックで、現在は解説者として活躍中。昨年のドラフトではトゥア・タゴバイロアよりジャスティン・フィールドをを高く評価し、2018年にはベイカー・メイフィールド、サム・ダーノルドよりもラマー・ジャクソン、ジョシュ・アレンを評価、さらに2017年には大学で5勝7敗だったパトリック・マホームズを誰よりも高く評価していた方です。

「ウィルソンはアーロン・ロジャース、パトリック・マホームズとよく似ている。リリースがものすごく早い。どんな投げ方もできる。横から、上から、ジャンプしながら。肩の強さも超一流。カバー2の穴に、40ヤードのレーザー光線を放つ事ができる。万全の体勢でなくても60ヤード、70ヤードの爆弾を投げることができる。スーパースターだ」

とベタ褒めの様子。全体1位の呼び声高いトレバー・ローレンスについては

「1位指名に値する選手。素晴らしく肩が強い。しかしメカニクスには少し欠点がある。投球が逸れることがあるが、群を抜いた運動能力でカバーしている。体格も恵まれている。人に囲まれても上から投げることができる。投球については伸びしろがある。長身で力強いアスリートだ。ただ、投球に関しては去年のジャスティン・ハーバートの方が優れていたと思う」

とのこと。シムズさんによるランキングは、1ウィルソン、2ローレンス、3マック・ジョーンズ、4ケレン・モンド、5ジャスティン・フィールド 6トレイ・ランス という順番。

ディープボールをバシバシ決めるウィルソンくん、今シーズン30ヤード以上のパスは74%の成功率(27回中20回成功)です。こんなかんじ。


ユタ州出身のザック・ウィルソンくんは、家族でユタ大学ファンでしたが、入学のオファーはもらえず、かろうじてブリカムヤング大学に進学。9人のクォーターバックルームを勝ち抜いて先発に抜擢されますが、2年目は怪我の影響もあり低迷。先発ポジションの危機に直面します。

3年生シーズンを前にした昨年春、ウィルソンくんは、カリフォル二アのクォーターバックコーチの元へ通い詰めました。金曜午後ユタを出発し、到着は深夜。指導を受けたあと、日曜午後にはユタへ逆戻り。月曜は学校での練習がありました。片道10時間、1085 kmの道のりを毎週往復。

新型コロナのため大学の練習が中止になってからは、数週間カリフォルニアに留まり、フードデリバリーのアルバイトをしながら、練習を続けました。

春には無名だった選手が1年でドラフト株をメキメキ上げたのが、昨年のジョー・バロウ選手とよく似ています。ウィルソンくん自身も、2019年LSUバロウ選手のフィルムを繰り返し見て研究したと語っています。

ブリカムヤング大学の2020年は11勝1敗で、唯一の敗戦がコースタル・カロライナ大学戦でした。5点差を追う最後のドライブが、かなりイイ。

自陣9ヤード2nd &19のプレイをウィルソンくんは明確に記憶しています。フィルムの研究からディフェンスのカバーを読み、少しボールを持たなければならないが、右のバックショルダーならパスが通ると確信。左、ミドルを視線で牽制したあと右へ素早いパス。

「12プレイ続いたドライブの後、彼はすべてのプレイを説明できるんだ。順番に、何を見たか、どんな判断をしたのか、ディフェンスをどう攻略しようとしたか。こんな選手は見たことない」

とブリカムヤング大学のコーチが話しています。

コースタル・カロライナ戦のちょっと長めのハイライトはこちら。ザックやるね〜って感じです。

ということで、ウィルソンくんのNFLでの活躍も楽しみ。ジャガーズ首脳陣はOCベベルさんしかプロディに参加してなかったようなので、やはり1位指名ローレンスに決定済みかな❗

2021/03/25

ドラフトでWRデボンタ・スミスくんの行き先が気になる件

みなさんこんにちは。オフシーズンをいかがお過ごしでしょうか。

フリーエージェント市場真っ只中。続々と選手の契約が決まっています。来月はドラフトですが、今年はコンバインがないので、ドラフト候補生の情報も割と少なめ。クォーターバックくらいは調べようと思っていますが、まずは気になるワイドレシーバー、アラバマ大学のデボンタ・スミスくんを紹介してみます。

2020年のハイズマントロフィー受賞者となった彼。QBトレバー・ローレンス、QBマック・ジョーンズ、QBカイル・トラスクらの候補者を退け、レシーバーとしては29年ぶりの快挙です。

ご両親と地域の人たちがコミュニティセンターのホールみたいなとこで発表待ちしてるところも映ってました。小さな街の、地元のヒーローみたいな感じかな。

1月11日、全米大学フットボール選手権決勝では、アラバマ大学がオハイオ州立大を破り優勝しましたが、この試合でもスミスくんが大活躍。後半は怪我でベンチに下がったのですが、前半だけで3タッチダウン215ヤード。NBAのレブロン・ジェームズはじめ、マホームズJJ・ワットさんからも驚きの声が。

まあ見てください、この清々しい顔。体も心も健全な青少年にグサッと胸を突かれました。録画してた試合を再生して、わざわざ写真を撮っちゃった次第です。(下図)


ワイドレシーバーって派手目の人が多いじゃないですか。スミスくんは 違います。堅実。真面目。浮ついたところがない。プロに行ってもそれは変わることがない。(ドン!と机を叩く)

1年も経ったら顔なんか変わっちゃいますからね。大人になる前の一瞬の輝きを見せてもらって、本当に良かったです。

6フィート1インチ175ポンド(185cm 79kg)と細身の体つき。アラバマ大学のプロディには参加しませんでしたが、現在の体重が170ポンドと公表してスカウトをちょっとざわつかせました。そんな細くて大丈夫?ってことですね。

しかしルートランのスキルは超一流。解説している動画がこちら。

しかしながら、今年のドラフト、ワイドレシーバーはLSUのジャマー・チェイス選手がトップという評判です。この選手はスミスくんと同じ身長で体重が200ポンド。2019年にQBジョー・バロウ率いるLSUで全米チャンピオンとなり、2020年はオプトアウトしています。

スミスくんのチームメイト、アラバマ大WRジェイレン・ワドル選手も有力なドラフト候補なので、この3人がどんな順で指名されるのか、どのチームに指名されるのか、興味津々です。

ところで、スミスくんはカレッジフットボールの伝説ともなった「トゥアの逆転タッチダウン」をキャッチしたレシーバーでもあります。

2018年1月8日全米チャンピオン決定戦。前半無得点に終わったアラバマ大学は、後半クォーターバックに無名の1年生を投入。生き返ったオフェンスで、試合は延長戦にもつれ込む接戦に。サックされて大幅にヤードを失ったあと、最後の最後に逆転サヨナラタッチダウンを放ち、一躍スターとなったQBトゥア・タゴバイロア。

"True freshman to true fresh man!"って実況が叫んでますが、この時、スミスくんも大学に入ったばっかりの1年生。

で、スミスくんのツイートをのぞいてみると、一番最初に固定されてるのがこれでした。

メッセージをクリックして大きくしてみると、親しい友人とのやり取りです。

友人:おい、おい

スミス:なに?

友人:今何やってんの?

スミス:ミーティングに行くとこ

友人:今夜頑張れよ。応援してっぞ

スミス:いつもありがと

友人:今夜はお前が隠れたヒーローになる気がする。気を引き締めてけ。名前を呼ばれた時に準備万端でいろよ

スミス:もちろん

という会話を、2018年決勝戦の前に高校時代の地元の友人(たぶん)としているというドラマみたいな筋書き。

NFLでも 羽ばたく姿が見たいなー。

最近のモックドラフトでは、ライオンズが指名するかも?というのを見ましたが、さていったいどこのチームが獲得するのか。楽しみです。

2021/03/12

トレードが噂のQBラッセル・ウィルソンどこへ行くの巻

みなさんこんにちは。オフシーズンをいかがお過ごしでしょうか。

2021年シーズンが始まる3月17日を前に、選手がリリースされたり、フランチャイズタグをはられたりと、忙しそうなNFL界隈です。今年もまた、各チームともけっこう様変わりしそう。

そしてなんと、シアトル・シーホークスのQBラッセル・ウィルソンのトレードが噂になっています。シーズン終了時点では全く予想していなかった展開。ビックリです。一体なんでこうなった?ここまでの経緯をちょっと振り返ってみます。

事の起こりは2月9日のインタビューでした。

プロ入りから9年間、全試合出場はウィルソンとペイトン・マニングだけ。ウィルソンの被サックは今年47回でリーグ3番目に多い。8年連続で40回以上サックされており、これはリーグ記録。被サックはこれまで394回。このペースでいけば、あと3年(35歳)でNFL史上最もサックされたQBとなる。歴代1位ブレット・ファーブ525回(41歳)、2位トム・ブレイディ521回(43歳)と比較してもかなり多い。

という前置きがまず紹介されました。2日前のスーパーボウルが話題で、チーフスのオフェンシブラインがQBマホームズを守れなかった、バッカニアーズのTEグロンコウスキ、WRブラウン獲得にはQBブレイディが大きく影響した、などと語りつつ、当然シーホークスはどうなの?という方向に。

オフェンシブラインをもっと補強しないと。選手の獲得やチームの方針についても意見を出したい。というウィルソンの意向が、司会者のツッコミによって明らかに。

まあ、そりゃそうだよね、と思うわけです。スーパーボウルの際、観客席でコミッショナーと同席する暗〜いウィルソンが映っていました。若きマホームズ、まだ現役のブレイディを見て、オレは何処にいるんだろう、またSBに行けるのか、この先どういうキャリアを進むべきなのか、という考えが浮かぶのも自然なこと。

シアトルか・・・。オフェンシブライン問題ずっと改善されねーしな。もう10年か。環境を変えてみるのもいいかもしれない・・・。と思ったとしても何の不思議もありません。

しかしながら、プロ入り以来不満を一切述べたことがなく、お利口さんコメントばっかりと陰口を叩かれる程のウィルソンが、チームへの不信を初めて口にしたということで、業界に激震が走りました。(言い過ぎ?すんません)

シアトルのフロントは、ウィルソンが公に発言したことを遺憾に思っている、と情報筋が報告。ざわつき始めたところに、シアトル内部事情のスクープが報道されました。

2020年シーズン序盤はパスをガンガン投げて成功していたオフェンスが、中盤には攻略された。11月のビルズ戦ではウィルソンのターンオーバーが4つ(2インターセプト、2ファンブル)次のラムズ戦では3つ(2インターセプト、1ファンブル)。

アリゾナ戦の前、コーチ陣とのミーティングでウィルソンがオフェンス改善策を提示するが、即座に却下され、ウィルソンは嵐のように部屋を去った。

椅子を蹴っ飛ばしたりはしなかったでしょうが、ドアなんかバターン!!って閉めて、ドンドンと足を踏み鳴らして鼻息も荒く退場したのだと思います。フンッ。

ベテランのフランチャイズQBとしてチームの方針にもっと関わりたいウィルソンと、それを認めないコーチ、フロントとの亀裂は深い――ということらしい。

と、すかさず、ウィルソンのエージェントが「トレード要求してるわけじゃないけど、もし行くならカウボーイズ、セインツ、レイダーズ、ベアーズ」と発言するという事態に。

いったいなんなん。

カウボーイズはQBダク・プレスコットの大型契約が発表されたので、トレードはなし。現状では、ベアーズがウィルソン獲得に本気で乗り出していると報道されています。「シアトルが拒否できない条件をつきつける」なーんて言葉も見ました。

本当なの本当なの本当なのぉ?????

パッカーズかブラウンズかと騒がれたJJ・ワットさんが、噂にも上らなかったカーディナルズに行っちゃったという前例がありますから、どこまで本気にしていいのか分かりません。

でも私は心配しています。「ウィルソン、ベアーズに」なんて速報が飛び込んで来たらどうしよう。ドキドキドキ・・・・。

「ラスがシアトルを出ることはない」と語るKJ・ライトさんを全力で応援中❗❗❗❤❤❤