2018/08/26

ドクターも驚き テディ・ブリッジウォーターのミラクルカムバック

ニューヨーク・ジェッツのクォーターバック、テディ・ブリッジウォーターさんがプレシーズン試合で好調です。2年前の8月、膝に重症の怪我を負って以来回復を危ぶまれて来ましたが、ひょっとしてテディは完全に復帰するかも?

2014年にドラフト1巡32位でミネソタ・バイキングスに入団し、2年間バイキングスの先発QBとして活躍して来ました。2016年は怪我の後リハビリに専念し、やっと2017年の第15週目、第4クォーターに少しだけ出場できました。シーズン後、怪我の不安から5年目の契約更新は履行されず、今年春にフリーエージェントに。

「練習での調子は良かったが、医療スタッフからの報告は私が期待していたほど良くはなかった。最終的にはそういうことだ。膝は完全に回復していない。そう言われたんだ。私が練習で見ている時は、動きもよかった。制限があるようには見えなかった。しかし報告は違った」

と3月に語っていたバイキングスのヘッドコーチ、マイク・ジマーさん。んもー、この人、テディのこと大好きだったんですよ。よそにはやりたくないと思っていたことでしょう。しかしながら、チームドクターにそう言われたら契約延長はしたくても出来ない。涙を呑んでテディに別れを告げることになりました。(推測だけですが多分絶対こんな感じ!)

というわけでニューヨーク・ジェッツと1年契約を結んだテディ・ブリッジウォーター。彼の活躍をジマーさんも遠いミネソタの地から喜んでいると思います!

そして、彼の膝手術にあたったお医者さんも。


「恐ろしくグロテスクな怪我だった。ズタズタで皮膚にメスを入れても、そこには何もない。戦争で負った傷のようだった。全てが吹き飛ばされていた」

と語る執刀医は、実はダラス・カウボーイズのチームドクターで、手術もダラスで行われました。元カウボーイズのヘッドコーチだったビル・パーセルさんの勧めだそうです。パーセルさんはジマーさんの師匠ということもあり、ブリッジウォーターさんとも懇意にしていたようです。

「これまで会った選手の中でも、本当にいい子なんだよ」と医師に語ったというパーセルさん。

手術は4時間半続き、8週間後にも1時間の追加手術が必要でした。靭帯が全て破れ、かろうじて一つだけが膝を繋いでるような状態。それを復元し、ハムストリングの一部を移植しました。

「神経と大動脈には損傷なかったものの、最も酷い膝の脱臼だった。復帰できるNFL選手は20〜25パーセントくらいだろう。人間の全てが試される手術だ。どれだけ耐えうるのか。敗北した人を何人も見てきたよ。

テディが崩れるのを見たことはない。ほとんどの人は、彼がどんなに膨大な努力を重ねてきたのか想像もできないだろう。爪楊枝みたいな脚を鍛え直したんだ」

と語る執刀医のクーパーさん。ちょうど飛行機に搭乗中だったため、テディ・ブリッジウォーターのプレシーズンデビュー戦はカウボーイズのビデオスタッフに頼んで録画してもらったそうです。この試合でテディはパス8回中7回成功、85ヤード獲得、1タッチダウンという成績。

「外科医にとってのスーパーボウルは2月じゃないんだ。選手がこうしてカムバックするのを目撃する満足感は言葉にできない。このために仕事をしているんだ。テディのこんなプレイを見るために」

お医者さんありがとう〜!おかげで私たちもテディを応援できるよ〜〜〜!!

そのテディさんといえば、怪我をした年の大晦日、「2016年は、これまでで最高の年だな」なんてツイートをしていてびっくりしました。そりゃあ、「苦難にぶち当たるとその分強くなれる」という意味では良かったでしょうが、でも選手生命を失うかもしれない大怪我なんですよ。こんなふうに言える人が一体どれだけいるのか。

最近では「自分が好きなことをできる機会に恵まれて幸運です。それが一番大切なことですね。毎朝起きて、フットボールができるんだと実感することが」なんて言ってますよ。

フットボールできて楽しい〜とノッてるテディ。



「彼の内に秘めた決意が、負ける事をよしとしなかったんだ。この一年と半年の間、一日たりとも」とクーバー医師は語っています。

さて、ニューヨーク・ジェッツは今年ドラフト全体3位でQBサム・ダーノルドを指名しており、バックアップとしてベテランQBジョシュ・マカウンとも10億円で契約しています。年俸5億円のテディ・ブリッジウォーターは、多分トレード放出になると言われていますが、一体どこに行くのか。

またどこかで先発を張ってほしい。プレシーズンだけじゃなくて、レギュラーシーズンで活躍するところをぜひ見たい。そう思っているファンは多いはず。テディー!プリーズカムバーーーーック!!!

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