2017/04/10

シーホークスの新人WRシリル・グレイソンはLSUの陸上選手

NFLドラフトを前に、シアトル・シーホークスが新人ワイドレシーバーと契約しました。ルイジアナ州立大学(LSU)の陸上選手、シリル・グレイソンさんという人です。リレーの選手として全米大学チャンピオン4回という記録の持ち主ですが、フットボールは2011年以来プレイしていないという、ほとんど未経験者。

フットボール選手ではありませんが、先週のLSUプロディに参加し、40ヤードダッシュ4.33秒という記録を残しました。今年のコンバイン招待選手と比べても3位になるという好成績。その日のうちにシーホークスから契約の話が来たそうです。


大学5年生、しかもフットボール選手ではないということで、ドラフトを待たずに契約となりました。

「なんていうか、信じらんないよ・・」と語るグレイソンさん。そりゃあそうでしょうよ、ねぇ~。プロディから契約成立に至るまでを取材した記事があったので、それを紹介します。


火曜日プロディ前日
シーホークスのスカウトから電話が来て、いっしょに夕飯を食べる約束をする。レストランでは、LSUのフットボール選手数人も同席。

水曜日プロディ
40ヤードダッシュ、その他ドリルの終了後、スカウトに「明日の予定は何も入れないで。シアトルに連れて行くから」と告げられる。

アパートに戻りシャワーを浴びて、教会に行く準備をする。「父さん牧師だからね。行かないと」教会に着く前には、木曜夜発の飛行機だと連絡が入る。

木曜日
夜8時にシアトル着。「ウソみたい。こんなに早く進むとは。プロディで誰かの目を引くことができるとは思っていたけど、こんなことって」

金曜日
シーホークス練習施設で身体検査。両膝、肘、手首のレントゲン撮影。チーム関係者と会う。本人のことは全て調査済み。「下調べがきちんとしてあった」

身体検査は合格。夜にはオファーが提示されるだろうと、急遽エージェントを探す。父親と連絡を取り、ニューヨークのエージェントに決定する。

オファーは、平均的なルーキー3年契約。約5000万円、保証なし。エージェントが数チームに打診するが、どこも同じような契約で、午後7時6分にはシーホークスと契約成立。家族に連絡する。

月曜日
シーホークスがオフィシャルに契約を発表。

ということのようです。プロディから2日後にはもうプロ契約を済ませているって、本当に夢みたいだったでしょう。本人も家族も信じられないのでは。

それにしても、プロのスカウトってすごいですね。視野の広さ。調査の深さ。フットボール以外の選手まで丹念に調べ尽くしているんだな。膝のレントゲン。うーん、やっぱり・・・。

グレイソンさん、高校時代はディフェンシブバックでした。陸上の奨学金を得て大学へ。陸上のプログラムが終った後、フットボールに参加したかったけれど、奨学金枠85人はすでに決まっていたので、プレイできませんでした。

でも、プロよ、プロ。もちろんトレーニングキャンプで成果が出せなければ、あっさり切られることになるんでしょうが、大きなチャンス。LSUといえば、オデル・ベッカム、ジャービス・ランドリーの後輩ですよ。そんな活躍を期待しよう!

土曜朝にはルイジアナに戻ったグレイソンさん。4月17日にはシアトルに引越して、練習しながら卒業単位取得に必要な勉強を続けるとのこと。

よし、「シリル・グレイソン」という名前を覚えておくことにしよう!ぜひぜひ、レギュラーシーズンで、その俊足を見せてほしいです!ガンバレ~!!


◆追記◆

1.グレイソンさんに関して他の記事を読んでいたら、LSUのプロディで、クォーターバック役となりワイドレシーバー候補生にパスを出していたのは、マット・フリンさんだったという話が。

フリンさんもLSU卒業生です。2012年にシーホークスの先発QBとなるはずだった人。9億円保証の契約を結んでいましたが、その年ルーキーで入団したラッセル・ウィルソンさんが、結局先発を勝ち取ったんでした。現在31歳でフリーエージェントだそうです。



2.シアトルに到着した時、グレイソンさんの銀行口座にあったのは3400円。滞在中の食事をどうしようかと思ってたら、ホテルのルームサービスを1万円まで使っていいとシーホークスのスタッフが伝えてくれたそうです。

3.LSUの学生なら、誰でもプロディに参加できるわけではありません。大学ではフットボールができなかったので、プロになるならこの日しかチャンスがないと、数ヶ月キャッチドリルを猛練習しました。フットボール部に電話をし、メールを送り、押しかけて、なんとかプロディに参加できるように頼み込んで、やっと参加できたようです。

夢のような話が突然降ってきたというワケではなく、自分の夢に向けて努力を続けていたからこそ、こんなチャンスが回ってきた。ぜひ、ものにしてもらいたいぞ!

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