試合には出場できませんでしたが、デンバー・ブロンコスのランニングバック、フィリップ・リンジーさんも参加していました。ドラフト外ルーキー、オフェンスの選手でプロボウルに選出されたのは彼が初めてとのこと。第16週に負った手首の怪我で欠場となるはずでしたが、NFLがソーシャルメディア特派員として派遣してくれました。様々なイベントで、お祭り気分を楽しんでいるようでした。よかったね!
We disguised Phillip Lindsay as a Broncos Superfan at #ProBowl practice 😂 @I_CU_boy @Broncos pic.twitter.com/dtV6Gick2s— The Checkdown (@thecheckdown) January 27, 2019
やんちゃな下町のあんちゃんみたい。威勢がよくて、左官とか鳶職の仕事着が似合いそう。無名選手から一躍ブロンコスの人気者になりました。今年の成績はランでリーグ9位の1037ヤードと立派なもの。
デンバー生まれのデンバー育ち。大学も地元コロラド大学に進みました。カレッジリーグで活躍したものの、NFLコンバインには招待されませんでした。テレビ放映を見ながら、腹が立ってしょうがなかったというフィリップ・リンジー。
「てっきり招待されるとばかり思ってた。トップの成績を出していたのに。頬を張られたような気分だった。バカにするな。どんなランニングバックが出てるか見たら、名前も知らないような選手だ。僕よりも体格が大きい。それだけなんだ」
コロラド大学のプロディにはブロンコスGMジョン・エルウェイも視察に訪れ、リンジーさんも良い記録を残せたと満足していました。しかしドラフト指名はなく、肝心のブロンコスは他のランニングバックを2人指名。
「ドラフトの3日間は地獄だった。鳴らない電話をずっと待ち続けていたんだ。1巡、2巡は多分ムリ。6、7巡あたりかなと家族みんなで待っていた。電話が鳴るたびにビクッとして家中がナーバスになっていく。他の選手がどんどん指名されて、自分が取り残される。なぜなんだ?不安と怒りと悲しみで泣きそうだった。
実際泣いたよ。父と一緒に部屋で泣いた。家族で泣いたんだ。どんなに僕が頑張ってきたか、どんなに指名を待っていたか、家族全員がよく知ってる」
ドラフト終了の瞬間から、各チームは指名に漏れた選手の獲得に乗り出します。リンジー家にも全チームから電話が飛び込みました。
「7巡まで指名する機会が会ったのに、なんで指名しなかったんだ?今頃になってなんで電話をかけてくるんだ?怒りがこみ上げてきたよ。頭にきた。15分で返事をしなきゃいけないんだ」
1番良い条件を提示したレイブンズに気持ちが動きましたが、ボルチモアは行ったこともない未知の土地。ブロンコが7巡で自分の記録を下回るランニングバックを指名した時には、「くそったれ!ブロンコスのバッキャロー」と叫び、その怒りも収まっていませんでした。
どのチームに行くべきか、家族とエージェントが大声で言い争う中、お母さんの静かな声が響きました。
「フィル、家にいなさい。デンバー・ブロンコスに行くのよ」
この一言でフィリップ・リンジーのブロンコス行きが決定。以来、実家からブロンコス練習施設に通っています。
トレーニングキャンプでは、
「自分はクソみたいなもんだと言い聞かせた。自分はトーテムポールの一番下なんだ。黙って下を向いて、力を振り絞るだけだ。練習では1日に5回ボールを持たせてくれるのがやっとだろう。その5回で結果をださないと」
というつもりで取り組んだと語っていました。
お姉さんが2人、弟2人。5人兄弟の真ん中で、「家族が大事。家族あっての自分」だと機会ある度に語っています。インスタグラムを覗くと、家族の写真がいっぱい。
仲良し兄弟姉妹。「僕の家族が僕のすべて」
お父さんはコロラド州公立高校ランニングバックのラン記録をずっと保持していました。息子フィリップが高校の時にその記録を更新。胸のタトゥーは「家族第一 family first 」と彫られています。
「パパの半分の男らしさがあれば、僕だって大丈夫」
クリスマスは、パパにリクライニングチェア、ママには冷蔵庫、コンロ付きオーブン、電子レンジをプレゼントしました。
「ママ感謝してるよ」
ということで、家族が大好きなフィリップ・リンジーさんでした。今年の大活躍をご家族も大喜びしていることでしょう。ブロンコスのロッカールームでも人気者で、威勢の良さから「ピットブル」というニックネームがついたそうです。
Domata Peko talking about Phillip Lindsay is the best sound of the day #9Sports pic.twitter.com/7XdELUyfNb— Brody Logan (@BrodyLogan) December 3, 2018
「キャンプの時は2番をつけていて、『おい、あの2番はいったい誰なんだ?』ってみんな言ってたんだ。だけど、今は世界中が知ってる。フィリップ・リンジーさ。新人が自己紹介した時のことは今でも覚えてるよ」
と言って、リンジーさんのひっくり返った声を真似しているペコさんです。
今年以上の活躍を、来年は期待したいです。今度はプロボウルで試合に出れるといいですね!
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