2016/07/09

鎮痛剤をキャンディーみたいにもらってた:カルビン・ジョンソン引退後のインタビュー

昨シーズンでデトロイト・ライオンズを引退したカルビン・ジョンソンさんのインタビューがありました。

NFLのスター選手だというのに、正式な記者会見もなく、静かに去ったこの人。生の声を聞きたいとずっと思っていました。体がもうボロボロらしいという話は聞いてたけど、それ、実際どうなの?って。

そんなことを、わりとざっくばらんに語ってました。


今までの無理が体にきているところはいろいろあるけど、まず、手が痛いって言ってた。

キャッチするのが仕事のワイドレシーバーなのに。指の手術写真をインスタに載せてたけど、ああいうの、たぶん完全には治らないんでしょう。キャッチするたびに少しずつまた悪化したり。

この体の状態では、自分の納得がいく練習を積み重ねることができない。望む成績を残すために必要な練習ができない。という理由で引退を決めたそうです。そんな体と精神的な疲れが混じって、もう限界だと。

「ライオンズがスーパーボウルに行けるようなチームだったら、引退してない?」という質問には、「決断するのが難しかったかもね」と答えてました。

NFLは選手の故障報告を義務付けています。ジョンソンさんもこの9年間で足首、アキレス腱、膝、下肢、肩、腿、股、手、足、背中の怪我がリストに上がっています。こんなに怪我をしながら、試合を休んだのは9試合だけ。

脳震盪の報告はありませんが、もちろん経験しています。

「プレイごとに起きないとしても、2回のプレイで1回、3回で1回は起こっている。ヘルメット同士の衝突もあるし、地面へ頭を打ちつけることもある。脳が頭蓋骨へぶつかることだからさ、衝突の慣性で。脳震盪なんか簡単に起こるよ。どのくらいやったか数は分からないけど、人並みには十分に経験したよ」

ジョンソンさんがNFLに入った当時は、やはり全体の雰囲気として、脳震盪という言葉に触れたくない、目をつぶっていたいような状況だったそうです。

体に故障を抱え、それでも試合に出なければならない選手に、チームの医師は簡単に鎮痛剤を渡していたとも。かなり強い薬でも、キャンディーをあげるみたいに。

薬なしではプレイできない。そんな状態が続いていて、「こんなふうにしてずっとやっていくことはできない」と思ったと。

毎日鎮痛剤を飲まなければ、機能しない体。薬づけになるのは体によくないと知っていても、薬を手放せなかった。

「一番痛かった怪我は?」という質問には、膝だと答えていました。シーズン中に、少なくとも12回は水を抜き、痛み止めを打ってパッドを当てて、すぐ試合。

すごい選手だったから、この人がいなければ勝てないチームだったから、無理をして出なければと思っただろうし、チームもファンもそれを期待していただろうし、なんかもー、むっちゃ大変やん!!

はー・・・。

でもNFLの選手って、みんなこんなふうなんだろうな。怪我をしても、自分よりチームを優先してプレイし続けるんだろうな。まさに、なんというか、現代のグラディエーター・・・。

(こんなとこ、日本のサラリーマンもいっしょか。体に無理をして仕事を続けるって)

こんな話を聞いてると、もっと選手に給料払ってやれや!と思います。ちょうどNBAのフリーエージェンシーが解禁になって、大型契約がビシバシ決まっているのを見ていると、NFLの選手って、ほんと、ワリに合わないよな!

バスケットボールはコンタクトスポーツじゃないし、体への負担だって少ないのにさ。収益だってNFLのほうが断然多いのになんでだろ?と思ってたら、チームのロースターがバスケは13人なのにフットボールは53人で、そういうことも関係しているらしいです。

まーそんなこと言ってたら、野球なんかもっと負担少なくてタラタラやってるようにしか見えないんだけど。(って、すまんね!偏見で!しょうがないんだよ、NFLのファンだから!)

世の中っていろいろ不公平ですよね・・・

まあいいよ。(いつもこれ)

ということで、カルビン・ジョンソンさんは、復帰をするという気持ちはまったくないようです。ジョンソンさんの家はアトランタにあるので、「ファルコンズでやったら?」って言われてwww「いや、それはないよ」と言ってました。

引退しても時々顔をみせてくれるといいな。

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